夏を喪くす (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062773829

感想・レビュー・書評

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  • 毎話すごい、ちゃんと痺れる。マハさんを忘れそうになるけど舞台となってる土地とかアートとか、やっぱりマハさんだった。タイトル通り夏っぽい物語かと思って夏まで温めていたけどその必要はなかった。

  • アラフォー女性の4人の人生。
    天国の蝿 すごく歯痒い
         父親としてカッコいいのか悪いのか。
    ごめん  ミステリー要素が強かったから、先が気にな
         る。ひとそれぞれの秘密。
    表題よりこの2作が好み。

  • これまでの原田マハさんとテイストが違って驚いた。不倫やだらしない親など出て大人なかんじ。私はこちらのほうのテイスト好きだな

  • 苦手でした。。
    なんか重くて暗い感じで。

  • 小説を久しぶりに読んだ、それがこの作品で良かった。言葉ひとつひとつに色が見えるというか、情景が繊細に見えた。「最後の晩餐」の話だけ、文章からあまり絵が見えてこなかった。でもそれは夢と同じように、自分自身がニューヨークのような外国で過ごした経験がないから色が見えてこない。他の物語は鮮明に見えたのに。本が読めるということは、今まで見てきた色(景色)をパズルのように組み合わせ、頭の中で描ける力だと思った。だからこそ、人生経験が深まるにつれて色が見えてきたりするのかな。

    内容に関しては、女性の生きていく強さが見えた。というか、女性って本当に逞しいなと思った。タイトルが「夏を喪くす」ということで、人生の華を無くすような感じの印象を受けた。夏から秋に移ろうことでまた夏が散った後の美しさ、華を無くした後の生き方にこそ味が出るというか、また新しい美しさを知るんだろうな。

  • 表題作の「夏を喪くす」。強そうに見える人でも、ひょうひょうとしている人でも、完璧に振る舞っている人でも、何かしら一つ弱みがあって、それを隠しながら隣にいるのかもしれない。自分がパニック障害になってからそんなこと何度も考えてきたのに、こういった物語に出会うと忘れてしまっていたなと思い出す。

    1番好きなのは最後の晩餐。足長おじさんを探すマリ。見つけた時は少し震えた。クロがどこにいるのか生きているのか分からないけど、パストラミ・サンドイッチを美味しく食べ終えていますように。

  • 最後の晩餐が一番すき。

  • 原田マハさんの、女性視点に描かれる中編集。

    マハさんの作品にしては珍しく、のめり込まずに第三者的視点のまま読了。
    はっきりと何か決定的なわかりやすいストーリーが描かれるわけでもなく、少し抽象的な形で終わることが多い4作品が集まった感じ。

    でも、最後の解説に、「共通点は『異物』を突きつけられたことをきっかけに行動する女性4人について描かれていること」というようなことが書いてあり、合点がいった。
    また、「解答を用意していない」とも。少し物足りなく、モヤモヤしている今の自分の感覚が正解であるような気がして、少し安心できた。

    ハッピーエンドばかりではないのが現実。
    でも、その中にも何か前に進むためのきっかけを見出す女性の、ある意味でのリアルを描いているような気がした。

  • 昔読んだと思うのだけど記憶からなくなっていたので再読。
    起こっていることは主人公にとってとても大きなことばかりなはずなのに、感情の起伏や乱れや葛藤のようなものがそこまで深くは描写されていないからか、どっぷり感情移入するということはなかった。
    最も、起こっていることが重い出来事ばかりなので、これで感情まで事細かに書かれていたら読み手も受け止めるのに相当なエネルギーを使っただろう。
    どの作品も苦しいけれど、一作目「天国の蠅」は明るい未来を感じられる分まだ救いがあったかもしれない。
    18歳の娘に対し、父のことをどのように、どこまで話すのかは気になった。
    そのまま話せば少なからずショックを与えるだろう、でも良いことばかりで語れるのだろうか、とか。
    ともあれ、作家としての格のようなものを感じる本だった。

  • 大人の恋愛物語でした。マハさんの新たな一面を垣間見た気がします。

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著者プロフィール

1962年東京都生まれ。関西学院大学文学部、早稲田大学第二文学部卒業。森美術館設立準備室勤務、MoMAへの派遣を経て独立。フリーのキュレーター、カルチャーライターとして活躍する。2005年『カフーを待ちわびて』で、「日本ラブストーリー大賞」を受賞し、小説家デビュー。12年『楽園のカンヴァス』で、「山本周五郎賞」を受賞。17年『リーチ先生』で、「新田次郎文学賞」を受賞する。その他著書に、『本日は、お日柄もよく』『キネマの神様』『常設展示室』『リボルバー』『黒い絵』等がある。

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