恋するソマリア

著者 :
  • 集英社
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感想 : 95
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  • Amazon.co.jp ・本 (316ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087715842

感想・レビュー・書評

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  • 「謎の独立国家ソマリランド」の続編は、リアクション芸人が如く過激な方向へ突き進む。この路線だと次は死んでしまうので、遺跡調査などの方向転換が良いかと。

  • 毎度ながら市井の人々の暮らしや文化、宗教など細やかなところに焦点をあて、大袈裟でも説明不足でもなくちょうどいい、完全にわたしたち目線でレポートしてくれる。
    様々な局面を多面で捉えて知りたい欲で突き進む「謎の国家ソマリランド」からの本作。ほんとに恋しているんだな。

  •  前著「謎の独立国家ソマリランド…」が大ヒットし、いくつもの文壇の賞を受賞した高野秀行のソマリア物第二弾である。
     本書を読む人はほとんどが前著を読んでいるだろうが、おそらく前半は既読感を味わうだろう。一般家庭とか家庭料理など庶民の生活に重点を置いて前著とは異なる視点で描いているにもかかわらずだ。しかし、後半ソマリランドではなくモガディショの描写になると、ソマリランドとのコントラストのせいか緊迫感が出てくるせいか一気におもしろくなった。
     ところで、表題の恋するソマリアとは筆者を引き付けるのはソマリランドだけではなく、ソマリ人世界のことを示している。いや、ハムディのことに違いない。この魅力的な美女がいなければ、筆者の思い入れも本書のおもしろさも一気に冷めることだろう。

  • ソマリア2部作の2作目。1作目「謎の〜ソマリランド」を読んでから読むと話が通じます。
    こちらも面白かったけど、内容が説明っぽい。1作目のノリと勢いはややそがれてる感じ。氏族ネタが少ない(か私が読み慣れた)ので読むのに時間はかからなかった。
    2冊通して、ソマリ人の「超速」と大胆な行動、後に怨恨を残さないサッパリさに憧れる。

  • 高野秀行さんのソマリア本第2弾。前作に引き続き、面白い一冊に仕上がっておりまして、高野さんに新しいテーマが見つかって本当に良かったと、生意気にも思ってしまうのでありました。読みごたえという意味では、やっぱり前作『謎の独立国家ソマリランド』の方がすごかったし、きっとあちらが代表作になっていくのだろうなとは思うのですが、こちらも情報量としては十分。特に後半の料理の話や、実際に襲撃を受ける話は現地まで行って、奥まで入り込んだからこその話。なかなかほかで読めるモノではないでしょう。ソマリアで高野さんをナビゲートしてくれていたハムディが亡命してしまったこれから、さてどうするのか。これで終わり…ではないよね、と今後への期待も込めて。

  • 面白かった「謎の独立国家ソマリランド」の続編。著者本人が片想いと称しているように、最初から最後まで自由奔放で、掴みどころがなく、即断即決、行動力の権化で、タフでドライなソマリ人たちに振り回される様子が楽しい。その一方で友人のジャーナリストが暗殺されたり、撃たれたり、自分も戦闘に巻き込まれて九死に一生を得るなど、命の危険とも隣り合わせ。この人はジャーナリストではない。観察者になれないのだ。当事者になってしまう。探検。
    ソマリ人の娘さんに料理を習ったり(これは政治家のインタビューより難易度が高いらしい)、長老に会いに行って感銘を受けたり、ソマリ社会への浸透度は前作よりずっと深化している。

    嬉しかったのが豪腕姫ハムディ、盟友ワイヤッブなどの写真。みんな映画の登場人物みたいに、いきいきとした、味のある、いい顔をしている。この人はきっとこういう話し方をするんじゃないか、この人はこんな性格に違いない、と思わせるところがあって、見ているだけで楽しい。不思議だ。

  • 前著「謎の独立国家ソマリランド」で国際的に認められない国の全貌を紹介。その続編としてソマリランドと南部ソマリアの現地での生活を体験していく。危険な地域でありながら現地人と同化して行動する著者は唯一無二の存在。

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著者プロフィール

1966年、東京都八王子市生まれ。ノンフィクション作家。早稲田大学探検部在籍時に書いた『幻獣ムベンベを追え』(集英社文庫)をきっかけに文筆活動を開始。「誰も行かないところへ行き、誰もやらないことをやり、それを面白おかしく書く」がモットー。アジア、アフリカなどの辺境地をテーマとしたノンフィクションのほか、東京を舞台にしたエッセイや小説も多数発表している。

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