その手をにぎりたい

著者 :
  • 小学館
3.62
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本棚登録 : 1890
感想 : 283
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  • Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093863735

感想・レビュー・書評

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  • 無性にお鮨が食べたくなる。

  • 2015.10.3読了
    バブル期の頑張る女性を描いた話は結構好きだ。私もバブル期に20代でいたかったなーといつも思う。(図書館)

  • 時代はバブル全盛期からバブル崩壊まで。
    栃木から出てきた24歳のOLの生き様が書かれている。
    地味なお嬢ちゃんだった主人公が、時代に押され仕事で揉まれ強くなっていく様。だが、その強さは端から見ると痛いになるのだなと。

    事務職から営業に転換したことで、営業の男性からも事務の女性からも爪弾きにされるんだなと痛感。

    バブル期の激動の不動産業界は、確かに面白いというか夢の中にいるようだなと伝わった。

    印象的なフレーズ
    自分より若くて無知な女はここにいて欲しくない。自分も無知と性を武器にしているのだ。

    いろんなことがあったわよ。ここまで上り詰めるまで。だけど、いちいち覚えてなどいられない。

    職場を離れることが怖かった。責任感というよりなにもしていな自分を直視したくなかったのかもされない。
    本当はもうずっと気づいていた。気づかないようにするのに必死だった。自分でなければ代わりが効かない仕事も居場所も、どこにもないことを。

  • 1章が短くて簡潔で読みやすい。

    一ノ瀬さんは思いに気付くのが遅かったね。
    でも口説かなかった理由を知ったら遅くて良かったのかも。
    青子と付き合ったり結婚したら、すぐに繋がりはなくなっていただろうな。

    最後、手を繋いだだけだけど、
    二人にとってはキスよりも濃密な絡みだったんじゃないかな。

  • (2015/9/15読了)
    目次に惹かれて書架から選んだ本です。
    星は4つに近い3つ。それは、この内容で楽しめる範囲がかなり限られているから。私はジャスト世代なので、友達」自分に重ねて楽しめました。
    目次がネタで、タイトルは「握り」に掛けている。寿司職人に一目惚れした若いOL、バブルがはじけたラストにハッピーエンドかと思いきや、主人公は自分で道を切り開くたくましい女性でした。
    作者は1981年生まれ。物語の始まりの年に作者は2歳。時代の細かいところまでよく調べたものです。

    (内容)
    恋と仕事とお鮨に生きるバブル期OL大河小説!

    (目次)
    一 ヅケ 1983年6月6日
    二 ガリ 1984年5月15日
    三 イカ 1985年9月17日
    四 ウニ 1986年7月17日
    五 サバ 1987年10月23日
    六 トロ 1988年12月23日
    七 ギョク 1989年11月25日
    八 タコ 1990年11月24日
    九 エビ 1991年9月20日
    十 サビ 1992年5月20日

  • 切ないし、もどかしいし
    寿司が大好きになるし
    でも、なんか切ないしーー!!

    面白い共感できるとこもたくさんあったなー
    不器用な片思い

  • 上京してOLして、故郷に帰って見合いしようとしていた女性が、高級お寿司を食べたことで人生変わったストーリー。お寿司のうんちくと美味しそうさ。それからバブル期の日本の変化。が背景にあるのが面白い。お寿司職人にも魅かれる展開が気になるけど、まぁこのラストでよかったのかな。

  • その手に魅せられた━━
    銀座の高級鮨店「すし静」の若大将、一ノ瀬がにぎったお鮨を食べる、そのために、恋に仕事に邁進する本木青子の10年間を描いた物語。

    1981年生まれの作者が、1983年~92年のバブル期を見てきたかのように鮮やかに表現していて、天晴れ。
    所々挟まれる当時の出来事が懐かしい。
    プラザ合意(85年)、ベルリンの壁崩壊、ベイブリッジ開通(89年)、Windows3.0(92年)…

