- Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087478600
感想・レビュー・書評
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白蓮の生き方はステキ。かっこいい女性。
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不遇の結婚生活を送っていた柳原白蓮が年下の大学生と駆け落ちしてしまう白蓮事件を題材にした話。たしかに思い描いていた生活ができなかったことには同情するけど、自分の気持ちを和歌にこめて歌集を出したり豪華な暮らしをしたり、別にそこまで不幸じゃないんじゃないかなあと思ったり。今よりぜんぜん不倫とかに対して厳しい時代に愛を貫いたことには素直にすごいと思ったけど、もっとうまくいかないことがあってもよかったんじゃないかと感じてしまった。なによりも対照的にラストでは、初枝の悲惨な末路が描かれていてかわいそうになった。白蓮は「私は決して諦めなかった」と言っていたけれどあんまり共感できなかったなあ。まあ事実ならしょうがないかもしれないけど。
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白蓮が福岡の炭鉱主と結婚して、活動家の宮崎龍介とかけおちするまでを描いた小説
普通に恋もできない女の大変さ、女の嫉妬や心の機微を描かせたら林真理子は抜群
龍介と逃げたあとの白蓮の物語も読んでみたい。
平和運動したり、おもしろそう
これは林真理子じゃない人の方が良さそう -
白蓮こと柳原燁子が伊藤伝右衛門のもとに嫁いだところから駆け落ちするまでの話。
いろいろ戦って、最後は年下の宮崎龍介とともに生きることにしたのは本当に好きな人が出てきて、最後までたとえ彼が今すごい病気を抱えても。
最後の白蓮の死のあと宮崎が「うちに来てからは幸せな人生でした」という言葉に全てが詰まっているなと思う。 -
朝ドラ「花子とアン」で白蓮のことを知り、興味を持って読んでみた。ドラマでは描かれていなかった白蓮の背景の詳細もわかって興味深かったです。この時代の女の人は大変だ。女性の価値って?女の幸せって?と考えさせられます。
白蓮の心の動き、本音っぽいところ、面白かった。林真理子が書いたから読みやすい感じ。林真理子は現代小説だと軽くて軽薄な感じすらして鼻につくけど、ちょっととっつきにくい時代物を楽しく読ませてくれるのはさすが。 -
朝ドラ”花子とアン”をきっかけに読み始めました。
読んでいる間中、充分同情に値するもどうしてもお姫様燁子の鼻持ちならない雰囲気や周りに迷惑をかけまくる身勝手さ、したたかさに少々辟易していましたが、ストーリーがラストに向かうに連れ次第に一人の女性の壮絶な人生に引き込まれ、心動かされました。
そして何よりも初枝さんがとても気の毒に思いました。
これだけしっかりした読み応えのある一冊を書き上げ、読む者を惹き付ける林真理子さんの筆力にはただただ圧倒されました。
瀬戸内寂聴さんのあとがきもよかった。
村岡花子の名前は遠い他人事のように一度出てきただけでした。 -
朝ドラ「花子とアン」で白蓮を知りました。放送もちゃんと見ていたわけではなかったので、実際の白蓮の人生を読んで、とても辛い思いをされたと知りました。事件も知りませんでした。ドラマでもこの人なんなんだ?と思っていたくらいでしたが、本を読んで、仲間由紀恵の配役もいいし、あの存在感は仲間由紀恵のオーラではなくて白蓮の存在そのもののオーラが出ていたのかと考えます。
そう遠い昔ではない時代ですが、姦通罪などもあり、今とは全く違う時代に衝撃でした。元号が3つ戻る程度といってはなんですが、その時代全て生きている人には時代の大変化だったのでしょう。(私の祖母が相当します。)
ドラマの中の駆け落ちと思っていた事がこんなに大きな事だったとは…
本だけ読んでたらここまで思わなかったでしょう。ドラマのおかげ?村岡花子さんのおかげ、ですかね。 -
林 真理子は食わず嫌いで犬猿していたが、見直しました。
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のちに歌人白蓮として有名になる華族の娘柳原燁子が、筑豊の炭鉱王伊藤伝右衛門のもとへ嫁ぐ日から話ははじまる。
まだ「姦通罪」がある時代の話。
結婚をしていながら、他の男性のもとへ走った白蓮。
恋愛事情も今とは違う当時のことは、もう想像するしかないのだが、結局結婚というものは、相手を親が決めようが自分で決めようが、うまくいくものはうまくいくし、ダメなものはダメなものなのではないだろうか。
自由恋愛(って表現が古い)の現代でさえも、実はたいして変わっていないように思う。
違いは別れるのがかつてより簡単になったことぐらいではなかろうか。
苦労はしたが、自分の命をかけてまで愛する相手と生涯そいとげた白蓮は幸せだったのだろう。
…などとこの平成の世で、カフェでモーニングをいただきながら、威張り散らした夫に理不尽なことで怒られ死んだ魚の目をした妻という夫婦をみて思った。
…いや、まじ朝からやめて欲しい…。
ちなみにNHKの朝ドラで村岡花子と白蓮は腹心の友という設定になっていたが、この本には花子のはの字も出てこない。友達はいないと言っている。白蓮の鼻持ちならないお金持ちのお嬢様感が生々しく描かれており、かえって白蓮の存在感が迫ってくる。興味を持って最後まで読むことができた。