猫背の王子 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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感想 : 90
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087472684

感想・レビュー・書評

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  • 気になっていたけど機会が無かった、やっと読んだ。中山可穂の小説っていつも集中して読み続けてしまい気づいたら読み終わっている、そして作品中のフレーズや出てきた音楽が頭の中に残るような吸引力がある。これもそういう感じ。
     ミチルは実際にいたら勘弁だけど、演劇への直向きさがとても好きだ。「客電が消える」「わずか二、三秒のあいだの完全な闇と無音の世界が、永遠に続くかと思われてくる。」「何もいらない。芝居だけでいい。」
    この集中と、由紀さんを母のように求めつつ神聖視しているミチルの姿。この二つで、多少無理な展開や性格付けもチャラになるというか。
     私はミチルのように生きられないし生きたくないけれど、ミチルの芝居への熱情、ただ一瞬のためにすべてを積み重ねていく部分には共感した。

    読み返すとまた感想が変わりそうな作品。他人の感想を読まず自分の思いを大事にしたい作品だった。(ただ一つ。解説で山本文緒が「ストーリーを進めるためだけの適当な役は彼女の物語には出てこない。そして、感情的な人間とその物語を綴るには、著者本人の目と筆がクールでないとただのヒステリックな物語になってしまう。中山可穂は恐いくらいに冷静だ。」と言っていて納得した。)

  • 表紙が好きすぎて、この写真家の出身であるチェコに行ったレベルに好き。

  • 頽廃的カタルシス満点です。劇中劇観たい!

  • 意外とサクサク読める。続編もあるようなので気になる。筆者のあとがきの言葉が全てだと思った。「ゲイはファッションではありません」

  • とても痛々しいけれど、つい読んでしまう。
    この著者の本を初めて読んだけれど、強烈な印象が残った。

  • 魂持ってかれた。

  • 「理想の少年」

  • 破滅的な自己愛の話でした

  • 読んでる途中に変な気持ちになった。
    同性とか異性とか、どうでもいいのに。
    なんで、こんなになるの

  • 圧倒的な存在感で、劇団カイロプラクティック〈脊椎矯正〉の座長として君臨する王寺ミチル。ある日、忠実な臣下さながら彼女を補佐してきた姫野トオルの裏切りを人づてに知り、ミチルは劇団存続の危機を感じ始める。
    ミチルのワンマンショー的性格の濃い小説だ。結局はトオルの裏切りの真相も追究されていない。そして一番気になるのが、ミチルがここまで芝居に執着する、そのルーツが見えてこないことだ。すべてが少しずつ浅い、そんな気がする。

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著者プロフィール

1960年生まれ。早稲田大学卒。93年『猫背の王子』でデビュー。95年『天使の骨』で朝日新人文学賞、2001年『白い薔薇の淵まで』で山本周五郎賞を受賞。著書多数。

「2022年 『感情教育』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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