    艶かしく、切ないラストに落涙。

  • こんな愛し方もあるんだなあ。
    いつか私も、寿司職人さんの手から直接お寿司を受け取って食べてみたい。

  • 人を好きになるのは、顔だったり、胸だったり、背中だったりもするが、青子が好きになったのはお鮨を握るその手だった。
    仕事を辞める青子のために上司が連れて行ってくれた一流の鮨店。そこの職人の手に魅せられて、故郷に帰るつもりだった青子は東京での転職を決める。
    不動産業界に転職した青子は、ちょうどバブル期と言う事もあり、その鮨店の常連になった。
    そして10年。色々な事があって、故郷へ帰る事を決める。
    その鮨店で過ごす最後の時間は、バブル終焉の時でもあった。

  • 8月7日読了。同じ頃子育てに夢中だった私。

  • 面白く読み進められるけれど、私にとってこの人はやはり何度も読み返したい作家ではないようだ。

  • バブルがはじまる時代から、その終焉まで、平凡な事務員OLだった青子が銀座の超一流店の寿司店の板前と寿司に魅せられ、不動産業に転職して東京の街の成長と狂乱と退廃を駆け抜ける姿を描いている。
    バブル、って言葉は知っていても時代の実感が湧かないのだけれど、改めて、とんでもない時代だったんだなあとしみじみする。

  • 2015.06.25.読了

    「その手をにぎりたい」
    一体どういう話かと思ったら、
    なるほど。

    1981年生まれの柚木麻子さんが、
    1983年から1992年の
    バブル絶頂期から崩壊までを
    OLの目線で書いているのがすごい。
    当時流行ったユーミンの曲や
    昭和から平成に変わる時の雰囲気を
    思い出させるように書き進めている。
    私自身はバブル後期に就職したので、
    こんな華やかなOL時代を送ったわけではないが
    充分恩恵は受けたなあ と
    色々思い出しました。

    そんな意味で、
    星4.5くらいの読後感です。

  • お寿司が食べたい

  • 女性にとって24歳から33歳までは仕事、友情、恋愛、人生を左右する悩みの多い期間。
    とっても後悔して落ち込んだ日に何か読みたくて読んだ。まだ私は取り返せるのか?と。一ノ瀬と青子のように、今までの道のりには意味があったと、最後に笑える日がくるかもしれない。

  • 青子の一ノ瀬さんを見る目がとてもいやらしくて、でも美しくて良い。
    廻らないお寿司食べたことないから分からないけど、大枚はたいてする贅沢は1人ではしたくないし、たまの贅沢だからこそ幸せを感じられる私は青子が鮮やかに泳いでいたまさにその時に生まれた人間なんだろう。

    トレンディドラマを見てるようで楽しかったけど、あんまり青子に感情移入できなかったな~
    いつか美味しいお寿司食べてみたいなあ。

  • 寿司職人と青子を通して、バブルの時代の日本の移り変わりがよくわかって面白かった。確かに、そういう時代だった。
    2015年5月27日

  • そんなに惹かれないあらすじだったけど、柚木さんのだし読んどこ~と思って読み始めた。予想外に面白かった♪

  • 高級寿司店に通い寿司を味わいながら成長していく女性。
    仕事や恋に振り回されながらも、この寿司店に通う事が誇りでもあったのだろう。
    経済が豊かと見えた80年代からバブルがはじけた90年代前半を最前線で生きてきた姿が清々しくもあった。
    手をにぎりたいのタイトルが艶めかしい。

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著者プロフィール

1981年生まれ。大学を卒業したあと、お菓子をつくる会社で働きながら、小説を書きはじめる。2008年に「フォーゲットミー、ノットブルー」でオール讀物新人賞を受賞してデビュー。以後、女性同士の友情や関係性をテーマにした作品を書きつづける。2015年『ナイルパーチの女子会』で山本周五郎賞と、高校生が選ぶ高校生直木賞を受賞。ほかの小説に、「ランチのアッコちゃん」シリーズ(双葉文庫)、『本屋さんのダイアナ』『BUTTER』(どちらも新潮文庫)、『らんたん』(小学館)など。エッセイに『とりあえずお湯わかせ』(NHK出版)など。本書がはじめての児童小説。

「2023年 『マリはすてきじゃない魔女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

柚木麻子の作品

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