迷宮 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
2.63
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本棚登録 : 1013
感想 : 180
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087474466

感想・レビュー・書評

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  • 2012.1読了。
    帯に騙された。「すごいすごいすごい!こんなとてつもない一冊が埋もれていた!!」
    大げさじゃないか?集英社・・・
    グロな描写はともかく、ラストの一行前まではおもしろかった。一つの事件をいろんな人物の視点から見ていく形になってるから、飽きることなく読めたが、結末が読者に丸投げという嫌いなオチだった。

  • 解説でチャッキーなる人が「叙述ミステリーの傑作!」などと書いているけど、それで釣られた人はガッカリするんじゃないかな?......

  • 24歳OL猟奇的殺人事件。
    犯罪記録、週刊誌報道、手記、供述調書、さまざま文章を読まされていく記憶喪失の男。この男は何者か。

  • 文章力はすごい。読みやすく、変に引っ掛かるところがない。
    ただ、中身の猟奇殺人は気持悪いし、ラストも落ち着かず。結局、人の心を自分の物差しで判断しようとすること自体が無理だということに、最後まで気づかないことへの嘲笑だったのか?

  • 「人間のすることに理由などない。」という井口の思考に凄く共感した。直後で「理由がないというのはこの上なく甘い逃げだ」という中澤の反論にも深く考えさせられた。
    しかし井口と中澤は、其々に一つの事件を「自分の都合の良い形」に捻じ曲げて事実化しようとする、またその周りでも各々の視点による解釈が繰り広げられ、事件の真相が迷宮入りしてしまうという物語。

  • 2011/12/29

  • ある猟奇殺人事件のあらましを、
    (犯罪記録)(週刊誌報道)(手記)(取材記録)(手紙)(供述調書)
    といったさまざまな表現で読者に「読ませる」。
    というのも前提が、あるひとりの記憶喪失の男が治療として「読まされる」からである。
    文体を駆使しているのはわかるのだけれど、
    どうしても章ごとに同じ意味合いのことが続くのはとても疲れる。
    その割の落としどころというか、結局は最後まで「迷宮」でした、みたいなのは、
    個人的には合わないか。
    『微笑む人(実業之日本社)/貫井徳郎』と読後感が似ている。

    ミステリ  :☆☆
    ストーリー :☆☆☆
    人物    :☆☆☆☆
    文章    :☆☆☆☆

  • 記憶喪失の「私」に、「治療師」なる人物が、ある犯罪の記録文書を次々と読ませていく。異なる文体が入れ替わり出てくる割には読みやすいのは作者の力量ですね。私と治療師の関係がじわじわと逆転していくところが淡々としていて、不気味。インパクトには欠けますが、抗えない魅力があります。自分も迷宮に入り込んでしまったようです。

  • 最初から謎に満ちていて、何一つ分からないのですが、唯一、ある事件のことだけは分かっている。その事件について明かされていくうちに、最初からあった謎も明らかになる、という構造です。
    客観的事実と真実は違うこと、人は事実を前にして、自分なりの説明を真実として構築するのだということがよく分かりました。

  • 犯罪の受け入れがたい猟奇性や、ミステリーとしての下げの物足りなさなどもあるが、記録、報 道、手記、調書それぞれの叙述文体の見事さといったらない。展開を闇雲には広げないで、限定し た時空間をきっちりと仕上げていく。

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著者プロフィール

1947年愛知県生まれ。愛知教育大学教育学部国語学科卒業。1981年『昭和御前試合』でデビュー。1986年『蕎麦ときしめん』が話題となり、独自のパスティーシュ文学を確立する。1988年『国語入試問題必勝法』で第9回吉川英治文学新人賞を受賞。2009年、名古屋文化の神髄紹介とユーモアあふれる作風により第62回中日文化賞受賞。『永遠のジャック&ベティ』『金鯱の夢』『虚構市立不条理中学校』『朦朧戦記』等著書多数。また西原理恵子との共著として『おもしろくても理科』『どうころんでも社会科』『いやでも楽しめる算数』『はじめてわかる国語』などがある。

「2021年 『MONEY 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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