ミャンマーの柳生一族 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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感想 : 88
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087460230

感想・レビュー・書評

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  • 徳川幕府を使った例えを用いているが、よけい分かりにくい。

  • 2004年にジャーナリストの高野氏と作家の船戸与一がミャンマーに取材に行き、経験したいろいろ。ミャンマーの政治について、わかりやい例えに沿って話が展開されていく。

  • 2006年3月25日、初、並、帯無
    2016年5月3日、伊勢BF

  • まず一言…とても面白かった!!
    初めはこじつけのようにミャンマー政府を江戸幕府に例えていて柳生やら高杉やら著者の想像力に圧倒された。ただ読み進めていくうちに確かにその通りだ…と納得していく自分がいた。
    小ネタや自虐、他虐が色んなところに散りばめられていてクスクス、時には大笑いしながら楽しく読めた。ミャンマーの当時の状況も大まかだが垣間見ることができた。ぜひ著者の他のハチャメチャな旅行記も読んでみたいと思った。

  •  作者の高野秀行が船戸与一のお供でミャンマーを旅したときのエピソードや出来事をおもしろおかしく描いた本である。
     当時のミャンマーの政情を徳川幕府と外様大名に見立てて説明し、この旅についてくる情報機関を柳生一族になぞらえたもので、それが題名になっている。
     周辺国から非合法にミャンマーに入国した経験が豊富な作者が、真正面から入国し旅している。本書は、作者が周囲の人々の動向をおもしろく描くだけではない。ミャンマーは最貧国ながら識字率が高いという実態を貸し本屋や読書する少女を観察することで示すなど、現地の人々を見る視線に確かなものもある。
     故人となった船戸与一の人となりが垣間見れるのも興味深い。高野秀行さが十分楽しめる本である。

  • サラッと軽く読める。これを読んだらミャンマーへ遊びに行きたくなったけど。同僚のミャンマー人は確かに好い人で、おしゃべりしやすい。

  • 面白い。エンタメ系ノンフィクションと作者は言っているが、エンタメの要素がすごく強い。ここの現実を伝えたいってゆう押しつけがましさはなく、起こったこと思ったことを淡々と描いているのに、その起こってることがすごく面白い。わたしの大好きな作家の船戸与一さんと高野さんの旅なのも相まって、ずっと読んでいたいと思えるような旅行記。「使い捨て歯ブラシをホテルで捨てて出かけたらホテルの人が忘れているよと追いかけて持ってきてくれた、ここはすごい国だ」って船戸さんがゆってたってゆう話だけTwitterで聞いたことがあって、それがこの本だった。読めてよかった。

  • 「ミャンマーの柳生一族」っていうタイトルが秀逸ですよね。
    なかなか、興味をそそられる本でしょう?
    でも柳生宗矩や柳生十兵衛が出てくるわけではありません。
    内容は小説でも何でもなくて、筆者(早大探検部出身)が先輩である作家船戸与一氏の小説ネタ探し旅行に同行する紀行文なんです。
    ただ、ご存知のようにミャンマーは軍事独裁政権の国。旅行も勝手にはいけません。軍情報部の旅行社を通じて、彼らのガイド?監視?護衛?とセットの旅なんです。
    で、軍情報部というと、ゴルゴ13みたいなのが出てくるのかと思ったら大間違い。普通の親父や兄ちゃん達なんですね。
    そして、このどこか牧歌的な、ある意味南アジア的な監視役兼ガイドを引き連れて、ミャンマーあちらこちらをめぐるわけなんです。
    そんでもって、ミャンマーは軍事独裁政権の国だから、さぞかしギスギスした国かと思うと、これがまた、社交的で人懐っこい人たちばかりで、ある意味拍子抜け。
    ミャンマーなんて「軍事独裁政権」と「スーチー」と「麻薬」ぐらいしか知らない私には、大変面白い本でした。ページも薄いのですぐ読めるよ!

