- Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087471243
感想・レビュー・書評
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先生の癖のある文字の綴り方が風ぜいがって、心に沁みる。
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こんなに瑞々しい文章を書ける人がいたのか、と驚いた。もっと早くに出逢いたかった。
少年たちの危うさとか繊細さを上手く描いていて、読んでいて心がぎゅうっとなった。学生時代独特な空気感をこんなに鮮明に描けるなんて、本当に素晴らしい!
ただ、感動すると共にそんな少年が実際に居るのかと考えるとちょっと現実離れしている気もする。読んでいて登場人物が少年同士であることを忘れてしまうくらい、文章が女性的だった。
他の作品も読んでみたいと思った。 -
高校生の時図書館で借りて読んで、いつか手元に置いておきたいと思っていた短編集。
「鳩の栖」がとても好きで、美しい水琴窟の描写や、少年の瑞々しい命の儚さとか、そういうのがずっと心に残ってた。
男の子が「少年」でいる短い時間の儚くも爽やかな美しさを書かせたら、長野まゆみの右に出る者はそうそういないんじゃないかと。
ふつくしい世界に浸りました。満足。 -
思春期の少年が主人公ばかりの短編集。
この年頃の少年特有の儚さや切なさ、心の葛藤が長野先生らしく描かれてる。
この作者の描く少年像は皆、線が細く中性的なイメージ。
あまり知識が豊富ではないのもあるが、この作者の本で知る物は多い。今回は水琴窟というのを知った。
水琴窟、庭に作りたい。
個人的に『夏緑蔭』が一番好き。 -
カフェで読みながら途中ため息をついてしまう それくらい静謐で繊細で、たいせつに読みたい作品集だった 中学生の男の子っていいなあ・・ 「栗樹-カスタネア」が特によかった 筆者自筆の挿絵もすてき
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毎回言葉の選び方が秀逸で普通に並べたらえっというようなところもふんわりした表現で綴られています。焦らずゆっくり雰囲気とかかみしめながら読みたくなります。
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なんだろうか、この静謐な感じ。作品全体に通じる雨上がりのようなひやりとした感じがすごく好きだ。全体的に哀しさが漂う。「悲しい」ではなく「哀しい」の方。