双孔堂の殺人 ~Double Torus~ (講談社文庫)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062935487

感想・レビュー・書評

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  • 今回の話は難しかった。数学用語なんだと思うけど、何だか哲学みたいだし。最後のトリックのところも???な感じでした。
    でも面白いんだよなぁ

  • 85

  • 3.7

  • 表紙が綺麗。
    数学の部分は知識ひけらかしのように思えて流し読みしてしまったが、トリックと全然関係ないように思えた難解な話が流し読みながらも閃きにつながる...と不思議な感覚を覚えた。
    謎解きのヒントに気づけた部分は5割くらいだった。
    あと「共同研究」という言葉の響きがなんかダサい...他になんか言葉ないのかな?

  • ■館と天才たちと奇行の探偵、再び。第二弾開幕!

    二重鍵状の館、「Double Torus(ダブル トーラス)」。警察庁キャリア、宮司司は放浪の数学者、十和田只人に会うため、そこへ向かう。だが彼を待っていたのは二つの密室殺人と容疑者となった十和田の姿だった。建築物の謎、数学者たちの秘された物語。シリーズとして再構築された世界にミステリの面白さが溢れる。「堂」シリーズ第二弾。

  • 数学が理解できたらもっとこのミステリ楽しめるんだろうなぁ。それ抜きにしても、館物として面白いとは思うのだけど。

    ダブルトーラスと呼ばれる館で起こる殺人事件。そして自分が犯人だといいはる流浪の数学者十和田只人。この難事件に挑む宮司警視。
    いつ神が出てくるのかと思ったけど、そこだったのか…と。

  • ○ 総合評価  ★★☆☆☆
    〇 サプライズ ★★☆☆☆
    〇 熱中度   ★★★★☆
    〇 インパクト ★★★☆☆
    〇 キャラクター★★☆☆☆
    〇 読後感   ★★★☆☆

     周木律の「堂」シリーズ第2段。舞台となるのは二重螺旋の館「ダブル トーラス」=双孔堂。「鍵を思わせる形状」である双孔堂で殺人事件が起こる。1作目の「眼球堂の殺人」と異なり,主人公は警察庁の宮司司という人物。宮司司が妹である宮司百合子のために,双孔堂にいる十和田只人に会いに行くところから物語が始まる。双孔堂についた宮司は,被害者が2人いる殺人事件に遭遇する。そして,「犯人は僕だ。そうでしかあり得ないんだ」と言う十和田に出会う。
     双孔堂で殺害された人物は鰐山豊という大学教授と双孔堂の所有者である謎の数学者,降脇一郎という人物。鰐山と降脇は密室で殺害される。十和田はその密室の中で拳銃を持った状態で倒れていた。
     宮司の取調べに対し,十和田は「僕の主観なんか存在しない。記憶がないんだから」と言いながら「客観的に見て僕が犯人」と告げる。しかし,宮司は十和田が犯人ではないという強い確信を持つ。捜査が続く中,双孔堂の客人だった鳥居美香という学生が姿を消す。鳥居美香が姿を消したことを知った十和田は取調べに応じ,「要するにだな,僕は,実は犯人ではなかったということだ」と宮司に伝える。
     十和田は双孔堂の謎を解くための要点として「大切なことは目に見えないということだ」という言葉を告げる。そして謎解きを始める。双孔堂=ダブルトーラスには2つの抜け穴があった。鰐山と降脇を殺害した犯人は,使用人の立林という人物。十和田は双孔堂に仕掛けられた謎を暴く。双孔堂の1階(と思われていた部分)は地下にあったのだ。外から見て1階に見える部分が2階。2階に見える部分が3階。双孔堂はこのような構造になっており,1階部分と2階部分の間に抜け穴が2つ存在した。そもそも「降脇」という名前の人間は存在しなかった。「ふるわき」は「藤」,「ルジャンドル」,鰐山」,「木村」の4人の頭文字を繋げてできた名前。降脇として殺害された人物=北山田正一は双孔堂の使用人だった。
     鰐山の妻,明媚の父親は木村五郎。犯人の立林付=木村位は明媚の兄。それぞれメビウスとクラインから付けられた名前だった。実際は明媚と位の父親は木村五郎ではなく鰐山豊だった。
     双孔堂にいたもう一人の使用人,飯手真央は善知鳥神だった。神が百合子に「あなたには,まだあなたが知らない秘密がある」と告げる。
     この作品の総評を考えると犯人の意外性はそれほどでもない。使用人である立林付=木村位が犯人だと言われても,ミスディレクションとなるような人物もいないし,これといった伏線もない。「ふーん」と感じる程度。密室殺人のトリックとしては,「大切なものは目にない」という点を要点としたトリック。双孔堂が2階建てではなく3階建てだったというトリック。これもじっくり読めばそれなりの伏線があったのかもしれないが,「やられた」というより「ふーん」と感じてしまう程度だった。サプライズは★2程度だろう。
     熱中度はそれなりにある。そもそも,魅力的な謎を要する本格ミステリは,この謎をどう論理的に解決するのか…という読者を惹き付ける部分があるので,基本的に熱中度は高い。それに加え,探偵役であるはずの十和田只人が物語早々で「犯人は僕でしかあり得ない」というのは面白い趣向。先が気になって一気に読んでしまった。熱中度は★4で。
     インパクトは「眼球堂の殺人」よりは弱い。「眼球堂」に比べると「双孔堂」はインパクトに欠ける。鍵のような形で,トリックは2階建てのように見せかけて3階建てだったというもの。この仕掛けは「図4 ダブル・トーラスの真の姿」として図面で示されている。堂そのものを使った大規模なトリックだが,「眼球堂」ほどのインパクトはない。★3止まり。
     キャラクターは十和田只人,善知鳥神に加え,宮司司と宮司百合子というメインキャラクターが登場している。そのほか,舟生警部補や毒島刑事といった警察,この作品の容疑者や犯人も登場する。しかし,全体的に見てキャラクターは弱め。個性が薄くあまり書き分けられえいない印象がある。★2程度
     明らかにシリーズの途中の作品。投げっぱなしの謎も存在するため読後感は良くも悪くもない。★3で。
     総合評価としては★2だろう。読んでいる途中はそれなりに熱中できたが,意外性に乏しく真相が地味。館の仕掛けも推理できたわけではないのだが,やられた感は乏しかった。メフィスト賞受賞作品だった「眼球堂の殺人」をシリーズ化するために作られたやや無理をしている作品に見えてしまった。
     

