- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087204865
感想・レビュー・書評
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化粧するという日常的な行為に対して
科学的にアプローチした興味深い本です
化粧がソーシャルパスポート・安全基地になっているという観点が
ものすごく面白く引き込まれてしまいました
日常にあるさまざまな問題を解決するきっかけとなる考え方が
いっぱい詰まっている気がします詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
自己を認知するのは、
言葉があるからと聞きますが、
「人間の知性はコミュニケーション力」とまで言い切る爽快さがある一冊。
なぜ化粧なのにコミュニケーションか?!
人のコミュニケーションの55%は表情(※)といわていて、
化粧がコミュニケーションに深くかかわりがあるというわけです。
そして、
化粧というコミュニケーションが、
自己を認知する脳のメカニズムにいかに影響しているかを教えてくれる。
とにもかくにも、
化粧をする女性の人間性コミュニケーション力が重要だという話が気持ちいい。
身近な化粧を通じて
自己認識を脳科学的に知るには
楽しくわかりやすい一冊。
※心理学者アルバート・メラビアンの実験結果による
いわゆる”メラビアンの法則”から引用
その%の正確性はともかく、
言葉によるコミュニケーションが非常に低い(7%)ことを伝えた実験結果。
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6月29日読了
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脳っておもしろー
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なんとなく「自分の容姿にこだわらない」という茂木さんらしい解釈かなぁ、と感じてしまった。
本当に現代の女性にこういう心理が働いてるのか疑問。
電車の中でのメイクとか、
男性うけのわるい濃いメイクとかネイルアートとか、
最近言われる他者の不在ってものを考えると
納得できないところも多々ありかな。 -
都会化するに連れ化粧は社会の必需品なのらしい。
男性の身からすると化粧に対する思いは薄っぺらであろう。
だが異性の身には社会生活においてなくてなならない自分自身の鏡だと。
考えさせられる。。。 -
・社会的配慮から笑ったように見える要に顔の筋肉を動かしている。
・小津は顔は表情によって個別から普遍への接続することを、深い人間洞察力により知りえていた。
・ミラーニューロン;大脳皮質の前頭葉に発見された。自分の行為と他者の行為を鏡に映したようにコードする。社会的知性を支える機能である。利他性。
・他人のために何かをすること自体が喜びとして脳の報酬系が働く。自分にもいい、そして他人にもいい。ドーパミン。⇒強化学習。
・顔を使ってラベル貼りをしている。パーソナルアイデェンティフィケイション。
・ふりは脳の化粧。「畢竟」:結局
・人間の本質はコミュニケーションをする社会的知性に現れる。
・化粧することは自分の脳に化粧をすることでもある。
・自分自身を認識する能力;メタ認知
・権力を持ったものは美を希求する。美を持って権力の証とした。
・アルファーメイルは社会的地位や権力を背景に美を選ぶ権利を獲得。トロフィー・ワイフ;勝ち組が美しい女性を選ぶ。
・チューリップバブル;1633〜1637年に欠けて、オランダで起きた最古のバブル。
・共感能力;女性のほうが強い。
・シモーヌ・ド・ボーヴォワール;人は女として生まれてくるのではない。女になるのだ。第二の性。
・アスベルガー症候群;軽度の自閉症。
・人格の奥深くまで入り込んでくる能動的な偶有性に戦慄を覚える。
・本質は目に見えない。人の心の中にしか存在しない。
・オバサン化、おじさん化;無意識の垂れ流し。
・言葉を選別して解毒して表出する必要がある。何を外に出し、何を内に秘めておくか。
・化粧された言葉は美しい。
・現代の中で、自己を認識し、体制を整え、激動のパラダイムシフトを乗り切るためのインテリジェンスが不可欠になってくる。インテリジェンスとはすべてを見通すことができる。
・人間の価値はその人がどれだけ自分自身から解放されているかによって決まる。アインシュタイン。時分の姿を再発見する視点。⇒創造性につながる。
・倫理観という確固としたプリンシプルがある。
・自己本位にはそれ自体に固有の脆弱性がある。あくまでも主観であって何が美しいという問題は底が抜けてしまっている。
・批評とは無私を得る道。小林秀雄。
・多くの人が間違えて個性を出そうとする。それを乗り越える精神こそが個性であり、その上で普遍的なものを現すのが芸術である。個性から出発して、普遍へいたろうとする努力。
・ナチュラルメーク
・小林秀雄;表現にまったく無駄が無く、複線がちゃんとつながり、最後まで保たれていく。チーターが獲物を追って失踪するさま。
・ネットワーク社会に瀰漫する匿名性と不特定多数による暴力性に直面すると言葉のノーメーク。
・政治家の言説は酷く寝癖がついたまま。
・誰の心にも深く残る言葉を使用している。磨き上げられた言葉を持っている。;オバマ
・化粧をスキンディープの問題だけでなく、内面のプレゼンテーション。
・日本の文化はローカルミニマムの問題が常に横たわっている。ある局地的な部分だけで整合性が取れている。
・日本はう文化的なメタ認知が著しく乏しい。 -
おもしろかった。女性は毎朝、自らの顔に化粧を施している。このとき、「自分は他者にどう見られたいか」ということを意識しながら化粧をしているので、客観的思考が生まれる。それを毎日することにより、客観的思考能力が向上、強化されることになる。自分を客観的に捕らえるという思考が、個人のアビリティとして求められるこれからの現代社会において、今まで文化的活動と捉えられてきた女性の化粧というのものは、非常に有益な知的活動と捉えることができる。他者の視点に立って物事を考えるという思考が、非常に高次の知的活動であるという点などを鑑みれば、今までの「化粧」というものの考え方を改めざるを得ないだろう。
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なかなか面白い本です。
茂木ちゃんは化粧という観点から人間の深い心理を読み取ろうとしました。
俺はどうしても化粧はただの贅沢品にすぎないと思っていられません。
当然日本のような先進国では化粧品の持つ意味は非常に大きいと思いますが、
開発途上国なんかに行くと、すっぴんで外出する女性の姿がしばしば見られるでしょ。
そういった意味で、自然体でいられること自体はもう一種の幸せだと俺は思います。
さて、なんで女性が化粧したがっているのか知りたければこの本お勧めです^^
男性にもより人間の多重性格を理解するには役立つ情報が手に入るかもしれません。 -
脳科学者の茂木健一郎と株式会社カネボウ化粧品による共同研究をベースに書かれた本です。「化粧」を通した「自己の社会的構築」というテーマに基づき、様々な実験や考察が述べられています。今まで「化粧」というものに対して特別に意識を向けたことが無かったので、この本を読んだことで、様々な視点から「化粧」という行為の意味を考えるようになりました。「化粧=ソーシャル・パスポート」という捉え方の意義や、人類史における「鏡」の重要性を強く感じました。