鳩の栖 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087471243

感想・レビュー・書評

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  • 中学生を主人公にした5つの短編集。
    表題作『鳩の栖』―内向的で孤独だった主人公操は、快活で人望も厚いクラスメイト至剛との出会いにより初めて心を開くようになるが、至剛には早すぎる死が迫っていた。
    哀しい話ではあるのに、不思議と艶っぽいしっとりとした雰囲気。描写表現がすごく綺麗。

  • 少年たちが主人公の短編集。
    友人や家族の死が関わる物語でどの話も明るいとは言えませんが『じゃ』を『ぢゃ』と書く個性的な会話の表現とその淡々とした様が独特の雰囲気を出していました。

  • 中学生の男の子が主人公。
    彼らの身近に”死”を配することで、ひたむきに生きる価値を浮き立たせる短篇集。
    物語にいかにシンクロできるかが満足度を左右しそう。


    『鳩の栖』
    内気で愚鈍な主人公が、転校を繰り返す中で初めて経験する楽しい学校生活。
    それをもたらしてくれた利発で優しい同級生が不治の病に冒されていることを知る。

    『夏緑蔭』
    自分の出生の秘密を知らされた主人公が、古い記憶を思い出しながら事実を受け止めていく。

    『栗樹』
    血縁上は兄だが子供のいない伯父の養子となった従兄と主人公の交流。物語の中身がないなと思いつつ読んでいたらラストが急転直下。

    『紺碧』
    両親が亡く、同居していた姉が死に義兄とふたりきりになった主人公。彼には養子の引き合いが来て、義兄には再婚の世話がはじまる。
    ずっと主人公がもじもじしている。

    『紺一点』
    紺碧の続編。
    遠くの町へ引っ越し、義兄とふたり暮らしを続けている主人公は高校生になる。
    義兄の再婚騒動やら高校生活やら。
    主人公の親友が本当にいい男なのだが、当て馬にしかならない役回りだとひしひし感じて切ない。

  • 日本語と日本の景色の美しさをしみじみと感じる事が出来る一冊。

    過ぎ去って行った時間が惜しくなりました。

  • 2013/9/12やっと読み始める。が、文章が、ほの暗くて、ちょっと、憂鬱な気持ちになり、二つ目の短編を読み終わったところで、また積読に…orz
    すごく独特な間合いです

  • 「硝子の十代」とはよく言ったもので、その儚さ・美しさ・透明感を味わうには持って来いの珠玉の一冊。登場する少年達の行儀の良い佇まいと古風な言葉遣いが、現代の物語であるようなのに、どこか明治大正のノスタルジーも感じさせ風雅。流石の長野ワールド。素敵でした。

  • すごくきれいな日本語を使う作家ですね。
    快活、ではない翳のある中学生モノ短編小説集。

  • 少年たちの静かで淡い憧憬
    自分の無力さを思い知りながらも、手を放さないようもがいているような。胸に染み入る短編五編

    収録作品:『鳩の栖』『夏緑蔭』『栗樹―カスタネア』『紺碧』『紺一点』

  • 高校の頃一度読んで意味がわからないと思ったけど、今なら客観視しながらちゃんと読めた。

    季節や言葉に関しては、本当に美しいものばかりだし、四季をはっきりと感じることができる描写。

    夏の夜に読みたくなる。

  • 短編集。
    少年たちのおはなし。
    この人の作品は読めないのと読めるのがあるんだけど、これはすんなり読めた。あっさりしてるからかな。

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著者プロフィール

長野まゆみ(ながの・まゆみ)東京都生まれ。一九八八年「少年アリス」で第25回文藝賞を受賞しデビュー。二〇一五年『冥途あり』で第四三回泉鏡花文学賞、第六八回野間文芸賞を受賞。『野ばら』『天体議会』『新世界』『テレヴィジョン・シティ』『超少年』『野川』『デカルコマニア』『チマチマ記』『45°ここだけの話』『兄と弟、あるいは書物と燃える石』『フランダースの帽子』『銀河の通信所』『カムパネルラ版 銀河鉄道の夜』「左近の桜」シリーズなど著書多数。


「2022年 『ゴッホの犬と耳とひまわり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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