夏を喪くす (講談社文庫)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062773829

感想・レビュー・書評

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  • 単行本で「ごめん」として出版されたものを
    文庫化の際に「夏を喪くす」と改題された短編集。
    女性を主人公にした4つの作品。
    以前「ごめん」で読んだときは
    すこしネガティブなレビューを書きましたが
    2年の歳月を経て 私自身も変化したのか
    今回は しみじみ染み入る感覚があり
    スーっとした読後感でした。

  • 4つの話からなる短編集
    どれもばしっと最後というか答えを書かない感じ

  • 今まで読んだ原田マハさんの作品とは全然違うイメージ。

    それぞれの登場人物同様、共感できたり出来なかったり、
    読んでるこちら側の感情も多様。
    登場人物たちの感情も含め、捉え方は人それぞれと、
    物事には無数に視点があると再認識。

    短編なので読みやすい。
    長編で読みたいと思った作品もあった。

  • 「ごめん」とい名の本でしたが、
    内容は同じものみたい。

    天国の蝿

    ごめん

    夏を喪くす

    最後の晩餐


    の4つの短編小説集。

  • マハさんの新たな一面を見られたような気がした。女性を主人公として、前向きに人生を歩もうとしている点はいつも通りだけど、なんか主人公があまり可哀想ではないというか共感しにくい人物像で、私とは別の種類の人間を対象にしているのか、はたまた恋愛を主軸に置いた話なのかどちらかなのかな。

    恋も仕事もなんでも手に入れてやるぞ!と、ひと昔の女性像ではない主体性を持って野心的に生きる女性達が主人公。自分は別に古風な人間でもないけれども野心に関しても希薄で、そこまでガツガツしなくても良いのになーと思ってしまったし、そういう人間が実際いることに違和感も嫌悪感もないけど、疲れそうだなと思った。実際、物語は面白くてどんどん読み進められたけど、読んでいて疲れた。特に恋愛の話になると、しかも自分本位すぎる彼女たちを見て、全く共感できなかった。確かにあらゆる出来事を通して本当に大切なものを見つける、というストーリー展開は良かったが、若干強引さを感じずにはいられず、いやいや私はそうは思わんよ、と突っ込んでしまった。強いていうなら、周囲にも少なからず味の濃いこういった女性がいるから、ここで慣れといて、うまく理解はできるようにする準備のための本かな。

    乳癌の話は、患者の気持ちに寄り添うための参考になった。

  • 短編4つ。
    大人の女性の物語であるけど、それぞれ不完全なただの人で、悩みや後悔と選んできた人生が描かれている。

  • 原田マハさんはこういう書き方もするんだなぁとびっくりしたのが、最初の「天国の蝿」
    それで持って、範子の父親には感動したな。
    最後の作品は、舞台も日本ではなくアメリカだからまた違った作者が書いている錯覚に陥った。2023.6.7

  • 40代の日本女性の今を掬い取った、紛れもない文学作品。原田マハが単なるエンタテイナーではなく、人間を探求した文学者であることを示した意欲作を集めた中編集です。解説にフェミニストの斎藤美奈子を据えたのは編集の妙手です。

  • 全ての話が最後にどんでん返し。意外な結末と行く末を想像させられる終わり方が良かった。
    女性が主人公だからこそ、共感できるわがままな心があり読みやすかった。

    4つの話の中では天国の蠅が一番好きでした。

  • 似た趣旨の事書いてる感想結構見かけたけど、マハさんぽく無い。なんか全部どこかで読んだことある様な感じで、しかも「へ?そっち行くの?」って感じで、ほぼ心に残らなかった。

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著者プロフィール

1962年東京都生まれ。関西学院大学文学部、早稲田大学第二文学部卒業。森美術館設立準備室勤務、MoMAへの派遣を経て独立。フリーのキュレーター、カルチャーライターとして活躍する。2005年『カフーを待ちわびて』で、「日本ラブストーリー大賞」を受賞し、小説家デビュー。12年『楽園のカンヴァス』で、「山本周五郎賞」を受賞。17年『リーチ先生』で、「新田次郎文学賞」を受賞する。その他著書に、『本日は、お日柄もよく』『キネマの神様』『常設展示室』『リボルバー』『黒い絵』等がある。

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