思い出のとき修理します (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 6008
感想 : 603
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087468892

感想・レビュー・書評

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  • 傷ついた過去を抱えた主人公が寂れた商店街にやってきて、不思議な謎に出会う。現実なのか幻想なのか良くわからない描写が、最後まで読むととても優しい気持ちになれる雰囲気を出している。
    登場人物がみんなとても優しい人たちばかりでほっこりする。物語の最後、一歩を踏み出した主人公がいいなあ。

  • 心の中に引っかかった過去に囚われた登場人物たちの思い出を修理する温かい物語。
    寂れた商店街と優しい人たちのコントラストが心地良く、それを取り巻くちょっと不思議な出来事がファンタジーでない所がむしろドキドキします。
    彼らの日常の続きをまた読みたいです!

  • どの話もふんわり優しい気持ちにさせてくれた。
    出てくる人がみんな優しくて温かくてずっとほっこり出来る本やった。
    続きがあるなら読もうかなぁ。

  • 谷瑞恵さんの小説。
    短編形式ですが、主要人物は引継ぎの、一話完結という形を取っています。

    主人公は昔、自分がひと時を過ごした「ヘアーサロン由井」に戻って(引っ越して)きた明里。今となってはさびれた商店街にあるヘアーサロンの物件を借りて住み始め、時計店の店主、飯田秀司や地元の神社の禰宜の親戚である太一らとともに、日常にあるちょっとしたミステリーを解き明かし、人々の「思い出のとき」を修理する、というお話です。

    あっと驚く仕掛けや、ハラハラドキドキの展開が目白押し……というわけではありませんが、ほっこりする物語がゆっくりと続いていきます。
    特に後半には明里と秀司の恋模様が描かれており、二人の行く末が気になります。

    シリーズは4冊出ているようで、本作はその1冊目にあたります。明里とヘアーサロンの関係、秀司の過去、と主要人物の過去について掘り下げられている1冊目です。

    過去って変えられないのに、じっくりと検証することのできないものでもあります。その時、その場にいた、その人の主観によってしか過去を同定することはできません。
    だからこそ、この物語のようなすれ違いや思い違いって我々の日常に溢れているんだろうなあ、と思いました。

  • 個人的に「虹色の忘れ物」が良かったです。子供の時の記憶や時計屋さんへの思い、おばあさんが「もう、来ちゃだめよ」と言った時の心境…。泣きそうになった。

  • 過去から未来へとすすみ出す感じがいい。過去を受け入れながら前に進む。私は好きでした。

  • タイトルから気障過ぎる。

  • 谷瑞恵さんと言えばコバルトの印象が強くこの作品もそんなイメージで読み始めたのですが、少しファンタジックではあるものの思いがけずしっかりとしたお話でした。「思い出の時修理します」と掲げた時計屋さん自身の過去、そして主人公の過去と現在。正直彼ら二人より太一の方が魅力的だったりしますがそれでも二人が少しずつ寄り添いながら過去を上手く自分のものにして未来へと時をつなげていく様子は良かったです。少しずつ明らかになっていくことに引き込まれていきながらも心穏やかに読み進められ、優しい読書時間を過ごすことができました。

  • こういう系の、ありがちな話かと思っていたけど、そうでもなかった(いい意味で)。
    静かで、のんびりしていていいな。
    小さいころのことを、読んでいる間にたくさん思い出したけど、この本で書かれていたみたいに、記憶が間違っていたり、忘れていたりすることもあるのかな。
    続編も読んでみたいと思います。

  • 仕事にも恋にも、疲れ果てた明里は、子供の頃、
    少しだけ過ごした商店街に戻るのだが
    そこで奇妙なプレートが目に入る。
    【おもいでの時 修理します】
    過去に傷を負った人たちの思いが
    時計屋さんによって【修理】されていく。
    良く言えば、ファンタジック。悪く言えば都合良過ぎ。
    でもいいんです。
    不思議な出来事と、明里と秀司の進展具合も楽しみな
    優しい連作短編集。

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著者プロフィール

三重県出身。『パラダイスルネッサンス楽園再生』で一九九七年度ロマン大賞佳作に入選しデビュー。「伯爵と妖精」シリーズ、ベストセラーとなった「思い出のとき修理します」シリーズ、「異人館画廊」シリーズ、『がらくた屋と月の夜話』『まよなかの青空』『あかずの扉の鍵貸します』『ふれあいサンドイッチ』など著書多数。

「2023年 『神さまのいうとおり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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