ジャージの二人

著者 :
  • 集英社
3.42
  • (38)
  • (73)
  • (170)
  • (16)
  • (3)
本棚登録 : 493
感想 : 126
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087746778

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 普段の生活を離れ、だらだらとしている、いい歳した男二人、というのがなんともいえない脱力感をさそいます。しかし、心のすみには普段の生活が離れずつきまとっているようで、もやもやもしたり、とただの脱力系ですまされない作品でした。

  • 堺雅人の映画をきっかけに読んだ。

  • 映画と合わせた感想です。

    「アヒル鴨」のDVDで新作情報として紹介されてたとき、
    こんな映画、誰が観るんだよ、と素で感じたものだったんですけど(すいません)、
    公開中の評判は全く聞こえてこないまま、何故か原作読んだタイミングばっちりでレンタル開始。
    借りちゃいましたよ、新作一泊二日300円で(笑 私にとっては「よっぽどのこと」。

    笑っちゃうくらい原作どおりでした。淡々っていうかドぬるい(ぇ)。
    これと言って何事もない。何もしない。だから何?と突っ込んだら負け。眠い。
    でもその中で何度も声あげて笑ってしまったし、グッと来るところもあったし、
    キュンと来るところもありました。頭悪い感想ですいません。

    三度目の結婚もあんまりうまく行っていないカメラマンの父親と、
    妻に恋人が出来てしまった無職の息子が、おんぼろ山荘で過ごす大人の夏休み。か?
    1、部屋に虫が出ます  2、布団がじめっとしてます 3、トイレはくみとりです
    4、風呂は五右衛門風呂です  5、携帯電話は使えません
    ・・・という状況で過ごす超スローライフ。誰も来ないよってか、ほんと誰が観るんだよ(笑
    でも良かったです。どんなに情けなくても、沁みてくるものもある。

    堺雅人さんはやっぱり素敵でした。いや、ひたすら情けなくはあるんだけど。
    原作どおりとは言っても、原作は20代なので、個人的にちょっとズレは感じましたがね。
    父親が51歳、と出たときに、なんだ自分、親世代のほうが近いんじゃん!とちょっとショック。
    堺さんのことはギリギリ同世代に感じるというか、いや、それはさすがに図々しいんだけど、
    まぁより強く感情移入する相手がブレるという点で、映画と原作の印象は別になりました。

    お父さん役の鮎川誠さんという方は、知らない人だったけどこちらも素敵でしたね。
    話し方が独特で、けっこうハマります。癖になる。
    でも俳優さんじゃないのかな?どの演技も全部同じなので、最後には別の意味で笑っちゃった。
    奥さんの水野美紀さんは、まぁ普通。特筆することはないけど、普通に原作どおり?
    身勝手には違いないのだけど、ほんとうに好きになっちゃったんなら仕方ないんでしょうね。
    原作でも、ほんとに相手が好きなんだなって伝わったから、胸が痛いくらいでした。
    なんで結婚生活を続けているのか?みたいな突っ込みは、する気になれなかった。
    理屈でなく理性でなく、そういうことってあるよね、という妙にリアルな納得。
    だからこそラストは、薄く物悲しいとしても、ある意味すがすがしい。

    細かいところで、ご近所の遠山さんちでご馳走になる、モロッコいんげんの天ぷら、
    このシーンがカットにならなくて良かった。原作のこの場面、すごく好きでした。
    私も初めてモロッコいんげんをもらったとき、なんだこりゃどうすりゃいいんだと悩みながら、
    ほかの夏野菜と天ぷらにしてみたら、もうすごくすごく美味しくて感動した覚えがあるので。
    採りたて揚げたてというのが、もちろん最高の調味料だったんでしょうけども。
    欲を言えばトマト料理のシーンも出して欲しかった。焼いたり煮込んだり。

    1時間半と短めの映画で、ちょうど良かった。ちゃんと観られてよかった。
    好きなうちの映画であり、小説です。

  • 二度目です。「ねたあとに」の世界に没頭してからこちらをまた読み返すと、なるほどなるほどと思えてきます。あの山荘でのあんな楽しそうな遊びの数々はこうやって育まれてきたんだなぁとしみじみ。ジャージの三人の方もやっぱりイイ。映画化されてそれは観てなかったけど私は大島弓子さんの絵でこれを買ったんだ。

  • あなたが自分でいいと思うならそれでいいです、というような父と息子の話。そういや、「和」と書いて「かのう」と読む松本の定食屋は安くてボリューム満点だった。

  • 映画みなきゃー★DVDあるけどみてない…

  • 読んでいる間はとても穏やかに時が流れていくような感じで心地よく読むことが出来ました。避暑地で過ごす何てことない休日が私には新鮮で帰ることが決まるととても寂しくなりました。私も家族で別荘に遊びに行きたい。そう思わずにはいられません。別荘なんてないんだけどさ。ログハウスとかを借りて何泊かするのもいいかなーなんて過ぎたばかりの夏を思い、来年の夏の予定を考えてみたり。何もないことから得るものもあるんだろうな。


    この続編と言われているパラレルももう手元にあります。一冊別の本を読んだらまたこの穏やかな世界へ行ってみるつもりです。

  • 会社を辞め父親と山の別荘へ。しかも妻は会社の先輩と恋愛中。

    うーん。
    なにがなんだかさっぱり。
    だから?って。

  • 軽井沢の古い別荘で、避暑という名の現実からの逃避行をする父と息子。何が起こるわけでもなく、何かが解決するわけでもなく、ゆるゆると流れる時間。

    ストーリーはまぁまぁだったけど、映画で見てみたいなって思った。

  • 何も起こらない
    これこそ日常なのではないでしょうか。
    夏、山荘に「住む」お話です。

    映画もお薦めです!!!

全126件中 41 - 50件を表示

著者プロフィール

小説家、俳人。「猛スピードで母は」で芥川賞(文春文庫)、『夕子ちゃんの近道』(講談社文庫)で大江健三郎賞、『三の隣は五号室』(中央公論新社)で谷崎潤一郎賞を受賞。近作に『ルーティーンズ』(講談社)。句集に『新装版・ 春のお辞儀』(書肆侃侃房)。その他の著作に『俳句は入門できる』(朝日新書)、『フキンシンちゃん』(エデンコミックス)など。
自選一句「素麺や磔のウルトラセブン」

「2021年 『東京マッハ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

長嶋有の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×