天皇陛下の全仕事 (講談社現代新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062879774

感想・レビュー・書評

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  • いやあおもしろかった。
    陛下はめちゃめちゃお忙しいではないか…。
    トリビア的内容もあって興味深く読んだ。

  • 読了。
    対外的には国家元首と看做されているが、実際は国事行為と同等、若しくはそれ以上に宮中祭祀のポーションが高い事が良く分かる。我々が目にする天皇陛下の公務は極一部に過ぎず、人知れず只管日本国民の安寧を祈る祭司でもある。中国や西欧の感覚でEmperorと訳す故に誤解が生じるのだと思うが、西欧人の感覚的には教皇や総主教のような立場と説明した方が、実態に近いのではないか。いずれにせよ、天皇陛下の激務の実情を詳らかにした功績は大きいと思う。

  • 今まで詳しく知らなかった天皇陛下や皇室について、とても分かりやすく丁寧に解説されていて、天皇陛下がより身近な存在として感じられるようになった。

  • 今上天皇のビデオメッセージを機に天皇の生前退位の問題が論じられつつあるが、なぜ本書が話題にならないのだろう。たしかに、出版されたのは7年前の平成21年であり、著者が皇室担当の記者をしていたのは、その更に前であるが、全容があまり知られていない天皇の仕事を知るには絶好の一冊ではなかろうか。
    本書は、事実を細大漏らさず記載しようとしており、やや詳細に過ぎる気はするが、公務である国事行為と公的行為、そして、私的行為といいつつ公的な性格を帯びたものまで、天皇の行為・行動・行事を丹念に拾い上げている。その分類も分かりやすい。こうして見ると、高齢の天皇が単独で担うのは厳しい気がしてくる。いずれにせよ、日本国の象徴という特異な責務を負う天皇の日常を知ることのできる貴重な一冊であろう。

  • 憲法で規定されていない「公的行為」や、私的・公的が曖昧な「その他の行為」が、「天皇の仕事」のうちテレビで取り上げられやすい「仕事」の多くを占めていることを知った。
    例えば「国際親善」「宮内晩餐会」「外国訪問」「地方訪問(行幸啓)」は公的行為になる。そして地方訪問に付随する「福祉施設訪問」や付随では無くそれ自体が目的となる「被災地お見舞い」は「その他の行為」であり、そしていわゆる「平成流」の天皇の行為になっている。
    この施設訪問やお見舞いでは、分単位で予定が決められている天皇が侍従の耳打ちを「聞かない」ことがある。これは、全ての人に対して同じように対応するのが天皇の仕事であり、時間が詰まったからといって短縮するわけに行かない、と今上天皇が考えていることを示している。
    昭和天皇の行幸時にお見舞いなどの行為がほとんど無かったことは、この本で改めて指摘されて気付いた。既に平成も28年になり、昭和天皇のときにどうであったか、ほとんど忘れてきている。それほど、今上天皇の「平成流」行為は浸透しているのだと思う。
    今上天皇の生前退位の「お気持ち表明」(http://www3.nhk.or.jp/news/special/japans-emperor/)において「日本国憲法下で象徴と位置づけられた天皇の望ましい在り方」と仰せの行為は、この「平成流」のことなのだと思うし、おそらく国民もこの平成流が好ましいと感じているのではないだろうか。
    ただし、今上天皇の仕事のうち、その全てを次の天皇の仕事とするのは多すぎるかもしれない。実際、皇太子時代からそのまま引き続いて天皇の仕事としているものもあるようなので、それに関しては皇太子や皇族に改めて振り分けるのも大事だと思う。
    また、天皇の仕事のうち、皇后を伴う仕事も多くを占めているが、譲位後に現皇太子さまが雅子さまを伴って仕事出来るかという疑問がある。もちろん皇后が必要と規定されているわけでは無いが、例えば「お茶会(いわゆるティーパーティーであり昼食会を含む)」などで夫婦伴って招いた場合、主催者側も夫婦で応対するのが普通になってきている。そのときに次期天皇が一人で応対するのはどうなのか、とは思う。そのような面からも「平成流」の仕事は今上天皇のみになるのかもしれない。
    いずれにせよ、高齢者である今上天皇の余命はさほど長くない。生前退位云々はともかくとして、次期天皇の仕事の範囲を考える上でも良い本であろう。

    目次(http://bookclub.kodansha.co.jp/product?isbn=9784062879774):
    1 信任状捧呈式
    2 天皇の住まい
    3 皇室の構成
    4 「天皇の仕事」の内訳――どのような仕事をどのように
    5 「公的行為」とは何か
    6 執務――書類の決裁
    7 皇室祭祀(宮内祭祀)はどのように行われるか
    8 皇居・宮殿での儀式・行事
    9 国際親善の仕事
    10 宮内晩餐会
    11 外国訪問
    12 地方訪問
    13 福祉施設訪問と被災地お見舞い
    14 追悼と慰霊の旅
    15 国会開会式と戦没者追悼式
    16 拝謁と会釈
    17 さまざまな儀式・行事
    18 式典出席や文化の振興
    19 進講と内奏
    20 伝統文化の継承――稲作と和歌
    21 展覧会、コンサート、スポーツ観戦
    22 静養と研究
    23 スケジュールはどのように決まるのか

  • 2009年刊。「生前退位」のニュースがきっかけで読んでみた。マスコミでは報じられない、天皇陛下の皇居内での仕事(行事)が連日山のようにあることに驚いた。天皇と皇太子は成人年齢が18歳だというのもびっくり。具体的に「どれほど忙しいのか」がよく分かる良著。◆【引用メモ】天皇陛下が平成16年に決済された書類の件数は、内閣からの上奏書類が1091件(中略)天皇が泊まりがけで地方訪問している場合、書類の決裁はどうなるかというと、内閣官房の職員が閣議後、すぐに公文書を現地まで運び、決済してもらうのである。(p.92)

  • 陛下の仕事量の多さに驚き。

  • お仕事がたくさんあるのは知っていたが こんなにあるとは!と陛下の大変さを感じた

  • 陛下のお仕事の多さに驚く。日本国の象徴として多くの行為をなされていることに感嘆する。庶民にはできない仕事があり,それこそが天皇が現在ある意義なのだろう。存在そのものが有り難く感じる。

  • 報道だけでは分からない天皇陛下の仕事が、分類別に網羅してあります。
    結構ハードな量のお仕事を笑顔でこなされている両陛下に頭が下がる思いです。
    報道などで使われていても正確な意味の分からない用語の解説などもあって、興味深かったです。

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著者プロフィール

1968年神奈川県生まれ。地域医療機能推進機構(JCHO)東京高輪病院内科管理部長。医学博士。1994年東京慈恵会医科大学卒業。日本赤十字社医療センター研修医、東邦大学医療センター大橋病院循環器内科などを経て現職。専門は心臓血管のインターベンション治療。生活習慣病の患者さんには予防・改善のためにウォーキングをすすめている。趣味はマラソン(自己ベスト3時間49分)

「2016年 『医者に「歩きなさい」と言われたら読む本 メタボ・糖尿病・高血圧を改善!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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