おどろきの東京縄文人 (世の中への扉)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (178ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062870023

作品紹介・あらすじ

もくじより――
まえがき マンションの工事現場で
第一章 人骨発見
 もしかして殺人事件?
 縄文人の骨かもしれない
 専門家たちの意見を聞いてみた
 年代測定の結果は
 東京縄文人のナゾを解明せよ!
 マスコミに発表
第二章 ドクロだらけの部屋で
 縄文人の顔は彫りが深い
 一〇人の東京縄文人たちのプロフィールは
 12号人骨とイルカの骨の腰飾り
第三章 東京縄文人のナゾにせまる
 東京縄文人のことがここまでわかった
  どういう家に暮らしていたのか
  埋葬方法は
  使っていた土器は
  東京縄文人はどこからやってきたのか
  なぜ人骨が溶けずに残ったのか
  なにを食べていたのか
12号人骨の持ち主はムラのリーダーだった
第四章 追跡! 12号人骨復顔プロジェクト
 立体ジグソーパズル
 なぜ頭がい骨を骨折したのか?
復顔アーティストの登場
「あっ、こういう顔だったんだ」
 復顔アーティストになるには
「縄文人」を型どり、成形し、塗装する
 ついに完成!
第五章 縄文時代の東京にタイムスリップ
 東京縄文人の衣食住
 海ぞいのムラとの交流
 竹べらとペン
 縄文時代はゆたかだった
あとがき 発掘現場はいま

感想・レビュー・書評

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  • 「2012年11月、東京都新宿区市谷加賀町2丁目で、大量の縄文人骨が出土しました。東京のどまん中で、びっくり!」

    との紹介文。
    小中学生向けの本かな、と思います。

    マンションを建設するための発掘調査で、10体の東京縄文人の人骨が見つかります。
    その中の一人、約5000年前の縄文人を“復顔”するのです。
    その人は発掘時の様子から、ムラのリーダーと考えられ、40代の男性で、身長161.2センチと推定。

    まず、バラバラの骨のピースをジグソーパズルのように組み合わせ、頭蓋骨を復元します。
    その頭蓋骨からレプリカを作り、“復顔アーティスト”なる人が、生きていた頃の顔を作り出すのです。
    写真付きでその工程が解説されていますが、本当にワクワクしますね!
    まさか縄文人と会えるなんて!

    最後のページに、その後の発掘現場の写真が掲載されていますが、普通の住宅街です。
    この下に5000年前の人達の暮した痕跡があるかと思うと、何とも不思議な胸の高鳴りを覚えます。


    ……はみ出しエピソード……
    人骨鑑定のプロ・坂上さんという方が登場するのですが、本好きな坂上さんは、この縄文人の人骨に「新宿鮫」とニックネームをつけたそうです(笑)

    • aoi-soraさん
      土瓶さん、こんばんは^⁠_⁠^

      そうなの、鮫島さんが縄文人に!!
      そして縄文鮫島さんには、6本の虫歯が確認されたそうですヽ⁠(⁠(⁠◎⁠д...
      土瓶さん、こんばんは^⁠_⁠^

      そうなの、鮫島さんが縄文人に!!
      そして縄文鮫島さんには、6本の虫歯が確認されたそうですヽ⁠(⁠(⁠◎⁠д⁠◎⁠)⁠)⁠ゝ
      2022/11/13
    • kuma0504さん
      aoi-soraさん、おはようございます。
      そうなんです。
      考古学の面白いところは、
      まるでファンタジー小説のように妄想が広がるところなんで...
      aoi-soraさん、おはようございます。
      そうなんです。
      考古学の面白いところは、
      まるでファンタジー小説のように妄想が広がるところなんです。
      新宿には、とっても優秀な博物館があるので、おそらくそこに「実物」が収容されているはず。確かめてみたいな。
      2012年と言ったら、つい最近ですね。
      私が新宿博物館に行ったのも2013年だったから、まだ展示されていなかったかも。
      2022/11/22
    • aoi-soraさん
      kumaさん、おはようございます^⁠_⁠^

      そうそう、ファンタジー小説ですね!!
      もうね、脳内で妄想がどんどん広がっちゃいます。

      新宿っ...
      kumaさん、おはようございます^⁠_⁠^

      そうそう、ファンタジー小説ですね!!
      もうね、脳内で妄想がどんどん広がっちゃいます。

      新宿ってすごい場所なんですね。
      この本を読むまで知らなかったです。
      現在の街の様子からは想像もつきませんが。
      今度、新宿を訪れるのが楽しみになってきました。
      博物館も行ってみたい。
      実物かぁ(⁠*⁠^⁠3⁠^⁠)⁠/⁠~⁠♡
      また妄想が……
      2022/11/22
  • 2012年2月、東京都新宿区市ヶ谷加賀町二丁目から人骨が掘り出された。埋まっていた層から明治時代以降のものかな、もっと近年で殺人事件だったら大変だなあ…、ところが調査の結果、なんと縄文時代のものではないか!

