世界の中心で、愛をさけぶ 小学館文庫

著者 :
  • 小学館
3.24
  • (76)
  • (102)
  • (249)
  • (69)
  • (30)
本棚登録 : 1895
感想 : 162
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094080971

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 純愛とはこうゆうものなのかなと思いました。
    自分よりも相手を思うこと。それが愛なのかなと。

  • ストーリーは有りがちではあるけれど、朔太郎の祖父の、「大切な人の死」に対する考え方が自分にはない考え方だったので、ささった。

  • 2008年07月05日 15:45
    ほんとは、おすすめ度1か2にしようかと思ったんだけど、

    最近、本を読まない人が増えている。

    そんな人に読んでほしいという意味で、3。

    まず始めに感じたことは、書き込みが足らなさ過ぎると言う事だ。

    物足りない物足りない。あっという間にアキが病気になって死んでしまう。

    気がついたら葬式の場面だった。

    感情移入、出来そうな気がしそうで出来なくて歯がゆい。

    せいぜい主人公(朔太郎)とおじいちゃんの関係の場面が良かったのと、

    会話のテンポはまあまあ好きだったことか。主人公とアキのも含めて。

    題名は、パクリとか言ってる人がいるけど、

    題名くらいと言ったら誤解を生むかもしれないけど、これくらいなら別に良い。

    問題は、中身であろう。

  • 有名な映画の小説版。
    映画すらみたことはなかったが、気になったので読んでみた。

    病気の少女とその恋人。ありふれたお涙頂戴の定番ストーリーをここまで綺麗に書き上げることに感服。君の膵臓をたべたい、と同じものを感じる。

    ひたすらに純愛、と私は言いたいが、これを気持ち悪い子供じみた物語だと思う人間もいるのだろうなとは思う。それでも忘れてはいけないことが散りばめられた青少年のバイブルであり、たとえ大人であっても忘れるべきではない言葉が多々あった。

    ずっと共にいることは嫌いなところを知ることであり怖いとアキは言い、好きなところが増えて嫌いなところも好きになることだと朔はいう。

    朔の理想を語るような子供っぽさに終始むず痒さを感じもするのだが、愛に生きようとするその青臭さに胸が熱くなったことも確かである。

  • 「サラッと」読めてしまった、というのが正直な感想。
    個人的には刺さらなかったなぁ。

  • 最後婚約者の人とアキとの思い出の場所巡ったシーンはなんか鳥肌立ったなあ。
    こんなにも人を好きになることは果たしてあるんかとは思うけどね。
    こう思える人と出会えることは素敵だね。
    1番好きな人じゃない人と結婚して、ずっとその人のことを思いながら生活するって、不倫じゃなくて純愛

  • 14歳の僕にとって、防波堤の突端にある小さな灯台が世界の中心だった。

    右手には静かな波を受ける大きなクレーンが並ぶ、左手にはフェリーの波止場。後ろには、遠洋漁業の船がずらりと並んでいた。学生服の僕は防波堤に座り、足をぶらぶらさせながら、外海へ向かう船を見ていた。

    その灯台は、地図的には観光地の長崎市の真ん中に位置し、長崎港へ入ってくる船のランドマークになっている。そこから世界遺産であるグラバー邸やジャイアント・カンチレバー・クレーンや稲佐山が見渡せる。すり鉢状の長崎の街の底にある絶景ポイントなのだが、ほとんどの人は知らない。理由は、その地区は遠洋漁業の基地であり、工場の近くだからであろう。立ち入り禁止地区ではないが、一般の人は入りにくい雰囲気がある。でも、その街に育った僕らにとっては、そこは遊び場であり、何かと「じゃあ、あとで灯台に」と、そこに集まった。

    部活の帰りとか、休日に何もすることがない時とか、集まってなにをするでもなくだべっていた。14歳の僕達には、語り切れないものをそれぞれが抱えていたからだ。また、独りでもよく行った。悩み多き年頃だったから、海を見て、単行本読んだり、鼻歌を歌いうたた寝をしたり…。他人のことなど考える術を知らず、世界の中心の自分のことさえうまくコントロールできない少年を、白い灯台が黙ってみつめていた。

    夕方になると灯台に灯がつき、オレンジ色の海と交じり合う。その時間になると、酔ったおじさん達のちょっとした諍いや、やってはいけないことをする少年少女のたまり場になることもあったので、時々警官が見回りに来ていた。

