王妃の館 下 (集英社文庫)

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感想 : 200
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  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087477085

感想・レビュー・書評

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  • パリのツアー旅行が、面白く描かれていて楽しく読みました。

  • ルイ十四世の時代の十七世紀の話と現代のホテルの話が融合し、ダブルブッキングの問題もそれぞれのツアー客が打ち解けたことで丸く収まり、ハッピーエンド。まさに娯楽小説。

  • おもしろかった!
    バタバタ喜劇で最後ははちゃめちゃに大団円。
    ツアー客、添乗員たちのストーリー、
    ルイ14世、ムノン、マイエのストーリー、
    それらを絡めながら、右京の小説やカラスをテラーとして語らせて、ほんと上手いと思う。
    エンターテイメント小説。

  •  

  • 下巻はツアー客の話とルイ14世とプティ・ルイの話を交互で楽しめました。ツアーの方は「光」ツアーと「影」ツアーのメンバーが思わぬ所で巡り合いその回収も見事でした。楽しめました。ルイ14世とプティ・ルイの話は結末が気になって仕方なかったです。プティ・ルイが健気で愛おしくて読んでいて癒されました。浅田次郎さんの作品を読んだのは久しぶりですが、やっぱり面白い!!!と改めて思いました。

  • ひと癖もふた癖もある「光」と「影」のツアーメンバーたちは、ドタバタ騒ぎとニアミスをくりかえしながらも、それぞれのパリの旅を楽しんでいたーかに思えたが、ついにツアーの二重売りがバレそうになって、さあ大変。さらに「王妃の館」に秘められた太陽王・ルイ十四世の愛の行方をからめて、物語は十七世紀と現代とを縦横無尽に駆けめぐる。

  • 浅田次郎の人間ドラマが読みたいと思って買ったけど、現代パートのコメディ要素が強すぎて読むのが辛かった。結局読み終わるまで3ヶ月くらいかかった。ストーリー自体は、こらぞ浅田次郎という温かいヒューマンドラマ。現代パートのしょうもないやりとりさえなければ、、、という感じ。

  • 光と影、太陽と月が陽と陰をなし、お話は自分の幸せは自分が決めるって感じでハッピーエンドなんだけれども…。

    後半はルイ14世とその認知されなかった息子さんの創話がメインになっちゃって、ツアーに参加した人生いろいろの陰と陽の方々の交流が「みんなでラスベガスにリゾートを作るぞ!」で簡単に終わっちゃったのが残念。

    浅田さんだったら、もっと彼らの心の交流を機微に至るまで描けただろうに…。

    ルイ14世時代の話はアレクランドル・デュマさんに任せて、そっちをメインに描いて欲しかったな~。
    らじのなかでは、幼いルイ14世をフロンドの乱の夜に抱いて守ったのは料理長さんじゃなくて、ダルタニャンだからさ…。

    ちょっと尻すぼみなお話でした。

  • ヴェルサイユ宮殿に行く予習として、この下巻は良いと思った。飛行機の中で上下巻読み切れるくらいの本ですし。
     下巻になって良い話になってきた。人生に対して明るい気持ちになれる。ルイ14世の考察が深まる。正統派喜劇だった。


     17世紀のルイ14世の物語がちょくちょく間に挟まるなって思ったら、北白川先生の作品という、そういうメタ構造の小説良いなって思った。

     ルイ14世がどうしてこれほど豪奢な建築物を作ったのか。ヴェルサイユ宮殿はルイ14世の心の陰に対をなす、太陽だったのである。

     フロンドの乱でトラウマを覚えたルイ14世の心の闇を追いやるための、光り輝く「鏡の間」なんて、よくあるんだろうけれど、良い考察だよね。

     シャトー・ドウ・ラ・レーヌに実際にパリで行ってみようとは思わなかったが、次回、二度三度目のパリ旅行で、ディープな旅をするって時に行ってみたいね。


    p317 軍司令官コルティッツ
     ヒトラーはパリ撤退に際して、街の破壊を命じた。しかし、ナチスのコルティッツはそれに反抗してパリの街を守った。そのために、パリ防衛のために残されたドイツ軍は戦わずに降伏した。それほどの伝統の力が、パリにはあった。
     こういうの、かっこいいよね。


    p322 古きものの良し
     「美しいものをこしらえるのは為政者の実力ですが、それを守り続けるのは市民の実力です。悲しいかな我が国には、どちらの力もないと思った。そればかりか、力ある祖先が築き上げた美しいものを、自然にしろ、造形物にしろ、たかだか利益と便益のために惜しげもなく壊してしまう。」
     こういうのはヨーロッパに旅行に行くと実感できるよね。
     フランスはヒトラーにパリの街を壊されるくらいなら、降伏を選ぶという、プライドを見せた。これスゴイいい話だった。
     

     あとがきの渡辺えり子の文章を好きといってる人がいるけれど、僕は気持ち悪かったです。

     いやぁ、面白かった。

  • 読みごたえあった!

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著者プロフィール

1951年東京生まれ。1995年『地下鉄に乗って』で「吉川英治文学新人賞」、97年『鉄道員』で「直木賞」を受賞。2000年『壬生義士伝』で「柴田錬三郎賞」、06年『お腹召しませ』で「中央公論文芸賞」「司馬遼太郎賞」、08年『中原の虹』で「吉川英治文学賞」、10年『終わらざる夏』で「毎日出版文化賞」を受賞する。16年『帰郷』で「大佛次郎賞」、19年「菊池寛賞」を受賞。15年「紫綬褒章」を受章する。その他、「蒼穹の昴」シリーズと人気作を発表する。

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