- Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062932943
作品紹介・あらすじ
暮れも押し迫った夜、上野の空きアパートの一室で、顔と両腕を損壊された遺体が見つかった。手がかりは、遺体の腹に記された謎の数字と、狩りの守護聖人のカードだけ。連続殺人を予測した如月塔子ら警察の捜査むなしく、第二の事件が発生。またも記された数字は、犯人からの挑発なのか。数字の意味は? 彼の意図は? 謎と推理の応酬の果てに彼女らが辿りついた、残酷で哀しい真相とは。超人気本格警察小説シリーズ第5弾!
感想・レビュー・書評
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シリーズ5作目で単純に面白かった。今作は今までとは違い、犯人の顔というか気配が終盤まで感じられなかった点が新鮮で良かった。そしてメインで追っていた犯罪を飲み込んでいく展開に驚かされるとともにとても惹きつけられるものがあった。
また、鷹野に美味しいところを持っていかれてしまったが、塔子の刑事としての成長を強く感じた作品になった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
シリーズ第5弾。
東上野の空きアパートで見つかった身元不明の男性の遺体。
顔は薬品で焼かれ、胴体には「27」の数字。
捜査本部に召集された塔子は、いつもと同じ鷹野と一緒に捜査を進めるが、全く手掛かりのないまま、次の遺体が発見される。同じように数字が書かれているが、その謎も解けないまま、中盤まで物語は進んでいく。
これまでの4作で、早めに犯人が登場していることで、今作ではいろんな人が怪しく感じてしようがなかった。
しかし、事件の全容が明らかになると悲しい過去と子供を思う切ない親の気持ちが丁寧に描かれ、やはり今回も想像を上回るラストの展開だった。
今回は分析班の集合シーンは少なったけど、徳さんの着眼点などが際立っており、主人公の塔子だけでなく、やはり十一係の連携の良さを実感する内容だった。
いつも思うが、タイトルのつけ方が本当に絶妙。 -
面白かったし 読みごたえがあった。
こんな切ない結末になるとは思わなかったなぁ。
初めてこのシリーズを読んだ時 塔子にはあまり魅力を感じなかったし 2作目3作目くらいまでは それが変わることはなかったような。でも いつからか どんどん魅力を増して イキイキと動き始めた塔子。体力的には 男性にかなわないけれど 女性に というか 塔子にしかできない仕事が少しずつ確立されてきたというか。まだまだ揺れながら 他の刑事には時に甘いと言われながらも 自分なりの立ち位置で犯人や関係者に向かい合う 決して器用ではない その姿勢に惹かれるのかもしれない。 -
大好きなシリーズの一つの第四弾。
やっぱり安定してますね(笑)
読みながら一緒に犯人探ししたけど、いい線まで行ってて最後、あっさり騙された(ま、毎回だけれど 笑)
二弾、三弾よりも面白くて、一気読みに近い形で読了。
今回は警察官としての如月 塔子、一個人としての如月 塔子が葛藤するシーンなんかもあって。ドライになりがちな刑事の心情に、人としての暖かさが感じられた。
ただ、最後の方は家族って何だろうね。って思わせる様な展開で、心が苦しくて少し寂しかった。
最後に、シリーズごとに塔子さんは成長しているし、同じ女性として応援したくなる。
今後もずっと続いてほしいシリーズ。 -
少し事件が読めてきたと思ったら意外と早くに事件が解決し、疑問に思った直後の展開が泣けました。
手代木管理官がどんどん嫌味になってきて困ってます。
次回作も楽しみです。 -
警視庁殺人分析班の若手女性刑事の如月塔子を主人公にしたシリーズの第5弾。
今回は顔や両腕を薬品で損壊する残酷な猟奇殺人を巡り、如月塔子ら殺人分析班のメンバーが犯人を追い詰める。遺体に残された謎の数字とポストカード。そして、第二、第三の事件が…
全く正体が解らぬ犯人像に少しずつ迫る面白さに余りにも出来過ぎた偶然という相反する要素に、確かに先のストーリーは読めないが、少し陳腐さも感じた。しかし、シリーズを重ねるごとに面白さは増しており、その分、読者の要求も高くなっているのは確かだ。 -
如月 塔子シリーズ、第5弾。
古いアパートの一室で、薬品で顔を消された遺体が発見された。そして、その遺体には、「27」という謎の数字が書かれていた。
遺体の身元が判明しないまま、第2、第3の事件が起こり
事件は連続殺人の様相を呈する。
いったい誰が、何の目的で...
そして、「27」、「45」、「63」と続く凶数は、何を意味するのか?
二転三転する真実、そして、最後に明らかになったのは、哀しくも深い親子の愛情であった。
何が正義で、何が悪か、難しい問題かも知れません。
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回を重ねる毎に面白くなってきたように感じます。
今回は一見すると猟奇殺人のような事件ですが、その裏に隠された動機は予想を裏切るものでした。鷹野班の面々が見せる事件捜査のプロセスにプロらしさが増してきたのが良いです。