ジヴェルニーの食卓 (集英社文庫)

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著者 : 原田マハ
  • 集英社 (2015年6月25日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (276ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087453270

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ジヴェルニーの食卓 (集英社文庫)の感想・レビュー・書評

  • アンリ・マティス、ドガ、セザンヌ、モネを描いた短編集。原田マハの愛ある筆致がよく分かって、なんだか優しい気持ちになった。
    あまり長くレビューをすると、反対に良さを失ってしまいそうな怖さがある。

    作品を知っている人ならば尚のこと、ハッとさせられるんだろう。
    きっと、そんな人が思いを込めて感想を置いていってくれると良いな。
    私も、出来ればスマホの画面ではなく、そのものとの対面をしたかった、と思う。

    目には同じ機能を有しているはずなのに、どうして、何が違うんだろうか。

    人が生きて、何かを遺してゆくことに想いを馳せる。

  • マティス、ドガ、セザンヌ、モネ。
    偉大な画家たちを、そのそばにいた人物の視線で描いている作品です。
    フィクションであり、史実にはありませんが、どことなく本当にあったお話のように感じました。

    柔らかく、優しい人物たち。
    原田先生が画家や作品たちを愛しているのが滲み出ているようでした。

  • 当時の画家(しかも有名な巨匠ばかり)の暮らし方をそばで見ているような気持ちになれる一冊。
    中でもエドガー・ドガの話がよかった。
    なぜなら、昨年メアリーカサット展を見たから、少し知ってるところもあり、ここで見事につながりました。
    画家の作品を思い浮かべながら、こんな風に過ごしていたのかなぁ〜、なんて思うのは絵からさらに一歩、画家の作品に近づけた気がします。

  • マティス、ピカソ、ドガ、セザンヌ、モネ…印象派の画家たちを、使用人や友人、知人(ゴッホの絵で知られるタンギー爺さんの娘とか)、家族など近くにいた人たちを通して描く短編集。
    モノローグだったり書簡集だったり普通の小説風だったりと、形式もいろいろで面白く読めました。

    「冬の日だまりと夏の真昼ほどに違うふたりの芸術家」、マティスとピカソ。対照的なふたりの交流の描写がとても味わい深い『うつくしい墓』。
    繊細で美しい絵を描くモネが意外なほど逞しく男性的に描かれていて、時系列をぴょんぴょんと往き来しながら進むストーリーに少しドキドキする表題作『ジヴェルニーの食卓』。
    このふたつが特によかったです。

    それぞれの短編に違った雰囲気があって、読んだ後にしっかり余韻が残る感じがありました。
    これを読む前に『本日はお日柄もよく』を読みましたが、断然こちらが好き。さすがマハさんだなと思いました。

  • マティス、ドガ、ゴッホ、セザンヌ、モネ。印象派の画家達に寄り添った人々が画家達と過ごした、困難を伴いつつも、追憶の中で煌めく日々。絵や画家達を愛おしむ著者自身の気持ちも託された読み心地のよい良書である。豊かで、切なく、しみじみ。また、元キュレーターであった原田マハのこの系列の本が読みたい。

  • まるで小さな宝石が散りばめられたような本に出逢えた。
    「珠玉」とは、こういう作品にこそぴったりな言葉なんじゃないかと。

    近代美術を担った画家たちの短編4作品。
    そこかしこに 色が溢れ返るカラフルな文章。
    しっとりと細やかで、どこまでも美しい。

    個人的にも絵画では近代印象派~シュルレアリスム時代の作品が好きなので、取り上げられる絵画作品を思い浮かべながら読むといっそ味わい深いものに。

    マティス、ピカソ、ドガ、セザンヌ、ゴッホ、とりわけタイトルにもなっているモネのストーリーは彼の生涯の暮らしぶり、代表作「睡蓮」を描くまでの経過、モネの庭への愛がとても人間らしく好きでした。

    各画家本人の視点ではなく、彼らに近しい場所で彼らを見ていた者たちの視点で語られるストーリー。
    だからこそ、画家の人柄が上手く描かれ、暖かでリアリティのある作品になっているのかな、と。