    「君たちはそこで何をしているのか、早く帰りなさい!」

    振り返ると懐中電灯の光が、僕と彼女の目を刺した。初めてのデートは学校から防波堤の灯台まで行くのが定番であったのだが、その光でデートのシナリオは崩壊し、動転した二人は手をつないで逃げて走った。僕の青春物語の大事な一コマは、世界の中心で起こっていた。

     『世界の中心で、愛をさけぶ』、つまり『セカチュー』を知らない人は当時誰もいない…というほどに売れた小説である。村上春樹の『ノルウェイの森(上巻)』を抜いたことでも話題となった。2001年に発売され、300万部のベストセラーとなったが、発売当初はほとんど売れなかったようだ。柴咲コウの雑誌の書評で火が付き、ドラマ化、映画化、舞台化され、今も読み継がれる青春恋愛小説。読んだ人も多いと思うので、人それぞれの思い出があるので、あえて内容にコメントしないが、原作は柴咲コウが主演する映画とは若干異なる。どちらが良いとか悪いとかはないのだが、原作はなんとなく僕自身が思春期を育った灯台のある港町を連想させてくれる。ベストセラーになったということは、読者の誰もが、自分の街で、自分の青春時代に、自分の初恋と重ね合わせることができる作品ということだろう。

    2023年、今年、僕が最初に紹介する本であるのだが、今の大学生のみなさんが生まれた頃から幼稚園くらいの時に話題になった作品だから、読んだことがない人が多いと思い紹介した。コロナ禍でどうだかわからないのだが、青春の甘くて苦い濃厚な初恋が、今も昔と同様にあり、「世界の中心」であるそれぞれの場所で起こっていると信じている。人が人を好きにならないと何も起こらない。小説も、映画も、舞台も生まれないし、人生も淡白なものとなるであろう。勉強も就職も大事だが、素敵な出会いのある2023年となって欲しいと思う。

     最後に、まったく関係ないのだが、柴咲コウと映画やバンドで共演した福山雅治が、あの灯台を曲にしている。アルバム「残響」に収録されている『18~eighteen~』の歌詞にも出てくる灯台が、僕の灯台だ(笑)。福山さんは隣町に住んでいたので、よく行っていたのかもしれない。いつかお会いしたら、聞いてみようと思う。

  • 14歳の僕にとって、防波堤の突端にある小さな灯台が世界の中心だった。
    右手には静かな波を受ける大きなクレーンが並ぶ、左手にはフェリーの波止場。後ろには、遠洋漁業の船がずらりと並んでいた。学生服の僕は防波堤に座り、足をぶらぶらさせながら、外海へ向かう船を見ていた。

    その灯台は、地図的には観光地の長崎市の真ん中に位置し、長崎港へ入ってくる船のランドマークになっている。そこから世界遺産であるグラバー邸やジャイアント・カンチレバー・クレーンや稲佐山が見渡せる。すり鉢状の長崎の街の底にある絶景ポイントなのだが、ほとんどの人は知らない。理由は、その地区は遠洋漁業の基地であり、工場の近くだからであろう。立ち入り禁止地区ではないが、一般の人は入りにくい雰囲気がある。でも、その街に育った僕らにとっては、そこは遊び場であり、何かと「じゃあ、あとで灯台に」と、そこに集まった。

    部活の帰りとか、休日に何もすることがない時とか、集まってなにをするでもなくだべっていた。14歳の僕達には、語り切れないものをそれぞれが抱えていたからだ。また、独りでもよく行った。悩み多き年頃だったから、海を見て、単行本読んだり、鼻歌を歌いうたた寝をしたり…。他人のことなど考える術を知らず、世界の中心の自分のことさえうまくコントロールできない少年を、白い灯台が黙ってみつめていた。

    夕方になると灯台に灯がつき、オレンジ色の海と交じり合う。その時間になると、酔ったおじさん達のちょっとした諍いや、やってはいけないことをする少年少女のたまり場になることもあったので、時々警官が見回りに来ていた。

    「君たちはそこで何をしているのか、早く帰りなさい!」

    振り返ると懐中電灯の光が、僕と彼女の目を刺した。初めてのデートは学校から防波堤の灯台まで行くのが定番であったのだが、その光でデートのシナリオは崩壊し、動転した二人は手をつないで逃げて走った。僕の青春物語の大事な一コマは、世界の中心で起こっていた。