    都心のど真ん中のこの地域は、江戸時代には武家屋敷が建っていて江戸時代の遺物は多く出てきていた。そして木造の武家屋敷を建てるには地面をあまり深く掘ることがない。そのため人骨がそのまま保存されていたようだ。

    出てきたのは10体の人骨。
    各専門家チームが調査を行う。
    この本では、それぞれの専門家がそれぞれの調査方法を行っていく過程、その専門家たちがなぜその仕事についたのかも書かれていく。
     酸性の土壌では人骨は溶けてしまう。ではなぜ縄文時代の骨が残っていたのか?
     10体の年齢、性別、食べていたものは?
     埋められ方から、当時の生活や、死生観がわかるか?
     人骨のレプリカから、どんな顔立ちだったか復顔してみよう。
     日本の他の土地で掘り出された縄文人との繋がりはあるのか?

    9体は縄文後期のものだが、1体だけ縄文中期のものがあった。おそらく遺体を埋めるために穴を掘ったら人骨が出てきたので一緒に埋めたんではないか、と予測する。このときすでに遺体、骨を尊重していたと感じられる。

    そして掘り出された東京縄文人のなかでも1体だけ埋葬方法が特別だった。遺体をまっすぐ寝かせたり人骨の周りを他の人骨で囲んだり。そこでこの人骨は特別なリーダーと思われる。
    さらにこのリーダー(仮)は、他の縄文人たちとは食べたものが違ったり、千葉縄文人が持っていたイルカの骨の飾りをつけていた。どうやら東京縄文人と千葉縄文人には交流があったのだ。このように、ムラを創っていた縄文人たちは、食べ物や生活が違っても離れたムラと物々交換したり、結婚したりしていたんだろう。


    現代の我々の生きている地面の少し下に何千年も前の人々の痕跡がある。当時はどんな土地だったのか、どんな人達が住んでいたのか。
    過去を思い、知ろうとして、自分たちがその上で生きて、未来に繋いでいく。考古学、歴史、地質を学ぶというのは未来につなぐということ。

  • 『おどろきの東京縄文人』|感想・レビュー・試し読み - 読書メーター
    https://bookmeter.com/books/8117395

    骨が語る人の「生と死」 日本列島一万年の記録より 東京大学総合研究博物館(会期:2023年9月30日~2024年2月22日)
    https://www.um.u-tokyo.ac.jp/exhibition/2023life_and_death.html

    新宿に生きた縄文人~市谷加賀町二丁目遺跡の発掘:新宿区(2015年2月18日)
    https://www.city.shinjuku.lg.jp/video/video_jm01.html

    東京のモスク、訪ねて知った世界 イスラムへの偏見拭う一冊「モスクへおいでよ」|好書好日(2019.02.28)
    https://book.asahi.com/article/12165104

    滝井 宏臣 - Webcat Plus
    http://webcatplus.nii.ac.jp/webcatplus/details/creator/292237.html

    おどろきの東京縄文人 - 講談社コクリコ|講談社
    https://cocreco.kodansha.co.jp/catalog/0000210331

    『おどろきの東京縄文人』(瀧井 宏臣)|講談社BOOK倶楽部
    https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000210331

  • [墨田区図書館]

    6年生の社会で縄文時代(&弥生時代)をやっていたので、何か縄文時代に関する絵本をと探していてヒットした本。

  • これを読んで考古学とか骨格を研究する人とかに興味を持つ子どもがでてくるんだろうなあ。
    そういう職業紹介的要素がたくさん、そういうことを意図した本か。

  • 平成22年10月に東京のど真ん中新宿で縄文人の人骨10体が発掘されました。全国的にも縄文人骨の発掘事例は乏しいので、大発見!です。調べると、縄文人の食生活は豊かで、集落は800年も続いた安定的な社会であることがわかりました。復元された縄文人の顔は凛々しいですね。筆者が元NHKの社会部記者であることや中高生を対象に書かれたことで、携わった方々のヒストリーに触れるなど目線が新しくわかりやすい記述でした。

  • 東京都新宿区でマンション建設の工場現場から、大量の人骨が出てきた。事件性の可能性もあり、はじめは警察が来た。しかし、骨は古い。近くで発掘されてもいる江戸時代のものかとも思われたが、調べてみると、それらは縄文時代のものだった!

    人骨を調べる、いろいろな専門家達。縄文人が何を食べ、どんな生活をしていたかがわかる。そしてどんな顔だったかも復元してゆく。

    太古の歴史ロマンに迫る!

  • 一つの骨を巡って、色々な人が関わっているのだと感心した。最初の骨鑑定士みたいな人がチャーミングで面白かった

  • 新宿の発掘現場で発見された人骨が縄文時代のものだったということも驚き。人類学者や復元作業を行う人、複顔を担当するアーティストなどたくさんの人の仕事が垣間見られることも面白い。
    放射性炭素年代測定法が個人的にはかっこいいと思う!

  • あまりにも面白くて、本が付箋だらけになりました!世の中、知る人ぞ知る、いろんなプロがいることにも感心しきりです。東京に住んでるなら、ぜひとも読んでほしい本。

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著者プロフィール

瀧井宏臣
たきいひろおみ
記録作家。1958年東京都生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。
著書に『ダントツ技術』(祥伝社)など。児童向けには、『東京スカイツリーの秘密』『おどろきの東京縄文人』(ともに講談社)などの著書がある。『東京スカイツリーの秘密』は、2015年度より小学校5年生国語の教科書(学校図書)に紹介されている。

「2015年 『東京大空襲を忘れない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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