後悔病棟 (小学館文庫 か 46-1)

著者 :
  • 小学館
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感想 : 243
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  • Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094064094

感想・レビュー・書評

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  • ずっと気になっていた本

    後悔している事をやり直すという話だが、
    第3章は、やり直しても、
    現実とは違う結果になって
    以前の選択に本人も納得できたのでは。

    続編では主人公がバトンタッチしそうですが
    想定外でした。

  • 設定とか患者との関わりとか現実では実現しないだろうなと思うところはあったけれど、作者がこの本で伝えたかったメッセージだと思うものはとても伝わってきた。
    そこがこの本を読み終えて読んで良かったと感じたし、読み終わりもすっきりとした気持ちになった。続編の希望病棟も読みたいと思った。

  • 患者の気持ちがわからない主人公が、ある日不思議な聴診器を拾う。それを患者の胸に当てると、心の声が聞こえるという。
    SF的と言うか、ファンタジーと言うか、4章とエピローグからなる連作集。
    過去の選択に後悔のあるそれぞれの患者が、目を閉じて念じると、扉が現れ、もう一つの過去へと誘う。
    念願した過去を経験することによって、どの患者も現在の自分に満足し、安らかに死を迎える。
    扉はドラえもんの「どこでもドア」のようなものか。
    そんなドアがあれば、利用してみたいと誰でも思うのでは。

  • いわた書店1万円選書
    好き嫌いが分かれる作品かもしれない
    人生の節目節目でどんな選択をしたか
    これからどんな選択をするか
    考えさせられる小説

  • ああ、なんとなくわかる。主人公の気持ち。
    若いころ、相手の気持ちになって考えよう、というのがとっても難しかった。

    お医者さんのシンボルたる聴診器にそういう機能がついているのは面白いと同時に反則だ。うますぎる(笑)

    20180430

  • 死を目前にした患者たちの過去に遡ってやり直す。あの時こうしておけば良かったという話もあれば、今の生き方の方が幸せだったとわかる話もあり、考えさせられる。

  • 33歳の医師・早坂ルミ子は末期のがん患者を診ているが、「患者の気持ちがわからない女医」というレッテルを貼られ、悩んでいる。ある日、ルミ子は病院の中庭で不思議な聴診器を拾う。その聴診器を胸に当てると、患者の心の”後悔”が聞こえてくるのだ。

    あのとき違う道を選んでいたら・・・死を目前に救われる人も居るだろうなぁ~と。唯一妻が亡くなったら娘が自分の面倒を見るのが当然のじいさんは・・・
    他人事ではなかった。

  • ⭐︎4.5
     
    空気が読めないことに悩んでいた女医は、胸に当てると患者の考えていることが分かったり、想像のなかで過去に戻り人生をやり直すことができる不思議な聴診器を拾う。

     あの時に戻ってやり直せたらって誰しも一度は思うのでは?

     本書を読んで思ったのは、人生をやり直せたとしても、また違う問題が出てきて、やっぱりやり直す前の人生の方がよかったと思ったり、結局道々巡りなのだなと。
    結局自分の選んだ道が正解なのだなと思いました。

     ルミ子の母も言っていたけど「人生はプラスマイナスゼロ」と言う言葉はすっと腑に落ちました。
    しんどいことがあっても後々考えると、その経験が人生の糧になることも多々ありますもんね。

    どのお話も面白かったけど、「第一章dream」の末期癌の娘が女優として人生をやり直した時、冷たいと思っていた母の言動は、実は娘のことを思う優しい母心だったことがわかるシーンは、グッと来ました。反対していたけど、同じ職業になってからは、いつも味方でいてくれる母の懐の大きさも感じました。

    「エピローグ」のルミ子先生と石清水先生の恋模様も微笑ましくてとてもよかった!

    解説もとても良かったです。
    また再読したい一冊です。

    • あんころ餅さん
      第一章は私も感動した!やっぱり母だなと思った!子どものためを想っての態度やったんやなぁと!ちなみにルミ子役は貫地谷しほりさんでイメージしたよ...
      第一章は私も感動した!やっぱり母だなと思った!子どものためを想っての態度やったんやなぁと!ちなみにルミ子役は貫地谷しほりさんでイメージしたよ笑
      2021/08/12
  • 好きなタイプでは無かったです。残念!

    • アールグレイさん
      ほたるぶくろさん、
      こんにちは!
      ・・・後悔病棟、残念でしたね。実を言うと私は、医療ものは読まないことにしているんです。ドラマは見せているか...
      ほたるぶくろさん、
      こんにちは!
      ・・・後悔病棟、残念でしたね。実を言うと私は、医療ものは読まないことにしているんです。ドラマは見せているから、それで納得できるのですが、本は頭の中で想像してしまいます。それがイヤというか、苦手なのです。
      知念美希人さんには、ノータッチです。
      ほたるぶくろさんも、私にふさわしいホテル、如何ですか?面白さはピカイチかと思います。この本はさてさてさんのお薦め本だったのですが、あまりに良いので皆さんにお薦めしています。柚木麻子さんです。
      気が向いたら読んでみて下さいね!
      (ゝ^ ∇^)
      2021/07/07
    • ほたるぶくろさん
      ゆうママさん、こんにちは!
      コメントありがとうございます。

      「私にふさわしいホテル」のご紹介ありがとうございます。
      ぜひ読んでみます。

      ...
      ゆうママさん、こんにちは!
      コメントありがとうございます。

      「私にふさわしいホテル」のご紹介ありがとうございます。
      ぜひ読んでみます。

      私は普段、テレビは見ません。
      読む本も選ぶテーマは偏りがちです。
      ……ワガママなんでしょうね(^_^;)

      こんな私ですが、今後ともよろしくお願いします。
      2021/07/07
  • 独身アラサーの医師、早坂ルミ子は、
    末期癌の患者を担当していた。
    ルミ子は、患者の気持ちを分かって
    あげれていないと
    患者からは不評の医師だった。

    ルミ子はある日、病院の庭に落ちていた聴診器を
    拾う。その聴診器は患者の心の中を読めたり
    過去を振り返れることができる不思議な聴診器
    だった。

    ルミ子はその聴診器を使い、末期癌の患者たちの
    それぞれ抱く過去への後悔を
    患者と共に体験していく。

    ------

    作者の今まで読んだ小説で、初めて
    ファンタジー要素が盛り込まれていた作品。

    こうしていたら、ああしていたら
    今のようにはならなかったのに。
    という、誰しもが抱いていそうな過去への後悔を、
    魔法の聴診器で擬似体験する。

    実際に現実が変わるわけではないのだが、
    過去を変えることによって
    やっぱり今のままで良かったと思ったり、
    知らなくてもいいことを知ったり。
    結局はどっちがいいとか悪いとか
    ないもんだなと思った。

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著者プロフィール

1959(昭和34)年、兵庫県生れ。明治大学文学部卒。2005(平成17)年、「竜巻ガール」で小説推理新人賞を受賞し小説家デビュー。結婚難、高齢化と介護、住宅の老朽化などの社会問題や、現実に在り得たかもしれない世界を題材にした小説で知られる。著書に『リセット』『結婚相手は抽選で』『七十歳死亡法案、可決』『ニュータウンは黄昏れて』『夫のカノジョ』『あなたの人生、片づけます』『老後の資金がありません』『後悔病棟』『嫁をやめる日』『女たちの避難所』『四十歳、未婚出産』などがある。

「2023年 『うちの父が運転をやめません』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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