- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062934770
感想・レビュー・書評
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村田さんの世界観にみごとにハマってしまう作品だった。作品の情景表現がすごくうまくて最後まで読み入ってしまった
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通勤電車の中で読むのはちょっと勇気がいる本だった。今私の生きている世の中の常識とは全く違う常識の世界で、いろんな考え方にギャップがあった。
私は今生きている世の中の制度の方がいいなあ。。
誰かに合法的にころされるかもしれない世界なんて嫌だな。。恐ろしい
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生と死と性の実験室。それぞれ題材はめちゃくちゃ興味深かったけど、話として面白いとは思わなかった。自分の結構普通な価値観への挑戦状かもね。
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○殺人出産
解剖シーンがグロくてしんどかった。
村田さんの他の作品にある食人や昆虫食、殺人シーンは大丈夫だったけどこれはきつかった。
誰の考えにも賛同できないから没入も出来なくて、呼んだ後はよくわからない気分だった。
設定は面白い。
○トリプル
これも性行為シーンがきつかった。
結構特殊性癖だと思う。
トリプルの性行為が正しいと思う人には現代の性行為が同じように気持ち悪いと感じられるがしれない…という体験にはなった。
○清潔な結婚
快楽のための性行為と繁殖のための性行為を分けるという考えはすごく目新しく感じた。
結婚について、「母親になったり女になったり友達になったりしなくてはいけない。私は、ただシンプルに、兄妹みたいに暮らせたら——(以下省略)」というセリフが心に残った。
ロマンチックな恋がしたいと思いながらも、年齢を重ねるごとに、感情の起伏が少ない、疲れない結婚がしたいと思い始めているから…。
○余命
永遠の命を手に入れてもヒトはヒトから自由にはなれないのかもしれないと思わされる。
むしろ死が突発的でなく自らの決定で訪れるものになれば、その判断すらも他人に評価されるんだろうな。
ダサい死に方、地味な死に方、親孝行な死に方…etc.
死に方まで死後噂話のタネになるなんて、死後まで人間社会に逃れられない気がして、救いも何もない気がした。 -
コンビニ人間に続き村田作品2作目。早くも村田ファンだ。一見衝撃的な題材「生・性・死」しかしながら誰もが多少なりとも抱くであろう「殺意,浮気心,潔癖さ,死生観」を織り交ぜ、現実にあるかもと思わせる筆力。村田氏が過去に経験したような気さえする。価値観や倫理観を揺さぶられるこの感覚が癖になる村田作品。本書のどの短編も良いが文庫版「清潔な結婚」の163〜164頁『恋愛の延長線上で家族を探すことに違和感がある。(中略)ただの家族としてパートナーと向き合いたい』が印象的且つ共感する部分がある。
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独特の世界を描いているが没入は全くできない。カズオイシグロとの違いは何…
もう少し丁寧に書くと、カズオイシグロだって私を離さないでとかクララとおひさまとかで、近未来の倫理的にバグってる設定で物語作ってる。でも読者はそこにぐいぐい引き込まれて、その倫理観に全く同意してなくても物語世界にどっぷり浸れる、というか浸されてしまう。溺れてしまう。
一方この作品は、とっても奇抜で独特な設定であるにも関わらず最初から最後まで「ふーーーーーーん。」で終わる。つまり没入できない。物語は永遠に私の外にある。私は外から物語を眺めているだけ。ゆえに心を揺さぶられるような感動は生まれない。
カズオイシグロに限らず、村上春樹も、ガルシアマルケスも、読者を完全に浸らせて心揺さぶってくる。この違いは何からくるのだろう?これが筆力の差ということなのか?全くわからない。 -
常識や正義だと我々が思っているのものを、ぶち壊していくような作品でした。
とても面白かったです。
村田沙耶香さんの本は、「コンビニ人間」しか読んだことがなかったのですが、更にディープな魅力に触れられたような気がしています。
ぜひ他の本も読みたい! -
独特の世界観。生と性にいろいろな考えがあって、何が正しくて何が間違ってるのか、正解はない。殺人出産で頭と心がかなり疲れたのか、短編だったもののあとの3作を読むのに苦しかった。村上沙耶香作品初心者は余命くらいの超短編からくらいが丁度いいかも。
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「コンビニ人間」に続いて読んでみたけど、今回のも完全に狂ってて面白かった。登場人物みんな狂ってる。こんな世界観を描けるなんてきっと作者も狂ってる(褒めてる)
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暗い話で個人的には好きではなかった
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発想は天才的だと思う反面、自分は受けいれられなかったです。最後に気持ち悪さが勝ってしまいました。。
ただ、常識というものは、結局は多数派が作り上げているだけなのではと思ってしまうような世界観がすごいと思います。
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思ってたのと全然違った。復讐とか強烈な殺意を達成するために10人産むのかと思ったら、世界観から違ってて、私にはどうしても共感できない世界で最後まで「なんで?」がぬぐえなかった。他の短編もものすごく個性的な世界で残念ながらどれも共感出来ず、気持ち悪さだけが残ってしまった。
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清潔な結婚ふつうに近い未来実現しててもおかしくない。殺人出産が成立してなくても、相手殺されてたんじゃね。とは思うね、狂気がないと10人も産めないよ
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すごく面白かった!
物語の世界線が現実味帯びていないけど、もしこうだったらの世界で描かれているストーリーがやけにリアルで読んでいてゾクゾクした!
少しミステリアスなところがいい! -
村田さんの作品はとにかく鮮烈なインパクトがある。
とりあえず娯楽として面白いのと、あれこれと考えさせられるところが私好み。
ただし考えたとてすぐ答えは出せないトピックばかり。
村田さんの作品の中ではいつも、ありえないが合理的な価値観や制度が登場する。
「気持ち悪い。理解できない」という感想で終わる人もいるだろうし当然それでも良いとは思う。
ただしその価値観を理論的かつ理性的に否定できる人は少ないのでは?とも思う。 -
ありえない設定?いや、あり得るように引き込まれる。
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わかります。
まるで、私のいる世界が間違っているかのような、
この世界が当たり前だ。と
いつかはそうなるのかもしれない。
まだ、その時が来...わかります。
まるで、私のいる世界が間違っているかのような、
この世界が当たり前だ。と
いつかはそうなるのかもしれない。
まだ、その時が来ていないだけ。と
あり得るように引き込まれてしまいますよね。2022/04/12 -
コメントありがとうございました。
その通りですね。今は自分とは違う世界のことのように思えても、いつかはこんな世の中が当たり前になるのかもしれ...コメントありがとうございました。
その通りですね。今は自分とは違う世界のことのように思えても、いつかはこんな世の中が当たり前になるのかもしれないと思ってしまうくらい引き込まれますよね。
素敵なコメント、ありがとうございました。2022/06/12
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