  • キャラクターが魅力的で前回に引き続き読了。正直、数学は全くわからないのでさらさら〜っと飛ばしてしまうこともある。
    今回はトリックが面白いというより、シリーズ全体の伏線?

  • 人物設定、トリックなど一作目に比べて薄くなってる感がある。
    次作を読むかどうか悩む、、、

  • 十和田、こんな人だったっけ?
    『眼球堂の殺人』の時はもっと人間味があった気がしたんだけど…

    十和田が自首する、という出だしは、読者を引き込ませる。
    でも、このシリーズは、どんなに味付けしても建物に仕掛けがある訳で、書く側にとってはなかなか難しいだろうなぁ。
    もう一階層あるんだろうなぁ…ってのも何となく分かっちゃうし。

    作者も自覚してるけど、数学の話題が盛り沢山で、数1で挫折した身には非常に非常に辛かった。
    まぁ理解できなくても、ストーリーは理解できるんだけど、やっぱり数学分かる人は更に面白く読めると思う。機会損失、残念。

    で、トリックは想定内なんだけど、それ以外の部分で驚かされた。
    何といっても善知烏神が出てくるところ!
    全く油断してたので、全然気づかなかった(それにしてもすぐ分かったはずの十和田が無反応だったところにはモヤった)。
    あと、シリーズ化するためか、新たな登場人物、宮司司をめぐる過去について、ほのめかすだけほのめかしておいて、次シリーズに持ち越しなのも、作戦なの?

    なんだかんだと次も読むと思う。

  • うーんなるほど。数学の話はほぼ理解できなかったが面白い。

  • 【あらすじ】
    二重鍵状の館、「Double Torus(ダブル トーラス)」。警察庁キャリア、宮司司(ぐうじつかさ)は放浪の数学者、十和田只人(とわだただひと)に会うため、そこへ向かう。だが彼を待っていたのは二つの密室殺人と容疑者となった十和田の姿だった。建築物の謎、数学者たちの秘された物語。シリーズとして再構築された世界にミステリの面白さが溢れる。「堂」シリーズ第二弾。

    【感想】

  • 堂シリーズハマった。トリックとかよりキャラクターや魅せ方が好きです。好みは別れそう?

  • 位相幾何学の一般解説という部分?は、わかりやすくて面白い。ただ大仕掛けな割にトリックはトリビアル?

  • 堂シリーズ第2弾。
    前作に比べて、かなり読みにくくなったことが気になる。

    その理由の一つ目は、数学の話を大量に入れているから。
    ほとんど理解できないような数学の話に興味をもつ人間は、それほど多くなさそう。また、部屋の記号も判別しにくい。
    理由の二つ目は、これが作者のメフィスト賞受賞作よりも前にかかれた作品であり、手直しが難しかったと作者も認めていること。
    つまりキャラクターの造形や読みやすさなどが洗練されていない。

    ちなみに、トリックは賛否あるだろうが、個人的にはアリ。
    読み進めるのが若干辛かったのがやや残念。

  • う~ん今回も面白かった。  
    私ごときじゃ理解できない数学談義を流し読みして、気になる本編を読み進める。  
    もう少し厚みがあってもと思ったけれど、十二分に面白かった。    
    ダブル・トーラス。それさえ分かれば単純明快。  
    そこに複雑に絡まる人間関係。  
    盲点を突かれるのはほんと面白い。

  • 2017/01/25
    タイトルがネタバレしてると言えなくもない

    イメージしにくい高次元の話

  • この作品世界では、本邦版FBIが存在していて、その組織名称に偶々、「警察庁」という、現実の日本にあるのと同じものが採用されている。警察庁の職員は、個別事件の捜査について自治体警察に対して常に包括的な指揮権を有するので、宮司警視はやりたい放題だ。かなり中央集権的な制度設計なのだろう。ちなみに「警視」という階級も偶々現実の日本にあるものと同じようだが、現実のそれよりも遥かに上の階級のようだ。とか想像力を働かせて読む。
    これらを「ありえない。」といって拒否したり、逆に現実と混同する人はフィクションを読むのに向かないということ。
    SFやファンタジーで現実世界とは違う物理法則や「未知の」物質が存在する前提を受け入れるのと同じである。

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著者プロフィール

某国立大学建築学科卒業。『眼球堂の殺人』で第47回メフィスト賞を受賞しデビュー。本格ミステリの系譜を継ぐ書き手として絶賛を浴びる。他の著書にデビュー作を含む「堂」シリーズ、『猫又お双と消えた令嬢』にはじまる「猫又お双」シリーズ、『災厄』『暴走』『CRISIS 公安機動捜査隊特捜班』『アールダーの方舟』『不死症』『幻屍症』『LOST 失覚探偵』『死者の雨‐モヘンジョダロの墓標‐』『土葬症 ザ・グレイヴ』『小説 Fukushima 50』『あしたの官僚』『ネメシス3』『楽園のアダム』がある。

「2023年 『WALL』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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