わたくし率 イン 歯ー、または世界 (講談社文庫)

著者 : 川上未映子

• 講談社 (2010年7月15日発売)

感想・レビュー・書評

[小豆さんの感想 · 2024年4月18日]

夏物語の衝撃から川上さんの過去作をもっと読みたいと思っていた。手に取ったデビュー作である本書、ごめんなさい、表題作は最後まで読めませんでした。文体が独特すぎて、私の頭がついていけなかった。「感じる専門家　採用試験」p125後半からはラップ詞を読んでいるような怒涛の展開と夏物語への続くような内容に気持ちが持っていかれそうになる。

[竜之介さんの感想 · 2024年4月9日]

少しでも気を抜いたら遅れを取り戻せなくなるくらい置いていかれそうになる、スピード感と世界観。

[くにひささんの感想 · 2024年3月4日]

表題作よりも｢感じる専門家 採用試験｣の方が好きだった。元彼との子供を産むことについての喧嘩を思い出して少し泣いてしまった。｢夏物語｣も似てるテーマらしいから読んでみよう。

<無い>ところに<有る>をつくるこの行為
｢子ども子どもと云いながら・あなたが欲しがってるものは・ほんまのところ何ですか｣
｢<どうして？>と問いつづけた精神が・いずれおなじく<どうして？>と問い出すであろう精神を・どうして生むことができるでしょう・存在の悲しみがわかりますか｣
｢あなたは何を生むのです・子どものつもりであなたは世界を・あなたは世界をつくるのです・一度有ってしまえば二度とは無かったことにはできない世界を・あなたは作ってしまうのですね｣

川上未映子さんの、口語でうわああって今まで抑えてたような感情が溢れて言葉が溢れるように出てくるシーン、すごい好き。｢乳と卵｣もそこが大好き。

[Kei Yamaguchiさんの感想 · 2024年2月29日]

存在とは。「在る」とは。考え始めたら止まらないよなあ

[こばさんの感想 · 2024年2月3日]

てつがくチャンネル

[さんちゃごさんの感想 · 2023年12月26日]

これはすごい。ほんとうにめちゃくちゃすごい本だった。
芥川賞を取った作品だけど、コンセプチュアルすぎることもなく、かといって平易な物語でもなく、独特の発想と鋭い着眼点を、小気味よいリズムで読ませる。連綿と紡ぐ能力が高くなければこの味は出せず、これが処女作であること、出身が音楽関係であることなど、驚きばかり。

[橙色の屋根さんの感想 · 2023年11月6日]

物語にも入り込め、「わたし」って何？と思いを巡らせることも出来る大好きな本。一気に３回読んだ。これかも読む。川上未映子氏にどっぷり浸かるきっかけになった本。

[mahiroさんの感想 · 2023年11月6日]

突拍子ない脳内語りとか哲学的テーマとか自我とか詩的文体とか、、、よく分からないけれど楽しめた。読み進めるうちに、徐々に不穏さが増していってまさにミステリー。語り手の思い込みや異常性はかなり怖いしはた迷惑だけれど、思うことは自由で避難所で。彼女の孤独や絶望が切なかった。

[0607yukiさんの感想 · 2023年11月5日]

よくわからなかった。

[Tomiokaさんの感想 · 2023年11月5日]

よくわからなかった。

著者プロフィール

大阪府生まれ。2007年、デビュー小説『わたくし率イン　歯ー、または世界』で第1回早稲田大学坪内逍遥大賞奨励賞受賞。2008年、『乳と卵』で第138回芥川賞を受賞。2009年、詩集『先端で、さすわ さされるわ そらええわ』で第14回中原中也賞受賞。2010年、『ヘヴン』で平成21年度芸術選奨文部科学大臣新人賞、第20回紫式部文学賞受賞。2013年、詩集『水瓶』で第43回高見順賞受賞。短編集『愛の夢とか』で第49回谷崎潤一郎賞受賞。2016年、『あこがれ』で渡辺淳一文学賞受賞。「マリーの愛の証明」にてGranta Best of Young Japanese Novelists 2016に選出。2019年、長編『夏物語』で第73回毎日出版文化賞受賞。他に『すべて真夜中の恋人たち』や村上春樹との共著『みみずくは黄昏に飛びたつ』など著書多数。その作品は世界40カ国以上で刊行されている。

「2021年 『水瓶』 で使われていた紹介文から引用しています。」