贖罪の奏鳴曲 (講談社文庫)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062776660

感想・レビュー・書評

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  • 話の展開としてはそれなりでした。評価星2つ。結末がおおよそ見当がついたので、驚きもなかった。なによりも全体を通して陰鬱なイメージが抜けなかった。障がい者を扱っているからなのか、話の設定なのかは分からないが、痛快感はまったく感じられなかった。

    稲見さんの保護施設の費用もきっと御子柴が出していたのだろう。

  • なかなか癖のある主人公で面白かった。

  • 『カエル男ふたたび』を先に読んでいたので御子柴弁護士のことは少しだけ知っていた
    あんまり印象は良くなかった
    中山七里さんの小説が好きだからこのシリーズも読んでみようと思って読んだ
    読んで良かった
    前歴のある悪徳弁護士でなんか態度も気に入らない!というイメージから色々な過去を抱えているけどなんか頑張ってる弁護士!に変わった
    さゆりのピアノを聴いて感情を取り戻していくところが1番人間らしくてよかった

  • 中山七里さんの作品は初めてでした。弁護士版ブラックジャックといったダークヒーローもの。14歳のときに幼女バラバラ殺人を犯し、少年院に収監された主人公の御子柴礼司。弁護士となった彼の現在担当する国選弁護人としての裁判話と、少年院でのエピソードがストーリーの主となっています。テンポ良く逆転劇もあり楽しめました。続編もこの後読みます。

  • 慣れない電子書籍で読んだからなのか、前半はなかなか進まず、かなりゆっくりペースになってしまった。でも御子柴礼司の過去パートの辺りからは、面白くなってスピードアップ。

    弁護の話や裁判の話が出てくるので、小難しい単語が多め。文章も硬めで少しとっつきづらいけれど、表現が丁寧でバリエーションも豊富なので味わいながら読めた。

    後半は、ハラハラする上、二転三転する展開で気が抜けなかった。もう終わるのかなという感じのところでもまた驚きがあって、面白かった。

    見える部分だけではわからない。人間は、いろいろなものを抱えているね。

    御子柴礼司、よくわからない食えないやつだなあと思いながら読んでいたけれど、最後には好きになってしまった。渡瀬も味があって好き。シリーズ物みたいだから、ほかのも読もう。

  • なかなか手が伸びなかった御子柴弁護士シリーズ。
    人を殺めたという過去と、法外な費用でえげつない弁護をするという悪名高い弁護士。
    なんとなく敬遠していたけど、「合唱」を読んで、そこまで悪い人じゃないのかも?と思い、読んでみたら、面白かった。善人かといわれると頷けないけど、完全な悪人ではなさそう。少年院での出来事が特に印象的。

  • 償いというのは言葉じゃなくて行動だ。だから懺悔は口にするな。行動で示せ。

    「その埋め合わせをするには別の人間を苦しみから救い出す。それが一番、真っ当な答えだとは思わないか」

    「自分以外の弱い者のために戦え。奈落から手を伸ばしている者を救い上げろ。それを繰り返して、やっとお前は罪を償ったことになるんだ」
    「そんなもの・・・いつ終わるんだよ」
    「お前が死んだ時さ。お前は既に他人の人生を奪っている。だから他人のために生きてこそ埋め合わせになるんだ」
    「他人のための人生かよ」
    「勘違いするなよ。罪を償うのは義務じゃない。罪びとに与えられた資格であり権利だ。真っ当な人間に戻る権利だ。償った人間には安堵と光明がある」

    点ではなく、線で考える。証言の真偽を見定めることから弁護人の仕事は始まる。依頼者や相手の家庭環境は言うに及ばず、その現道や書いたものまでを調べ上げるのでこの手法はひどく手間隙がかかる。しかし間違う確率が低い。迅速さを誉められるのはピザ屋の出前くらいのものだが、最近は抱えている案件の多さに弁護士や検事、果ては裁判官までが結論を急ぐあまり現象面だけしか見ていない。拙速とまで言うつもりはないが、性急に出された判決には危うさがついて回る。

    万人に衡平な裁きなど所詮人間には不可能だ。現実に裁判官に求められる裁決とは、法体系に準拠した上で最大多数を納得させるものでしかない。

  • このストーリーは知っていると思ったら以前に三上博主演の映像化作品を先に見ていたことに途中で気づいた。最後のどんでん返しは忘れていたようで読みながら思い出した。映像化作品を先にみてしまうとどうしてもキャスティングの人物像がちらついてしまうからできるだけ原作を先に読んでからの映像作品を見たいと思っている。実際にあった神戸の事件の犯人像と御子柴礼司を重ねてしまう。とはいえ実際にあった事件をこれだけのミステリーに仕上げて唸らせる、だから読書はやめられない。

  • タイトルとのギャップを感じつつの猟奇的犯罪者の資質を臭わす悪徳弁護士キャラの前半。回想?から、タイトルに繋がっていく中盤。後半は怒濤のドンデン返しだな。スピード感もあり、裁判での心理戦、刑事さんも良い味だして、諸々の仕掛が楽しめました。

  • 御子柴シリーズ♪と読み始めてすぐに、え?御子柴さんって悪い人なの!?(岬シリーズを先に読んでいた私はてっきりそんな感じのいい人を想像してた)びっくりしつつも、小手川&渡瀬刑事の登場にワクワク。少年院時代のピアノの少女って?そんなつながり!?なんてドキドキ。
    一人目の犯人に驚愕し、さらにその後に驚愕の上塗り!
    びっくりしかなかった。。。
    渡瀬と御子柴の戦い(?)を今後も一緒に追い続けたい。だから御子柴さん、死にかけてる場合じゃないよ!

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著者プロフィール

1961年岐阜県生まれ。『さよならドビュッシー』で第8回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、2010年にデビュー。2011年刊行の『贖罪の奏鳴曲(ルビ:ソナタ)』が各誌紙で話題になる。本作は『贖罪の奏鳴曲(ソナタ)』『追憶の夜想曲(ノクターン)』『恩讐の鎮魂曲(レクイエム)』『悪徳の輪舞曲(ロンド)』から続く「御子柴弁護士」シリーズの第5作目。本シリーズは「悪魔の弁護人・御子柴礼司~贖罪の奏鳴曲~(ソナタ)」としてドラマ化。他著に『銀齢探偵社 静おばあちゃんと要介護探偵2』『能面検事の奮迅』『鑑定人 氏家京太郎』『人面島』『棘の家』『ヒポクラテスの悔恨』『嗤う淑女二人』『作家刑事毒島の嘲笑』『護られなかった者たちへ』など多数ある。


「2023年 『復讐の協奏曲』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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