  • 【本の内容】
    探検部の先輩・船戸与一と取材旅行に出かけたミャンマーは武家社会だった!

    二人の南蛮人に疑いを抱いたミャンマー幕府は監視役にあの柳生一族を送り込んだ。

    しかし意外にも彼らは人懐こくて、へなちょこ。

    作家二人と怪しの一族が繰り広げる過激で牧歌的な戦いはどこへ…。

    手に汗握り、笑い炸裂。

    椎名誠氏が「快怪作」(解説)と唸り仰天した、辺境面白珍道中記。

    [ 目次 ]


    [ POP ]
    ミャンマーと柳生一族が一体何の関係があるのか?

    江戸時代ってどういうことだ?

    疑問噴出、不審続出なタイトルも読めば解決、大爆笑でした。

    探検部の先輩船戸与一とともに出かけたミャンマー旅行は、行く前から高野氏の思い込みと勘違いで笑いを誘い、行けば行ったで、常人にはわかりにくいミャンマーという国内内部を江戸時代にうまくリンクさせ、またまた笑わせる。

    その筆力と強引さに脱帽です。

    笑いすぎて脱腸ですよ。

    しかし、この国の不安定さ、高野氏の冒険的潜入の過去などは本当は笑い事でない。

    綱渡り的、ギリギリ断崖絶壁的な怖さがあるからこそ余計面白いのかもしれません。

    二種類の作家(著者と船戸氏)のせめぎあいというのもいい味をだしていました。

    それよりもなによりも、私はミャンマー人を好きになった!

    彼らの社交性、人の良さには目を見張ります。

    お友達からはじめてくださいと思わずくちばしりそうになります。

    そんな彼らのいる国が平和になればいいんですけれど。

    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 読了0810 作家船戸与一のミャンマー取材旅行に、案内役として同行した時の旅行記。船戸さんの豪快で突拍子もないところが面白い。高野さんの振り回されっぷりとふたりの掛け合いも。/軍政も、スー・チーも、正統性を初代アウン・サンに求めることは変わらず、軍政は国家統一が最優先、スー・チーは何はともあれ民主主義、しかし独立をはかる少数民族に対しては独立を認めない点で一致するのではという見立て。/著者と船戸与一をぴったり監視していた情報機関の人々が、お祈りの場ではポーカーフェースをかなぐりすて素顔をさらしている瞬間に思わずシャッターを切る著者。/「船戸さんは誰にもまったく気をつかっていないが、どんな場でもビールは飲まずにいきなりウィスキーの水割りから入るという独自のスタイルで飲みまくっているため、やっぱり酔いは早い。」クンサーの家に行きたい、加藤元幹事長がきてるなら会いにいこうか、とか無造作に言うけど、ダメだとわかるとわかった次、次みたいなかんじだったり、いきなりスー・チー支持か?と直球で問いかけて本音をひきだしたり、豪放磊落。/ミャンマー人が、アジアのなかでも図抜けた国際性、社交性を持つのはなぜか?という自問に、ミャンマー国内の民族と宗教の多様性が原因ではないかという見立て。/そして、情報機関のドン、キン・ニュン首相が、著者の「アヘン王国潜入記」を参考文献にしていたという証言。/非常に動きにとみ、行き当たりばったりのようで、核心にせまり、ミャンマーにとけこみ、ミャンマーへの理解をふかめていく過程が興味深かった。あわせて、「アヘン王国潜入期」「西南シルクロードに…」も読みたいと思った。

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著者プロフィール

1966年、東京都八王子市生まれ。ノンフィクション作家。早稲田大学探検部在籍時に書いた『幻獣ムベンベを追え』(集英社文庫)をきっかけに文筆活動を開始。「誰も行かないところへ行き、誰もやらないことをやり、それを面白おかしく書く」がモットー。アジア、アフリカなどの辺境地をテーマとしたノンフィクションのほか、東京を舞台にしたエッセイや小説も多数発表している。

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