その手をにぎりたい

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 1890
感想 : 283
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  • Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093863735

感想・レビュー・書評

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  • バブル前後の東京と一人の女の人生の断片、そしてそこに不思議な寿司屋の世界が混ぜ合わさることで奇妙な世界観が生まれる。バブルを経験していない80年代生まれの作者が書くからこそ面白い部分も多かった。こんな寿司屋あったら一度行ってみたいかも。

  • 寿司と恋愛を題材にした本

  • マンガみたいで読みやすくて力まず読めてよかった!

  • 鮨とその手に恋をした。
    怒涛のバブル期を生きる青子さん。
    その姿は痛々しくも凛々しくて、この時代を生き抜いた女性は強いなぁと憧れます。共感も好感も持てないながらも。

    カウンター越しの、近くても触れられない距離は十年かける価値のある時間だ。
    長い時間も、この一瞬のために、と思えるお話でした。

    お鮨食べたいなぁ…

  • バブル時代、田舎に帰ろとしていた女性がある寿司屋に連れて行かれてから、大きく人生が変わる。
    敷居の高い店に見合うようにがむしゃらに働く姿は、時代の風潮に巻き込まれ、大事な物を無くしていってるようで痛々しかった。

  • バブルの10年間を、お寿司屋さんに恋してきたOL青子。切ないながらもラストは良かった。
    柚木作品の中でも好きな作品!

  • 1983年から1992年、バブル期を迎え、終わっていく東京で生きる女、本木青子。退職する会社の社長に送迎会として連れていってもらった銀座の寿司屋で、青子の人生は決まった。ヅケ、鯖、ウニ、車海老……、若い職人の握る寿司は極上の味わいで、青子はこの寿司を味わうためだけに、彼の手から寿司を受け取るその瞬間の幸福のために必死で働き、生きていた。

    美味しい寿司が食べたくなる話だった。寿司食べられない人間なのが非常に悲しい。色んな意味でおとなの話だった。銀座の高級寿司店とかバブル期のバリバリ働く不動産会社のOLとか、オシャレな広告代理店の男と割り切った関係とか、その時期のことを上手に書いててよかった。一ノ瀬さんとの縮まらない距離感がもどかしく、切なくて、最後のサビで見せた本音の姿にぐっときた。ハッピーエンドじゃないけれど、しっとりとしててよかった。

  • 2014.9 市立図書館

    柚木作品2作目。
    けっこう好みのタイプの作家さんだ。
    テンポよく読ませてくれる。

  • 会社を辞め、実家に戻ることになり、社長に送別で連れて来てもらった銀座の一流寿司屋、すし静の寿司職人一ノ瀬の握る寿司に魅力された青子。
    実家に戻ることをやめ、自分で稼ぎ、すし静の常連になることを決意する。
    バブルがふくらみ、そして、弾ける。
    青子の決断は…。
    最後の青子と一ノ瀬さんが並んで話すところがグッときた。

  • 1983年、バブル前夜?~1992年まで、一人のOLが東京で働く様子を描く。青子と鮨屋の一ノ瀬さんが結ばれてハッピーエンド…じゃないところがいいよね。失敗してもくじけてもそれぞれ自分の道を進めていく二人は恋人というより同志という感じでした。

  • お寿司屋さんに恋をしながら、バブル期を駆け抜けたとある女の人生・・・?
    なんかとても粗筋が書きにくいお話。あとバブル期は経験ないので共感しづらい。
    一気に読めるパワーはあるのですが・・・ううん。

  •  強い女性が自分にご褒美を与えながら、バリバリと仕事をしていく話。主人公があまりに凄すぎて共感はできなかったけど、潔い生き方にはすがすがしさを感じました。
     八方ふさがりになった時、自分に喝を入れてくれる作品です。

  • 寿司職人をおかずにしている、エロバブル女の半生。

    バブル女のプライドの高さと身勝手さを軽蔑するけど、自己実現していくのを羨ましく感じる。

    よくも悪くも、ジェットコースターのように時代を駆け抜けた女。

  • 内容紹介
    「ランチのアッコちゃん」作者最新作!

    80年代。都内のOL・青子は、偶然入った鮨店で衝撃を受けた。そのお店「すし静」では、職人が握った鮨を掌から貰い受けて食べる。
    青子は、その味に次第にのめり込み、決して安くはないお店に自分が稼いだお金で通い続けたい、と一念発起する。
    お店の職人・一ノ瀬への秘めた思いも抱きながら、転職先を不動産会社に決めた青子だったが、到来したバブルの時代の波に翻弄されていく。一ノ瀬との恋は成就するのか?

  • お寿司食べたくなってきた。。。
    おいしいお寿司って、ほんのりあたたかいのよね。
    シャリもネタも。
    にぎる職人さんの手も、やはりきもちがこもっていてあたたかいのかな。

    バブル絶頂期だろうか、バブル後だろうが、若い時ってみんなこんな感じじゃない?いろんなことを夢見て、上昇志向で、私の代わりは誰にもきかない、って言われる仕事がしたい、とか思ったりして。
    青子が、最後に大切なものに気づくことができて、本当によかったです。

  • バブル時代のOLが大好きな食事を糧に生きていくお話

    バブルを経験したことのない私でもとても世界観に入りこんで楽しめました。
    結果が分かっていても憧れのあったバブルというものをまるで味わっているかのようで
    また、切ない女ゴコロもよく分かって苦しくなったりもしました。

    題名の意味も最後には分かって納得

  • 寿司を握る職人の手。食材や寿司がいかにもおいしそうだ。
    バブル期に高級な寿司屋に通う。バブル期の不動産景気、その場面にはヘキヘキしながら、読んだ。もっと肩ひじ張らずに生きて行ったらいいのにと思いながら、時代がそうだったんだ。

  • バブルの頃の話だけど、自分が銀座で接待していたときのことが思い出された。
    今あのお店はどうなっているんだろう。
    いつの日かまた行ってみたい。

  • カウンターでおすし食べたい!

  • 鮨職人に恋をしたOLのバブルの10年。
    作者はほとんど同年代なのでバブル未経験。
    実際のバブル世代が読んだら違和感を感じるのかもしれない。
    「ランチのアッコちゃん」より作者の成長が見られると(偉そうに)思った。

    恋した職人との関わりはカウンターを隔てたものだったけど、どこかエロティック。
    もっと手にスポットを当ててそっちに寄せても良かったかも。
    好きという気持ちをお互いに持っていたのに交わらない関係って切ない。

    鮨の描写はすごく惹かれるものではなかったけど、
    職人さんに握ってもらうお寿司屋に行きたくなった。

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著者プロフィール

1981年生まれ。大学を卒業したあと、お菓子をつくる会社で働きながら、小説を書きはじめる。2008年に「フォーゲットミー、ノットブルー」でオール讀物新人賞を受賞してデビュー。以後、女性同士の友情や関係性をテーマにした作品を書きつづける。2015年『ナイルパーチの女子会』で山本周五郎賞と、高校生が選ぶ高校生直木賞を受賞。ほかの小説に、「ランチのアッコちゃん」シリーズ(双葉文庫)、『本屋さんのダイアナ』『BUTTER』(どちらも新潮文庫)、『らんたん』(小学館)など。エッセイに『とりあえずお湯わかせ』(NHK出版)など。本書がはじめての児童小説。

「2023年 『マリはすてきじゃない魔女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

柚木麻子の作品

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