夏を喪くす (講談社文庫)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062773829

感想・レビュー・書評

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  • 自分の欲望に忠実で自由な女性の、人生中期あたりを描く4編、中編集。
    どれも決定的な最後がなく、これからも人生は続くことを感じさせられる。
    自由を得る代わりに、失っていないようで失っているものがあるんだな…

    タイトルを見て、9月初めに読みたかった本です。

  • あっという間に読み終えました。

  • 原田さんらしくない作品だと思った。揺れる女心。
    決意の瞬間。優しくない女の人たち。自分が自分が、自分の気持ちばかりを大事にしていて、羨ましくなってしまう。
    こんな風に生きていけたら楽しいだろうな。

  • 天国の蝉、泣けました

  • 現在の筆者の作品は、美術がテーマの話が多いのだが、これは少し前の作品なので、全く異なるテイスト。
    ただ自身とは境遇が違い過ぎるのか、あまり共感はできず、流し読みになってしまった。
    世の中の40代、50代の女性ってこんな感じなの?と思ってしまう。

  • 短編小説集。全て大人の女性が主人公。複雑な背景を持った女性たちが自分たちで考え、選択していく人生が描かれている。

  • 何冊か読んできた原田マハさんの他の作品とは少し違ったテイスト、という印象。正直最初の「天国の蠅」「ごめん」「夏を喪くす」は登場人物に必ずしも共感できず、いつもみたいに単に暖かい気持ちでで読み終えることができなかった。でも人間らしくて、リアルで、一度立ち止まっても主人公は必ず前を向く。ちなみにタイトルにもなっている「夏を喪くす」は「あなたは、誰かの大切な人」の青柳と咲子の物語。
    4編目の「最後の晩餐」が個人的には好きだった。つらいけれど、最後はやはり前向きに終わり、清々しさを残してくれる作品。私はラストサパーに何を、誰と食べようかと考えさせられた。

  • 読み応えある短編集。キャリアを積み、仕事も夫も恋人も手に入れた女性たちが思わぬ異変にぶち当たる。20代も30代も40代も人生のターニングポイントがあって、どんな状況であれ前向きになる勇気を持てる主人公たちは強いなぁと思いました。完全な結末は描かれていないため、ある意味清々しい。

  • 初めて原田マハを読んだ時のような感動は無いのだけれど、やっぱり人の心を動かす力のある作家さんなんだなと感じずにはいられない。それこそ絵画のような、美しくて、でもその美しさには精巧に計算された構成があるような作品。
    「天国の蠅」は少し父子の関係を美化し過ぎな所も。
    「ごめん」は誠実で愛に溢れた夫の過去と意識不明となった今が絶妙に結ばれてていく。
    「夏を喪くす」はとても辛い。青柳という男性のキラキラした姿につい甘えそうになった瞬間、彼もまた喪う人だったという衝撃。夏の沖縄と、そこに架かる橋で願い事をする様は、まるで映画。
    「最後の晩餐」はニューヨークの9.11を題材に、喪くしたことを受け入れきれない姿、共を裏切った罪深さを、パストラミサンドイッチやポトフといった日常の料理と対比しつつ、もしかしたら、喪くすことを受け入れるということは無いのかもしれない、と考えさせられる。

  • 登場人物の年齢が自分に近く、自分自身と重ねて読みました。
    …といっても、主人公の経験と重なるもほはほぼないけど。
    疑似体験をして、「自分ならどうするかな…?」と思いを馳せました。

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著者プロフィール

1962年東京都生まれ。関西学院大学文学部、早稲田大学第二文学部卒業。森美術館設立準備室勤務、MoMAへの派遣を経て独立。フリーのキュレーター、カルチャーライターとして活躍する。2005年『カフーを待ちわびて』で、「日本ラブストーリー大賞」を受賞し、小説家デビュー。12年『楽園のカンヴァス』で、「山本周五郎賞」を受賞。17年『リーチ先生』で、「新田次郎文学賞」を受賞する。その他著書に、『本日は、お日柄もよく』『キネマの神様』『常設展示室』『リボルバー』『黒い絵』等がある。

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