独立国家のつくりかた (講談社現代新書)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062881555

感想・レビュー・書評

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  • 0円ハウスを読んではまった坂口恭平の本、第二弾。
    前回より新しい本。最近の知名度向上の影響もあってか、若干読みづらく、独創的な思想を誇示しようという強さが際立つ。
    内容としての面白さ、独自レイヤーと呼ぶ筆者独自の視点からの論は面白く読めるが、やや灰汁が目立つ。

    大震災後の筆者の行動変化に対しては一読してもよいかも。

  • 建築学生としては、やっぱり引力があるから危うく感じる。モバイルハウスとか。パフォーマンスに見える。
    でもやっぱり発想の転換だったり、行動力だったりは尊敬してる。
    学校社会と放課後社会の比較はすごくわかりやすかった。

    「チェンジではなく、エクスパンド。」

  • ちらちらとは聞いていたけど正直、ゼロ円ハウスとか、この独立国家
    とかいう概念にピンとこないどころか、胡散臭ささえ感じていました。

    大いに反省。
    坂口さん、すごいよ。

    「なぜ人は試さないのか?
    自分でゼロから考えてやれば、どんなことだって出来る。
    しかも、実は社会システムですらそれを許容してくれるように
    設計されている。ただそこで生きる人間たちが勘違いしているだけ
    なのだ。」

    そうなんだ、その通りなんだ、と思えることをズバズバと指摘。
    しかもその指摘のポイントや内容が、何故今まで気付かなかったのか、
    もしくは誰も出版物なので論じなかったのか、ということばかり。

    『自分は~をしたい』ではない。
    やりたいことは無視して、自分がやらないと誰がやる、ということを
    やらないといけない。

    どんな自己啓発書よりも、有益な一冊です。

  • 何が言いたいのか分かったような、分からないような。それで2回読んだが、やはりよく分からない。特に”第4章 創造の方法論、あるいは人間機械論”

    著者の文章には読みやすい(理解しやすい)文章と読みにくい(理解しにくい)文章が混在している。加えて、レイヤー、態度、経済、交易といった一般的な単語に、著者が特有のニュアンスを持たせて用いているためかとも思う。著者の躁鬱とも関係あるのか。

    著者の言う、態度経済・交易とは、ギブ&テイクで成り立つユートピアのようなものか。
    でも、著者のいう0円社会は、好きでもない仕事をして、35年の住宅ローンを払っている人がいるから成立するのではないかな。だって、もしみんなが0円生活を始めたら誰が0円生活のインフラ(家を造るための資材や公園の水道水)を提供してくれるのだろう。そういう意味で、著者の提唱する0円生活ってズルくはないか。

    著者の感度・感受性は、普通の人と違う。
    態度とは、意識、無意識かを問わず自信の現れ。
    これらは合わせて才能とも言える。

    疑問(生存権、土地所有制度、政治システム)に思ったら、まず考えて、次に実行してみる。そうすると、意外にも出来てしまうことが多いよ。やはり一種の哲学かな。”進む電波少年”に似ている。

  • 坂口恭平という人がどれだけ知られた人なのかわからない。テレビはみない。新聞は時々読む。あとは気になったニュースをネットでチェックするだけの生活。
    リンゴの皮を包んで捨てようと思った古新聞の記事にこの人が載っていて、早速本書を購入。新政府樹立!? 何をわけわかんないこと言ってるんだ。面白すぎるじゃないか。というわけで本書を読んだ。
    まるで自分が書いたような錯覚におちいった。
    著者は、原始人生活を原点とする生活を、この現代において果敢に実践しようとしている。原始人が現代に突如現れたとして、この文明を目にしたら、「生き延びるために」どうやってそれを活用するか。その理論的指南書。しかしほとんど抽象的な理屈はない。著者の経験から導きだされた具体的記述しかない。しかし彼が辿り着いた場所に、自分もまた違ったプロセスをたどりながらすでに辿り着いているような気がする。あとは、その道筋を具体的に思い出すだけだ。

  • 大人が子供力を存分に発揮するとこんな事ができるのかと。ほんと天才だな。

  • この本を読むと、かなり思考のパラダイム転換が起こる。

    暮らし方、仕事、住まいについて、新しい見方ができる一冊。

  • カネがないと人間は生きていけないのか?抽象的ではなく具体的な問題としての生きるとは何か?という問いに「変化」ではなく思考転換による「拡がり」を目的とする「考える革命」や「0円戦争」を主張。レイヤー思考的には独立国家というより並列国家か?
    国家は単一レイヤーの生き方を提示し推奨してくる。その方が統治しやすいからだ。で、人はそれを主義や常識として受け入れ無意識化し疑い持たない。そして生活費必要な量とは?不安ではなく恐怖の実態とは?という事を明らかにせずに、盲目的に只管に走り続け疲弊している。確かに狂っていると思う。
    躁鬱病で自殺願望があり、その絶望感が生きる意味を問い、社会を俯瞰する力となっているとさえ解釈可能な著者の主張には過激な所はある。だから、常識的で所謂ちゃんとした人は本書を否定するだろう。が、それは思考停止して、国家に飼いならされているだけかもしれないという事に疑いを持った方がよい。

  • 独立国家建設とはなんぞや!?と最初は驚かされたが、何も途方もない現実離れしたことを著者は述べているのではなく、逆に我々が無意識のレイヤーに絡め取られており、思考を制限されていることに気づかされた。内田樹氏が述べている「市場からの逃走」現象に類する行動の一例なのかもしれない。著者のこれからの活動にも興味をもって見ていきたい。
    【2週目】
    思考せよ、日本人。
    常識というものが如何に考えさせない魔法として機能しているかを痛感する今日この頃。「常識宗教」と呼べるほどである。そう呼んでしまいたい。「長いものに巻かれる」ための思考が論理的な思考であると、平然とみなせてしまう常識人は、もはや自由度を失ってしまっている。
    目覚めよ、日本人。

  • タイトルは刺激的だが、中身は普段から不思議に思っていることばかりだった。考え方が変わる本。目からウロコな一冊。

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著者プロフィール

1978年、熊本県生まれ。料理家、作家、建築家、音楽家、画家。2001年、
早稲田大学理工学部建築学科卒業。2004年、路上生活者の住居を収めた写真
集『0円ハウス』を刊行。2008年、それを元にした『TOKYO 0円ハウス 0円生
活』で文筆家デビュー。2014年『徘徊タクシー』で三島由紀夫賞候補、『幻
年時代』で第35回熊日出版文化賞、2016年『家族の哲学』で第57回熊日文学
賞を受賞。著書に『cook』『自分の薬をつくる』『お金の学校』『ゼロから
始める都市型狩猟採集生活』『現実宿り』『よみぐすり』など。

「2022年 『中学生のためのテストの段取り講座』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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