新装版 ムーミンパパの思い出 (講談社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062769341

感想・レビュー・書評

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  • 再読中。ムーミンパパの回想記。実は今まで何度読んでも、ムーミンパパの尊大さ、他人を見下す上から目線が大嫌いだったのだけれど、今回さすがに自分が大人になったせいか、ま、こういう性格はもうしょうがないか、と思えるようになりました。

    パパ自身の述懐に「どんなことをしてでも、まわりのものたちにつよい印象をあたえたいというのが、わたしの性分なんです。尊敬でもいいし、同情でもいいし、恐怖でもいい。とにかく、人にわたしというものを印象づけることです。この性分は、たぶん、人から無視されがちだった、わたしの子ども時代の影響でしょうね。」とあり、捨て子で孤児院で育ったというパパの意外な過去が人格形成に影響してるんだろうなと理解。

    しかしそんな尊大なパパですら敬意をはらう発明家フリドリクソンは、自由な発明家でありながら温厚で寛容で、理想の大人像として大変魅力的。ものぐさなヨクサルも、さすがスナフキンのパパだけあって、ひょうひょうとしてて好き。しかしミイとスナフキンの血縁関係は相変わらず謎だなあ。

    途中から登場する「おばけ」の言動が、なんだかデスメタルの人みたいで妙にツボってしまい、かなり笑えました。そういえば北欧はなぜかメタルバンドが多いという統計があったっけ、と、関係ないけど納得。

  • 風邪をひいて塞ぎ込んでいるときに、ムーミンママからの提案で、「思い出の記(自叙伝)」を書くことにしたムーミンパパ。
    そう、この本はムーミンパパが著者となって彼の若き日を語る物語なのです。
    おなじみの登場人物の両親たちも登場する愉快な冒険のお話が繰り広げられます。
    そして、ムーミンパパとムーミンママの出会いが語られて、ムーミンパパの思い出話は終わるのですが、その後には素敵な演出のおまけが仕掛けられていて、最後まで楽しませてくれます。

  • そいや、ムーミンが生まれた頃のムーミン一家は、どこに住んでいたのでしょうか。

  • 文庫版で再読。

    ムーミンパパの若き日(子供からいきなり結婚できるくらいになってるんだけど)の思い出。スニフは母似なんだね。しかしスナフキンの場合はちょっとややこしい。ムーミンパパの自意識過剰ぶりにはちょっと閉口。いろいろな人が翻訳をしているので、会話などに統一感がなく、今読むと日本語としておかしい部分も多々ある。

  • ムーミンパパのナルシストぶりには苦笑。自分をこの上ない存在だと思い込み、他者に対しては手厳しい。ま、若いってそういうことなのかな。

    モランに食べられそうなヘムレンおばさんを咄嗟に助けたまではいいが、船上で一緒に暮らす間に鬱陶しくなり、ニブリングにさらわれた時には無視していた。全編を通して後味の悪い箇所だ。ロッドユールが後悔しておばさんを結婚式に招待し、最後はほっとさせられた。
    ロッドユールとスニフの父子はおバカだけど純粋で救われるような気分になる。
    一方でパパが愚鈍なロードユールや怠け者のヨクサルから一線を引いて、知的で行動力のあるフレドリクソンを慕う気持ちもよくわかる。
    どちらのタイプの友達も人生には必要なものなんだな、きっと。

  • パパの冒険家になりたい夢

  • ムーミンシリーズ3作目。

    ムーミンパパの自伝。ムーミンパパの、自分は特別な星のもとに生まれた~という考え方や、困っている人を助ける正義感、フレドリクソンと離れたとたん気が沈むあたりは、若い頃なら誰もがもつ考えだなぁと共感し、ムーミンパパにもそんな時期があったのだなぁと微笑ましく思った。
    風邪をひいたことがきっかけで書き始めたのに、風邪が完治したことに触れないで終わるあたりがムーミンらしくて笑ってしまう。

    いつもは自由に生きているスナフキンがヨクサルのことについて物凄く興味を示しているのと、フレドリクソンのヨクサルについてのセリフがお気に入り。

  • もうほんとみんなかわいい。笑
    若いパパも、フレドリクソンも、ヨクサルも、ロッドユールも、
    “針がガチガチ鳴るほどのスピードであみもの”をするおばけも。

    パパの思い出話の合間に出てくる
    子どもたちの反応も読んでいて楽しかったです。

    パパとママとの出会いのシーン、
    しあわせいっぱいのエピローグも素敵でした。

    ところでスナフキンはミイの甥っ子だと思ったのですが、
    文庫の巻末には「ミイはもしやスナフキンの異父姉なのか」と…。
    ヨクサルはミムラのむすめ(ミムラ夫人の長女)を
    好きになったのでは…あれ…?夫人の方だったの?

  • アニメ「楽しいムーミン一家」で三話に分けて明かされたムーミンパパの過去の話が、まるっと通して読むことができます。

    アニメにはなかったエピソードが多く、キャラもそれぞれ立っていて、まとめ方といいとても読んで満足できる内容でした。ミムラ夫人とヨクサルの接点とか、自分の親の話を聞きたがるスナフキンやスニフの描写がアニメになかったのはやはり、子供向けアニメの倫理上イカンということだったのかな・・・?笑

    ともかく面白いです。個人的に、スナフキンがやきもち妬いてしまうところが、ツボすぎて、キュンとして、もーーやばいです!!それだけでも読む価値アリ!!

  • 哲学的動機と使命感から書き始めたのに、書きあがれば富と名声は当たり前についてくるものと思ってる風だったり。

    冒険と、謎を愛し。紳士さと騎士精神を重んじる。

    「自分は○○なんだから」「周りは○○なって然るべきだ」という考えがいつも先に立つんだけど、起こったことや成り行きを、なんとかかんとか受け止めて幸せになる。

    幸運と偶然で出来上がったような半生を、教訓たっぷりに語るムーミンパパ、な小説でした。
    たま~に感情的になりこそすれ、偉そうに考え込むことが少ないパパなので、安心して好きになれます。

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著者プロフィール

1914年、ヘルシンキ生まれ。画家・作家。父が彫刻家、母が画家という芸術家一家に育つ。1948年に出版した『たのしいムーミン一家』が世界中で評判に。66年、国際アンデルセン賞作家賞、84年にフィンランド国民文学賞を受賞。主な作品に、「ムーミン童話」シリーズ(全9巻)、『彫刻家の娘』『少女ソフィアの夏』(以上講談社)など。

「2023年 『MOOMIN ポストカードブック 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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