    やはり原田マハ作品は知的でわかりやすく人間味があって良い。

  • 後書きに「芸術家は常人とかけ離れた感性を持ち、異なった生活をしているに違いないと考えがちである」とあった。
    もちろん異なった部分は多数あるとしても、生活の基盤は同じだという事を忘れがち。家庭があり生活をしていく為に作品を売る。その値段が妥当だと思わなくても、生活の為には売らなくてはいけない。
    彼らのそんな当たり前の生活の一部を見た気がする。
    中でもマティスの話が明るく輝いている感じで、一番好き。

    2016.2.17

  • あとがきも合わせて読むと原田マハさんが、なぜ画家の日常に焦点を当てこの作品を書き上げたのかが見えてくる。
    本当に芸術を愛して、画家の生涯を事細かに把握でもしていないと芸術家は遠い存在で、一般人とは物の見方がベクトルからして違う物だという感覚はだれしもが、大なり小なり持っていると思う。
    私は実際持っていた。
    結婚して家庭を持って、子供を育てて。
    画家だって一般人とは何ら違わない。些細なことで喜ぶし、悲しむこともある。それこそ激高することだって。
    とはいえど、モネの作品しか直接見たことないのだが遠目では纏まっているように見える作品でも、近くで見ると「ええ、ここでこの色置くの?!」と驚いたことがある。
    彼らも普通の人でありながら、やっぱり絵画に対するセンスや情熱なんかは一般人には計り知れない物を持っているのは当然なのではなかろうかと思うのです。
    そうでなければ後世まで人々を魅了し、名と作品を残すことなど出来るはずがないのだから。

  • 画家の名前やその作品を知ってはいたものの、この画家は一体どんな人だったのだろうと考えたことは一度もなかった。この本を読んで、それぞれに様々な人生があったことを感じることができた。ゴッホの描いた老人は、タンギーじいさん。全ての画家の親父さん的な存在だったとは。そんなこと思いもしなかった。そして原田さんの綴る風景の様子がそれはそれは美しくて…私の貧困な想像力でもたくさんの景色を見ることができた。ちょっと今回は説明的でいつもよりもストーリーに引き込まれなかったけれど。だけど新しい発見がたくさんあって、やっぱり読んでよかったな。

  • 原田マハの本を初めて読んだのは数年前。山本周五郎賞受賞作の「楽園のカンヴァス」。ニューヨーク近代美術館のキュレーターと日本人研究者がルソーの作品の真贋判定をめぐって競うというお話。芸術作品の真贋判定がサスペンス仕立てになっていて面白かった。ニューヨーク近代美術館に勤務後フリーのキュレーターという著者自身のキャリアもあって、アート好きにとって美術界の雰囲気が感じられるのも嬉しかった。

    そして今回の「シヴェルニーの食卓」。発売当時からチェックしていたがやっと文庫になったので購入(財布と書斎の狭さを考えるとBookOffの1冊105円がイチバン!)。マティス、ドガ、セザンヌ、モネという近代美術の巨匠4人をその周りにいた人々の目から描いた四つの短編集。もちろんフィクションだが、美術の世界にいた著者だけあって美術史を踏まえて描かれており、4人以外にもピカソやゴッホ、有名な画商、コレクターも登場する。アート好きな人間としては彼らが生きた時代状況や家族、画家仲間、画商との人間関係等リアリティがあって楽しめる。この作品はこんな状況こんな想いで制作されたんだ、今何十億する作品が当時はこんな値段だったっだ!など面白い。今後彼らの作品を観るときは、今までと一味違う感覚で観ると思う。

    物語としても4編すべて印象派の絵画のように上質な作品。なかでも面白いのはセザンヌを描いた「タンギー爺さん」とモネを描いた「ジヴェルニーの食卓」。印象派の絵画やアート好きの方にはオススメの一作。

    「楽園のカンヴァス」もそうだったが、文中に出てくる作品をネットで見て確認しながら作品を読むといっそう実感がある。「シヴェルニーの食卓」の電子書籍版には作品がカラーで掲載されているらしいので、そのうちに購入しようと思う。

