ホテルカクタス (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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感想 : 356
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087477092

感想・レビュー・書評

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  • 江國香織の最高傑作はこれなんじゃないかと思う。

  • 高校生の時にふと、手にとってみたもの。
    とても優しい語り口調にほっこりしながらも、どこか切なさのあるお話。
    個性的な3人に愛おしささえ感じてしまう。
    典型的な日本人に思えて仕方ない数字の2と、マッチョでビーチが似合いそうなキュウリと、古いものと自分の世界に生きる帽子。
    たまに言う哲学的なセリフに、いろいろと考えさせられたり。
    時間をゆっくり過ごしたい時に読む本。

    もっかい読んでくる。

  • 130330*読了
    同じアパートに住む、帽子と数字の2ときゅうり。それぞれがものらしくありつつも、こんな人いそう!と思える人らしさを持ち合わせている。
    おかしくて滑稽で、それでいて人間っていいな(彼らはものだけれど)と思わせてくれる、日々のちょっとした出来事たち。

  • 本筋とは関係ないのかもしれないが、ホテルカクタスと名付けられたアパート自体、古いが味のある魅力的な建物なのだろうなーと想像した。挿絵が綺麗だった。

  • 内容も好きだし、何より挿絵が気に入った。

  • 童話のようなお話。

    ホテル カクタスという名のアパートに住む三人の日々を綴るお話。

    不思議な登場人?物。
    ・きゅうり (身も心も真っ直ぐでパキッとしている。おおらかで素直。)
    ・数字の2 (思慮深く、割り切れないことが苦手。)
    ・帽子 (読書家で流離のハードボイルド(自称)。)


    読み始めた瞬間、「人じゃないの!?」というワクワクする驚き。

    メルヘンチックな外見?に驚きつつも、それぞれを表す性格がきちんと当てはままっていてどんどん物語に引き込まれていきました。

    個性が絡み合って、すれ違ったり、ぶつかったりしながら友情を深めていく、生活していく、優しいお話です。
    ただ、油断していると不意に切なさもやってきます。

    お互いが知らぬ間に心が繋がっていくこと。
    その素敵さを改めて感じました。

    黒猫も幸せでありますように。

  • 気持ちの良い友情の物語。それぞれが全く似ていなくても心が通じることもあるしだからといってその関係がずっと続くとは限らない。

  • 街の一角に佇むアパート「ホテル カクタス」の住民、「きゅうり」「帽子」「2」の物語。最初は比喩なのかと思った。「2」という名前はただのあだなで人間が繰り広げる物語なのだと。でも本当にきゅうりは「太陽を浴び続けて深緑」になるし、2は偶数だから争うことが苦手。でもやっぱり彼らは人間の要素も持っていて、じゃあ人間とそれらの違いってなに?っていうラビリンスに迷い込む。「不変なるものはない」から、やっぱり彼らの生活は不変なるものではない。なんでだろう、「別の物語」が始まると知っていても、なぜか涙が出た。

  • 帽子ときゅうりと数字の2。三人?の個性的な住人のゆるりとした時間の流れを体感できます。休日にカフェでゆったり、疲れて眠りにつく前に読みたいような作品。ほっこり癒される。けどたまにハッとさせられる。脳内絵本なかんじです。

  • 久しぶりに江國さんの小説読みました。
    とは言っても挿絵ありのファンタジーのようなお話なので、小説と言うのは少々大げさかもしれませんが。

    ファンタジーはファンタジーでも、人ではないものが人のように生活している、という設定にうわあと思ったものの、ホテルカクタスという名前に惹かれ読みました。
    読み始めると、それぞれのキャラクターが本当に人間のように描かれていたので、実はニックネームなのでは?と思いかけました。
    3人(?)の中ではまともそうな(笑)2がいちばん好きできゅうりが苦手です。
    帽子はカメをたくさん飼っているところがかわいいなと思いました。

    目次はないものの、いくつかの短編で成り立っていますが、その中でも「ある日曜日の発見」というお話がとても気に入りました。
    私は割と人からどう見られているんだろう、と気にしてしまう性格なので、こんな風に考えることもできるのか、と逆転の発想だなあと思いました。
    自分が大切に思う、自分のことを知っていてほしいと思う人にだけ自分を知ってもらっていれば、他人からどう見られているかを悩む必要なんてない。

    手元に置いて、ふとした時に読み返したいなと思いました。

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著者プロフィール

1964年、東京都生まれ。1987年「草之丞の話」で毎日新聞主催「小さな童話」大賞を受賞。2002年『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』で山本周五郎賞、2004年『号泣する準備はできていた』で直木賞、2010年「真昼なのに昏い部屋」で中央公論文芸賞、2012年「犬とハモニカ」で川端康成文学賞、2015年に「ヤモリ、カエル、シジミチョウ」で谷崎潤一郎賞を受賞。

「2023年 『去年の雪』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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