- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784094068368
感想・レビュー・書評
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人の心の声が聴こえる不思議な聴診器を拾った摩周湖先生と、末期癌から回復した患者さんたちが新しい人生を歩んでいく話。
前作と同じ聴診器なんだけど、違う使い方がされていて面白かった。貧困だったり女性蔑視だったり、社会問題とも絡めて話が進んでいて、わたしはこちらの続編の方が好きでした。
中高生くらいにおすすめです。
子どもにも読んでもらいたいなと思いました。
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やっぱり垣谷美雨さん大好き。
拾った聴診器を患者の胸にあてると、その患者の本心が聞こえてくるという現実離れした設定ながら、女性の貧困や奨学金返済問題などの社会問題、それに目を向けない国会議員など時事を盛り込んでいるので不思議とファンタジーと感じない。
姑の変貌は一番意外かな。
こういう政治屋(政治家でないところがミソ!)一家の一員なのにカトレア荘で1ヶ月も修行して、貴子の風俗店経営も認めて、そんなに柔軟な人いる?!と思わずにはいられない。
でも垣谷さんの本は最後は丸くほっとする展開が多いので、らしいと言えばらしい。
続編を期待します! -
患者に聴診器を当てるとその患者の心の声が聞こえるという『後悔病棟』の続編。
「必要とする医師の間を巡るようになっている」聴診器が、今回は口下手で不愛想な医師摩周湖(妙ちくりんな名!)が手に。
自分の気持ちがうまく表現できないと卑下していた彼女は、聴診器を使うことによって自信を回復し、考えが変わる。
思ったことをそのまま口に出そうと決め、彼女の勧める治験療法で、担当する末期の癌患者たちも快方に向かい、新しい人生を歩み始める。
その一人の患者=代議士の妻と姑との経緯には、著者の本領が発揮される小気味の良さが。
さらに、この聴診器の運命が語られる終盤には、!と。
『後悔病棟』が、人生をやり直したいと願っている患者に人生の岐路での選択は間違っていないと気づかせるのに対し、患者に新しい一歩を踏み出す力を与えるのが、『希望病棟』。 -
大好きなシリーズなのでわくわくしながら楽しめた!
今回の希望病棟は新人医師、摩周湖先生と
末期がん患者の2人
親に捨てられ孤児院で育った女子高生と
クズな政治家の妻
基本的にはこの2人の変化を不思議な聴診器を使って垣間見る
ストーリーの進み方も前回とちがったカタチで楽しめたし、エンディングも想像とはまるでちがっていておどろいた
ちがうんだけとラストは三谷幸喜の映画を見たような気持ちになった
ほっこりします!!
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後悔病棟の続編。
患者の心の声が聴こえる不思議な聴診器、それと出会った医師と患者たちの物語。
親を知らない女子高生と、かつて子どもを捨てた、代議士の妻。
余命わずかから、復活した先の人生の切り開き方は爽快というか痛快というかまさかの選択。
いつも通り、一癖ある脇役がコロッと改心するあたりにひっかかりはするものの、楽しく読めた。
人生は、ハッピーエンドのその先を生きなければならない嬉しさと苦しさがあるな、と思った。 -
この手の作品も十分面白い。第二弾なので、今後も続くことを祈ります。定年とか老後とかのテーマが多い作家さんなので、毛嫌いしてる人がいたらこの作品はおすすめです。
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後悔病棟の続編ということで、今度は摩周湖先生がどんな成長を遂げるのかと楽しみにしていたらいい意味で裏切られた‼️自分のとらわれていた価値観を見直すことで違った人生が切り開かれる。そのためには大きな決断が必要で、生き直す潔さが綴られていた。桜子と貴子の生き様がどうなっていくのか気になってページを繰る手が止まらなかった。それを見守る摩周湖先生のどんでん返しも用意されていて読み応えバッチリの大満足できた作品だった。またお話はルミ子先生に戻るのかな。またまたワクワクが止まらない。
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神田川病院に赴任した女医の黒田摩周湖は、二人の末期癌の女性患者をみている。先輩のルミ子に促され、中庭で拾った聴診器を使うと患者の”心の声”が聞こえてきた。児童養護施設で育った桜子は、大人を信じていない。代議士の妻の貴子は、過去に子供を捨てたことがあるらしい。摩周湖の勧めで治験を受けた二人は快方に向かい、生き直すチャンスを得る。”従順な妻”として我慢を強いられてきた貴子は、驚きの行動に出て…!?孤独と生きづらさを抱えてきた二人はどのような道を歩むのか。共感の嵐を呼んだヒューマン・ドラマ『後悔病棟』に続く感動の長編。
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後悔病棟の続編。私は後悔病棟のほうが好きだった。
ラストがまとまりすぎているのと、女性の貧困を救うのは性産業しかない、という言い切りに残念なものを感じてしまったので。