鳩の栖 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 2229
感想 : 190
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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087471243

感想・レビュー・書評

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  • 先生の癖のある文字の綴り方が風ぜいがって、心に沁みる。

  • 全部で五篇併録されている。四章と五章に関しては、全編・後編という形になっており、主人公は全員、中学生である。舞台は昭和中期あたりで、独特の泥臭さを出しているが、文体が旧文字を中途半端に使い、科白の結尾に句読点を利用し、疑問文なのか分かりかねる文章が多々登場し、非常に読みづらい内容であった。私は浅学なため、こういった文体に初めて触れたのだが、好めなかった。作品の構成としては、面白い内容ではある章もある。

  • こんなに瑞々しい文章を書ける人がいたのか、と驚いた。もっと早くに出逢いたかった。
    少年たちの危うさとか繊細さを上手く描いていて、読んでいて心がぎゅうっとなった。学生時代独特な空気感をこんなに鮮明に描けるなんて、本当に素晴らしい!
    ただ、感動すると共にそんな少年が実際に居るのかと考えるとちょっと現実離れしている気もする。読んでいて登場人物が少年同士であることを忘れてしまうくらい、文章が女性的だった。
    他の作品も読んでみたいと思った。

  • 高校生の時図書館で借りて読んで、いつか手元に置いておきたいと思っていた短編集。
    「鳩の栖」がとても好きで、美しい水琴窟の描写や、少年の瑞々しい命の儚さとか、そういうのがずっと心に残ってた。
    男の子が「少年」でいる短い時間の儚くも爽やかな美しさを書かせたら、長野まゆみの右に出る者はそうそういないんじゃないかと。

    ふつくしい世界に浸りました。満足。

  • 思春期の少年が主人公ばかりの短編集。
    この年頃の少年特有の儚さや切なさ、心の葛藤が長野先生らしく描かれてる。
    この作者の描く少年像は皆、線が細く中性的なイメージ。

    あまり知識が豊富ではないのもあるが、この作者の本で知る物は多い。今回は水琴窟というのを知った。
    水琴窟、庭に作りたい。

    個人的に『夏緑蔭』が一番好き。

  • カフェで読みながら途中ため息をついてしまう それくらい静謐で繊細で、たいせつに読みたい作品集だった 中学生の男の子っていいなあ・・ 「栗樹-カスタネア」が特によかった 筆者自筆の挿絵もすてき

  • 図書館で借りた。ライトなBL短編集。はっきりしたBL的な設定はなく、雰囲気のみ。このくらいなら許容範囲。全体的に印象薄めだが、最後の連続2編はわりとポジティブというか、自分の力で未来を作っていけるという自負が心地よかった。「東京、行くよな」みたいなの。

  • 短編集。少年愛的な要素はうっすらと。
    思春期の少年の自立したい気持ち、同窓生に対する淡い想い、複雑な葛藤。
    長野まゆみさんの本ははっきりと情景が思い浮かぶところが好きなんですが、今回も綺麗な町並みや美しい空と海や、夏の陽炎、現実的なのに幻想的な背景が思い浮かびました。

  • 毎回言葉の選び方が秀逸で普通に並べたらえっというようなところもふんわりした表現で綴られています。焦らずゆっくり雰囲気とかかみしめながら読みたくなります。

  • なんだろうか、この静謐な感じ。作品全体に通じる雨上がりのようなひやりとした感じがすごく好きだ。全体的に哀しさが漂う。「悲しい」ではなく「哀しい」の方。

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著者プロフィール

長野まゆみ(ながの・まゆみ)東京都生まれ。一九八八年「少年アリス」で第25回文藝賞を受賞しデビュー。二〇一五年『冥途あり』で第四三回泉鏡花文学賞、第六八回野間文芸賞を受賞。『野ばら』『天体議会』『新世界』『テレヴィジョン・シティ』『超少年』『野川』『デカルコマニア』『チマチマ記』『45°ここだけの話』『兄と弟、あるいは書物と燃える石』『フランダースの帽子』『銀河の通信所』『カムパネルラ版 銀河鉄道の夜』「左近の桜」シリーズなど著書多数。


「2022年 『ゴッホの犬と耳とひまわり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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