    原田マハの作品では「カフーをまちわびて」「キネマの神様」も超オススメ。

  • 印象派好きにはたまらない一冊。
    ああ、あの絵にはこんな背景があったんだなあ、とか、美術史だけでは伝わりきらなかった所を補ってもらえました。

  • この作家の絵画に纏わる物語を読む時は近くにPCかスマホが必須。
    絵のことはさっぱり分からないので、語られる絵についてネットで調べて、『なるほどこういう絵かぁ』と確認しながら読み進む。
    中には“著作権上、画像を掲載できません”というサイトもあって、そうなると尚更どういう絵か知りたくなってしまう。
    今日のお話は、マティス、ドガ、セザンヌ、モネという画家と、彼らを取り巻く芸術家、パトロン、画商などなどの人々とのエピソードの数々。
    取り巻く人々にも実在した人物を配し虚実を取り交ぜたお話は、どの話もなかなか良かったけれど、とりわけ薄幸の幼い踊り子を挟んで狂気に近いドガと対峙する女流画家メアリー・カサットの葛藤の物語が良かったな。

  • 14歳の小さな踊り子もタンギー爺さんも、睡蓮も、ぼーっと見ていたような気がする。フィクションとはいえこの本を読んでいたら、印象はだいぶ変わっていただろう。とても、面白いお話でございました。

  • 美しい物語。
    画家の描く世界の美しさを小説にしたような。

  • ・うつくしい墓
    描写がまさに印象派そのものと感じた。今まで印象派の作品を目の前にした時に感じたものを、行間で伝えて伝えてくれるような作品。

    ・ジヴェルニーの食卓
    モネの作品というより、モネの見ていた世界、つまりモネの『アトリエ』に触れられたような気がした。

  • これは原田マハでないと書けない。

  • 短編。文章は美しいが、淡々と物語が進むため、消化するように読んでしまった。。絵をきちんと見たことがないからか?

  • 目次:うつくしい墓、エトワール、タンギー爺さん、ジヴェルニーの食卓、解説 馬渕明子

  • モネやセザンヌ、ドガなどの画家が登場する短編集。
    画家の生きた時代の社会情勢や人柄もわかって、次美術館に行って彼らの絵を見る目が、少し変わりそう。ただ、どこまでが事実でどこからがフィクションなのかが曖昧。
    美術好きな方にもそうでない方にも、おすすめです。

  • 印象派の巨匠たちの生の姿、特に世の中に認められる以前の様子を中心に、すぐ近くにいた女性の目線から描いた短編集。
    あくまでフィクションながら、時代の先を歩んでいた人ならではの煌めきと苦悩にリアリティを感じました。
    ただ、時代感覚とヨーロッパ文化の両方に実感も知識もないので、楽しんで読めたかは微妙なところです。

  • 美術ものの短編。短編ながら引き込まれる。まるで見てきたみたい、というのはオーバーだけれど、こういうようなことあったんだろうとか。ひたひたと物語が進んでいく感じ。(詳しい知識はないが)好きな画家ばかりなので、興味深く読み進められた。まさしく読む美術館?

  • 画家の偉人伝的なものと思って、食わず嫌いだったことを反省。

  • 巨匠と呼ばれる画家達を、身近な人からの目線で語ったお話。

    絵画の素養のないせいで、画家の名前が挙げられてもどんな絵を描く人なのか分からず、絵の名前が出て来てもどんな絵か分からなくてグーグルで検索する始末…
    天才と呼ばれる画家達も、普通の人のように悩み苦しんで、家族と揉めたりしながら制作をしてたってところは良かったのですが、「そうやって描かれた絵があれなのか」などと思い描けない分なんとなく楽しみ切れなかった気がします。

  • おもしろかった。世界的作品にまつわるストーリーが、とてもリアルに感じられて入り込むことができました。ただ、楽園のキャンバスを期待して読んだので、少し入り込みがわるかったかな。
    でも、よかったです。

  • 流し読み。登場人物は外国人ばかりなのに外国人らしさをまるで感じられなかった。キャラの価値観がおしなべて画一的。文体も退屈で好みではなかった。
    ラストページの参考資料欄にあるような引用元の画家の書籍関連を直接読んだ方がおもしろそう。

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ジヴェルニーの食卓 (集英社文庫)の作品紹介

モネ、マティス、ドガ、セザンヌ。19世紀から20世紀にかけて活躍した美の巨匠たちは何と闘い、何を夢見たのか。彼らとともに生きた女性たちの視点から色鮮やかに描き出す短編集。(解説/馬渕明子)

ジヴェルニーの食卓 (集英社文庫)の単行本

ジヴェルニーの食卓 (集英社文庫)のKindle版

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