倫敦千夜一夜物語 あなたの一冊、お貸しします。 (集英社オレンジ文庫)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 367
感想 : 35
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784086800150

作品紹介・あらすじ

19世紀末・英国。ロンドン郊外の静かな町で貸本屋《千夜一夜》を営むサラとアルフレッド兄妹。とある事情から侯爵家の生まれという身分を隠して暮らしているふたりだったが、店にはとっておきの一冊を求めて今日もたくさんの客がやってくる。そんなある日「探してほしい本がある」という貴族の兄弟が店をおとずれて…。ヴィクトリアン文学ミステリ!!

感想・レビュー・書評

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  • 安楽椅子探偵的なほのぼのした話なのかと思ってたら
    最後割とがっつり重い殺人事件が・・
    兄妹がずっと幸せに本屋さんを続けられるといいな。

  • 両親を叔父に殺された侯爵家の兄妹が身分を隠して下町で貸本屋を経営。
    ヴィクトリア朝時代のイギリスの話なので、その頃の上流階級の生活と本、ミステリーがよく絡んでます。
    兄と妹で、叔父への復讐心や現状への満足が違うみたいですけど、いいコンビですね。
    それにしても、兄もシスコンだけど、妹の兄への依存度が結構すごい。

  • 両親を殺され、犯人と思われる叔父から逃れるため身を隠し貸本屋を営んでいるアルフレッドとサラ兄妹。そこにたまたま訪れたヴィクターはアルフレッドの寄宿学校時代のファグボーイだった。彼が持ち込む謎を解く兄妹。19世紀末の貴族社会に触れることができる。シャーロックホームズや若草物語懐かしい。続編では叔父との対決はあるのかしら。

  • あーなかなか面白かった。

    19世紀末の倫敦を舞台にした書籍に纏わるライトミステリー。
    その頃のイギリスと言えばジュールベルヌやコナンドイルが魅力的な物語を生み出していた頃だけど、まさにその様なお話を題材にしてミステリーが展開する。
    本に関するミステリーと言えば、例えば「ビブリオ古書堂の事件簿」などが浮かぶけど、物語のストーリーが重要なカギを握るという点ではむしろ「文学少女」シリーズと似ているかな。
    配役的にはホームズだけど^^

    とは言え、いつも通り謎解きにはあまり興味がないので(笑)やっぱり物語の部分に関心が向く。
    そう言う意味で寄宿学校だったり、貴族と乳母だったりと、時代の雰囲気が感じられて読んでて心地よかった。

    大きな伏線を残したまま一巻は終わったので続きも読んでみたい。

  • 様々なビブリオミステリが出ていますが、これは19世紀末のロンドン郊外の貸本屋を舞台にしたもの。当時の小説を謎に絡めているのも楽しいです。謎の解明自体はかなり思い切ってますけどね。

  • 舞台は19世紀のイギリスで身分を隠した兄妹が営む貸本屋。日常の謎(殺人もありますが)に関わるミステリです。有名な本に絡めて謎が解決に向かいますが本の中身にかなり深く触れているのでネタバレではないのかとちょっと心配になりながらの読み進めでした。キャラは割としっかりしていますが謎解き部分含めかなり軽くてあっさりさらさら読めてしまいます。現時点では貸本屋じゃなく図書館とかで普通に学園ミステリでもいい感じでした。まだ二人が身分を隠すきっかけになった事件の方がそのままで気になるので続きもでたら読んでみたいです。

  • 『英国マザーグース物語』と同じ時代舞台で同じようなミステリ配分
    ホームズとワトソンが入れ替わっているのは少女小説としてどうかなと思わないでもないが
    あんまり同じ過ぎてもこまるし
    そもそも少女小説ではないものがコバルト文庫でない意義なのかもしれない
    この作品はまったく変わっていないけれども
    敢えて新レーベルで出すならもっと雰囲気変えるべきだったのでは
    『贅沢な身の上』とかを見るとそのままではコバルトでも困るのかもしれないが
    いかんせん引きが良いが少なく登場人物が揃ってこないと訴求が弱いかも

  • ロンドンの郊外の小さな町の貸本屋を営む美しい兄妹。お互いを慈しむ兄妹のところに、かつての知り合いが現れた。貸本屋が舞台の日常の謎+αのミステリ。ちょっと昔の英国の雰囲気がとてもよくて、これはおすすめです。静かに笑っているけれど、内に激しいものを隠していそうな兄妹も魅力的。シリーズ化熱望!

  • 十九世紀末、ロンドン郊外で伯爵家の生まれという身分を隠し貸本屋を営む兄妹と、寄宿舎時代の兄の元ファグな後輩青年と小さな二人の弟達がそわそわする微笑ましさ。三話目では殺人が関わるけれどそれよりもドイル現役中に読むホームズや若草物語、外国的料理やお菓子の然り気無くクラシカルな趣が良くすぐに引き込まれた。

  • ミステリ仕立てで、実在する物語がモチーフとなって出てきます。
    兄さまとサラは本当に兄妹?

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著者プロフィール

東京都出身。東京音楽大学器楽科ピアノ演奏家コース卒業。『始まりの日は空へ落ちる』で集英社ノベル大賞受賞。本書は大英帝国を舞台に若き日の小泉八雲の活躍を描いたホラーミステリー『奇譚蒐集家 小泉八雲 白衣の女』(講談社文庫)の続編にあたる。他の著作に、本シリーズの前日譚「ふりむけばそこにいる」シリーズ(講談社タイガ)、「王女の遺言」「倫敦千夜一夜物語」シリーズ(ともに集英社オレンジ文庫)、「英国マザーグース物語」シリーズ(集英社コバルト文庫)などがある。


「2022年 『奇譚蒐集家 小泉八雲 終わりなき夜に』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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