     『世界の中心で、愛をさけぶ』、つまり『セカチュー』を知らない人は当時誰もいない…というほどに売れた小説である。村上春樹の『ノルウェイの森(上巻)』を抜いたことでも話題となった。2001年に発売され、300万部のベストセラーとなったが、発売当初はほとんど売れなかったようだ。柴咲コウの雑誌の書評で火が付き、ドラマ化、映画化、舞台化され、今も読み継がれる青春恋愛小説。読んだ人も多いと思うので、人それぞれの思い出があるので、あえて内容にコメントしないが、原作は柴咲コウが主演する映画とは若干異なる。どちらが良いとか悪いとかはないのだが、原作はなんとなく僕自身が思春期を育った灯台のある港町を連想させてくれる。ベストセラーになったということは、読者の誰もが、自分の街で、自分の青春時代に、自分の初恋と重ね合わせることができる作品ということだろう。

    2023年、今年、僕が最初に紹介する本であるのだが、今の大学生のみなさんが生まれた頃から幼稚園くらいの時に話題になった作品だから、読んだことがない人が多いと思い紹介した。コロナ禍でどうだかわからないのだが、青春の甘くて苦い濃厚な初恋が、今も昔と同様にあり、「世界の中心」であるそれぞれの場所で起こっていると信じている。人が人を好きにならないと何も起こらない。小説も、映画も、舞台も生まれないし、人生も淡白なものとなるであろう。勉強も就職も大事だが、素敵な出会いのある2023年となって欲しいと思う。

     最後に、まったく関係ないのだが、柴咲コウと映画やバンドで共演した福山雅治が、あの灯台を曲にしている。アルバム「残響」に収録されている『18~eighteen~』の歌詞にも出てくる灯台が、僕の灯台だ(笑)。福山さんは隣町に住んでいたので、よく行っていたのかもしれない。いつかお会いしたら、聞いてみようと思う。ホッホホ~、まあ、そんな機会も訪れることもないだろうが、オ~ホッホッ! 今年もよろしく~ホッホホ!

  • 自分が擦れてしまっているからなのかありがちだなと思ってしまった
    内容的にはさらっと読めたが没頭はできなかった
    新しい作品ではないので最近の話の先駆けと考えればすごいのかな

  • 2020/08/21
    #世界の中心で愛をさけぶ
    #片山恭一

    セカチューの虜になった私は、
    映画・ドラマの順に制覇してきましたが、
    遂に原作となった小説に辿り着き読み終える事ができました。

    結論から言うと1番感動したのはドラマ。
    小説よりも詳しく奥深く人の心を表現しているし、
    小説よりも一つ一つの中身が深いです。

    映画ドラマではカセットテープでしたが、
    小説では交換日記になってます。びっくりしました!
    映画を作成するにあたって、カセットテープに変更されていたと考えると監督流石です!

    ですが、小説も感動しますよ!
    映画とドラマを見た後だったから、余計に感動したと思いますが言葉が美しいです。

    「1人で生きる人生は、ただ長く退屈なものに感じられる。
    ところが
    #好きな人と一緒だとあっという間に分かれ道まで来てしまうのである。」

    「#死んだ人に対してワシらは悪い感情を抱くことができない。」

    「#僕が生まれてきた世界はアキのいる世界だった」

    PS 最近Kindleを購入してから、読みたい本があり過ぎて全然映画を見れてません。

全162件中 21 - 30件を表示

著者プロフィール

昭和34年(1959年)愛媛県宇和島市に生まれる。愛媛県立宇和島東高等学校卒業。1977年九州大学農学部に入学。専攻は農業経済学。1981年同大学卒業、大学院に進む。1986年「気配」にて『文学界』新人賞受賞。1995年、『きみの知らないところで世界は動く』を刊行。はじめての単行本にあたる。2001年『世界の中心で、愛をさけぶ』を刊行。その後、ベストセラーとなる。近著に『世界の中心でAIをさけぶ』(新潮新書)、『世界が僕らを嫌っても』(河出書房新社)などがある。福岡市在住。

「2024年 『含羞の画家オチ・オサム—美術集団「九州派」の先駆者—』 で使われていた紹介文から引用しています。」

片山恭一の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×