命もいらず名もいらず 上 幕末篇 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
3.89
  • (38)
  • (50)
  • (41)
  • (3)
  • (2)
本棚登録 : 426
感想 : 39
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (488ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087450651

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 「命もいらず名もいらず」山本兼一
    歴史小説、伝記。青墨色。

    山岡鉄舟の伝記。
    第二十一回さいたま読書会課題図書。
    読了。

  • 山岡徹舟という歴史上の人物を知る上では良い本だと思いました。日本史に疎いので史実に忠実なのかはわからないが、どこかの文献にあったエピソードと思われるものばかりが書かれていたからです。
    だからなのか、正直小説としては少々退屈でした。徹舟が偉人として偶像化されすぎている気がしたし、彼の妻をはじめ他の登場人物たちも人物造形が浅いです。上巻最大の見せ場である西郷隆盛との面会シーンも、緊張感も心の機微が感じられませんでした。

    ただ、下巻はこの”逸話盛りだくさん&徹舟の思想をわかりやすく説明した”という魅力が生かされた内容になっていて楽しめました。

  • 山岡鉄舟という武士が出来上がっていく過程が非常に面白い!

  •  読了。生き様を見せられた。自分の中の侍のイメージにピッタリ。
    ちょっと女遊びが酷いけど・・・
     人生に向かうその姿勢を少しでも真似できればいいな。
     読んだら間違いなく鉄舟が好きになる。剣道、居合やってる人はゼヒ読んで下さい。

  • 読了。己を律して厳しく極端を好む物語も面白いけど、武士としての生き方も勉強になりますな。運命の扉はその人間が求めたとうりに開く。読みすすめながら、いくつも付箋を貼って線引いて、と小説とは思えない読みかたをしてしまった。お勧めの一冊です。

  • 最後のサムライ、山岡鉄舟の生涯を描いた歴史大作。
    勝海舟、高橋泥舟、と並び”幕末の三舟”と呼ばれた山岡鉄舟の人生前半を詳細に描き、幕末のこの国の実情を多方面から俯瞰。

  • すごいの一言につきます。

    斜にかまえて本読んでた自分が恥ずかしい。もう一度本気で読んでレビュー書きます。

  • 西郷隆盛との駿府における江戸総攻撃中止の談判で有名となった山岡鉄舟一代記。

    撃剣と禅と書に生き、多くの人間に慕われた豪傑で、ただひたすらに真っ直ぐで聡明。

    幕末では将軍徳川慶喜に仕え、明治に入っては宮内庁に務め、天皇の指南役・護衛役を務めるのだが、両者に対してもただ真っ直ぐに意見を言う、葉隠の武士道であるがごとく。

    真っ直ぐであるからこそ色事にも真剣に、そして真っ直ぐであるからこそ西郷隆盛に、
    「命もいらず名もいらず、官位も金もいらぬ人は始末に困るもの也。此の始末に困る人ならでは、艱難を共にして国家の大業は成し得られぬ也。」
    と言わしめる。

    死の間際まで道場に立つ鉄舟、最後に「山岡鉄舟の死は、そのまま、日本の侍の死であった。」と締めるのだが、まさにラストサムライだったのだろう。

    なんとも気持ちの良い、清々しい人物伝であり傑作であった。

  • 全2巻。
    明治天皇にアンパンを献上したことでおなじみ
    ラストサムライ・山岡鉄舟の伝記的な小説。

    まず、
    職人や商人などの
    歴史の脇役達にスポットを当ててみたり、
    有名人を描くにしても
    斬新な視点で物語を構築してきたイメージの著者が、
    ここまでど真ん中ストレートな
    なんのけれんみも無い人物小説を発表したことが驚き。

    山岡鉄舟の生涯を、
    さまざまなエピソードを積み上げて描いている、
    とても素直な構成なんだけど、
    こんなに生き生きした鉄舟は初めてかも。

    基本的に幕末の活躍を描かれる鉄舟だけど、
    本著は上巻幕末、下巻明治と、
    維新以降の鉄舟にもかなり比重を置かれて書かれており、
    いろいろと興味深かった。
    明治天皇とのエピソードとか。
    書に対する姿勢とか。

    そもそも、
    維新で活躍といっても
    敵中を突破して西郷さんに会いに行ったってことくらいで、
    なんでこんなに偉人とされてるのか、
    なんで政治家じゃない剣客が急に歴史の表舞台に躍り出たのか、
    経緯は知っていてもいまいち納得できていなかったけど、
    本著を読んで腑に落ちることが多々あった。

    本当、今こそこういう人物が必要だと思うけど、
    こんな人が現実にいたら、
    やっぱり化け物だなあと思う。
    人間でなく。
    実在したってのがもはや信じられない。

  • 「幕末の三舟」として漠然と知ってた(つもりだった)、山岡鉄舟を取り上げた作品。久しぶりに正当派・硬派な時代小説を堪能ーーー!
    同じ作者の「利休にたずねよ」(も、すごく好きな作品でしたが)の妖しく引き込まれる感じとは正反対に、どこまでもまっすぐな生き様を描いてました。
    (それにしてもやっぱり、上下巻まとめて感想書きたいのに、各巻登録しなきゃいけないのはブクログの使いづらいところだなぁ・・・)

全39件中 21 - 30件を表示

著者プロフィール

歴史・時代小説作家。1956年京都生まれ。同志社大学文学部を卒業後、出版社勤務を経てフリーのライターとなる。88年「信長を撃つ」で作家デビュー。99年「弾正の鷹」で小説NON短編時代小説賞、2001年『火天の城』で松本清張賞、09年『利休にたずねよ』で第140回直木賞を受賞。

「2022年 『夫婦商売 時代小説アンソロジー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

山本兼一の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
ピエール ルメー...
冲方 丁
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×