エンジェルフライト 国際霊柩送還士 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
4.07
  • (144)
  • (177)
  • (74)
  • (16)
  • (3)
本棚登録 : 1629
感想 : 173
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087452525

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 『国際霊柩送還士』このような仕事をしている人たちがいる事を初めて知った。海外で亡くなると『貨物』で帰ってくる事は知っていたけど、遺体を家族に送り届ける仕事が存在することなど考えた事も無かった。『死』『弔い』を考える良いキッカケになりました。

  • 亡くなった後も一個人として、一人の人として最後まで思いやりと信念を持ってご遺体に向き合ってくれる人々の話。
    自分あるいは家族が海外で万が一不幸に見舞われた折りには、この会社の方々にお世話になりたいと思えた‼

  • 海外で亡くなったヒトの遺体を受け家族に帰す、また日本でなくなった外国人の遺体を故郷へ送り返す仕事があるという。
    国際霊柩送還士。
    海外から戻ってきた遺体には様々な事情があり、またその日数も長い場合がある。
    そんな時の遺体の損傷はひどくなる。
    そういった時にも、家族や友人たちに良い状態で再会出来るように処置を施すという。
    また昼も夜もない大変な仕事である。
    国内の葬儀社とは違い、広く知られていないが、もっと知られるべき仕事だと思う。

    2018.5.29

  • 『紙つなげ! 彼らが本の紙を造っている』に続き読んだ著者の作品。在外邦人の遺体を日本へ送り返す、在邦外国人の遺体を本国へ送り戻すという、国際化した現代が必要とする職業である国際霊柩送還士を初めて知り、時折涙が溢れそうになりながら読了。24時間体制で到着する遺体を受け入れ、想像を絶するような状態の遺体を処置する彼らには頭の下がる思いだ。自分自身は葬式など不要と考えていたが、死者との離別に区切りをつける意味での葬儀は「泣きぬき、悲しみぬく」ことで再び生きるために必要なのだと思えるようになった。

  • 国境を越えて遺体を運ぶ仕事。ほぼ家族経営。ドキュメンタリーながら、ところどころ露わになる著者自身の感情。ところで運搬料金はどのくらいなのだろう。

  • 欲得ではなく、こういう人々がいて、世の中は成り立っていくのか。確かに、文章はつたない部分があるようにも感じたが、それ以上の作者のねついをかんじる。

  • 2012年第10回開高健ノンフィクション受賞作品、友だちにすすめられて手にしました。

    「エアハース・インターナショナル」、海外で亡くなった日本人の遺体や遺骨を日本に搬送、日本で亡くなった外国人の遺体や遺骨を祖国に送り届けることを専門にしている会社。そこで働くスタッフを丁寧に追いながら、愛する人を亡くした家族のことや「死」について考える素材を読み手に与えてくれる一冊です。

    この本を読むまで、こんな仕事があることは全く知りませんでした。「エンバーミング」という技術にも、大変驚きでした。そして、手を抜かない仕事ぶりと死に向き合い続ける内容は、本当にすごいと思いました。

    積み上げられた経験から発せられる彼らの言葉は、とても重いもの。込み上げてくるものを抑えながら読み通すのは正直しんどかったですが、でも向き合わないといけないとも強く感じました。

    死と生について改めて考えさせられた感じです。
    みなさん、ぜひお読み下さい。

  • できることなら一生お世話になることのないまま終わりたい、そんな場面を職業とする人たちのドキュメント。こういった日常の生活を送る上では見えないことを職業としている人の心強さと力強さを感じられた。
    安易な言葉で感想は述べられない。

  • 著者のデビュー作?らしくちと話が前後したり、主観が前面に出てきたりするところはあって”凄く読みやすい”という訳ではないんですが、やはりこういう仕事をこういう風に行っている人たちがいる、それを知ることによって「生きる/死ぬ」という事にほんの少しでも思いをはせる時間をもつ、というのは貴重な事だと思った。

  • なかなか表には出てこないが、大事な仕事。
    お世話にならないことを祈りたいが、非常に尊い仕事だと思う。

全173件中 71 - 80件を表示

著者プロフィール

ノンフィクション作家。著書に『エンジェルフライト』『紙つなげ!』など。

佐々涼子の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
ピエール ルメー...
三浦 しをん
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×