全一冊 小説 上杉鷹山 (集英社文庫)

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  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (688ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087485462

感想・レビュー・書評

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  • 2018/3/23

  • 現代のバリバリのリーダーが、当時の習慣や背景を十分理解しつつ、タイムスリップでもしたら同じような政策を考えつくかもしれないなぁと思った。しかし考えつくのと実行できるのとでは全く違うし、あの時代に生まれついた鷹山が若干十七歳でどうしてああいう考えや信念を持てたのかとても不思議だ。鷹山の行動は現代でも十分リーダーのお手本になる。改革はまず自分から、情報を極力オープンにして疑念を払拭する、人に愛を持って接する、核となる信念を曲げずに改革に取り組む、怒らずに前向きに諫言を受け入れる、常識を破ることを恐れない、などなど。

  • 人の心を動かすのは愛である。
    心底、徳に生きる。
    よい時代小説であった。

  • ★2017年5月30日読了『小説 上杉鷹山』童門冬二著 評価B+

    たびたびビジネス書にも名前が出てくる上杉鷹山を知ろうと購入してみた。
    680ページの大作だが、内容の面白さに3日で読んでしまうほどだった。

    東北の名藩である米沢藩の藩主として上杉家に九州高鍋藩から養子入りしてきた治憲が17歳。
    そこから、一部の藩士を味方につけてひどく難儀な藩政改革に着手する。
    幾多の困難を乗り越えて、領民、藩士の心を変えて、皆で努力して藩の財政改革、民の豊かな生活を勝ち取る。
    このような民主的な改革が江戸時代に進められたことが驚きではあるが、そこから学べることは数多い。

  • 一国を変えるには一人の人間を変えなければいけない。人間革命に通ずる理念が心に残る。

  • J.Fケネディが尊敬する日本人だと名前をあげた上杉鷹山。
    その人物が良くわかる。
    小説としても面白いし、ビジネス書としても面白い。

    以下、仕事への解釈。

    企業とは人である。
    改革とは人である。
    マネジメントは愛と徳で行え。 
    人への愛と徳である。
    目先の利益にとらわれず長期的で俯瞰的な思考であれ。
    過去の慣習にとらわれるな。
    生産を生む現場を大切にしろ。
    そして、企業の存在意義とは人を幸福にすることである。

  • 上杉鷹山、いい本だった。どの時代にも、慣習にとらわれずに、大事なことをしっかりと自分で考え、実行する人がいる。勉強になった。


    何よりも大切なのは、自分を変えることだ。そして、自分を変えるときに、いちばんさしさわりになるのは、古い考えへのこだわりだ。そして、それは、自分がこの考えは絶対に変えられないのだ、と思いこんでいることだ。

    お互いに、信じ合って、何でも話せる、今では貴重なことだ。

    過って改むるに憚ることなかれ



    やさしさ、忍びざるの心

    人と人との出会いというのは、人間にとって、大変な事件なのだ

    人が人に与える影響というのは、大変なものだ

    どんな絶望的な状況にあっても複眼の思考方法を持ち、歴史の流れをよく見つめるならば、閉塞状況の中でも、その壁を突破する道はあるのだ

    柔軟な思考と、果断な行動力

    徳と愛

    率先垂範

    先憂後楽

    人間の心に愛と希望を蘇らせる、心を甦らせる、信じ合う心を甦らせる

    信じること、だまさないこと

    過程を大事にする

    他人へのいたわり、思いやり

  • 若き藩主が「思いやり」を軸にして、藩を改革していく話

    主人公の上杉鷹山の人物像は『海賊と呼ばれた男』の主人公の国岡鐵三と重なる所が多く、
    自分を勘定に入れずに徹底的に相手の為に尽くそうとする姿勢が、周囲の人々を変えていき、その結果、改革へとつながっていく

    ただ、そういったリーダーの姿勢ありきの改革だから、リーダーが変われば全く成り立たなくなることもこの話では描かれている。
    後へ引き継ぐことの難しさも実感させられた。

  • 江戸時代の米澤藩
    破綻した藩の財政を建て直す為、若くして藩主になった上杉治憲が藩の改革をする

    主人公の治憲は養子のうえに、17歳ぐらいで藩主になる。改革の大変さがよく伝わる内容。

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著者プロフィール

歴史作家。東京都知事秘書、広報室長、企画調整局長、政策室長を歴任。退職後作家活動に専念。人間管理と組織の実学を歴史の中に再確認し、小説・ノンフィクションの分野に新境地を拓く。『上杉鷹山』『小説徳川吉宗』など著書は300冊を優に越える。

「2023年 『マジメと非マジメの間で』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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