走れメロス (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101006062

感想・レビュー・書評

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  • 9編の短編集。
    お気に入りは、「走れメロス」「女生徒」です。

    太宰治の小説は、しばしば読んでいると鬱になりそうで、頭が違ってきそうで、吐き気を催しそうになる。しかしながら、鬱になるのは分かっているのにまた読んでしまう面白さがあります。

    そんな中で、「走れメロス」は明るく、友情の美しさ、人間の怠惰が上手く書かれているので大好きです。
    「女生徒」は感情の起伏が多くて、読んでいる内に鬱になりそうです。

  •  太宰治の人生色々ありすぎと思いましたし、メロスもいっぱい走ってました(ゴミくそ感想)。

  • みくのしんといっしょによんだ

  • 太宰治の実体験を題材にした『帰去来』『故郷』が特に印象に残った。津島家と長く関係のあった中畑さんと北さんの優しさに感動。この2人がいなければ、小説家 太宰治はいなかったかもしれないと思うと、かなり人生における重要なキーパーソン。
    学校の授業で話題に上がった「富士には月見草がよく似合う」で有名な『富嶽百景』思春期の女子高生の一日を書いた『女生徒』も面白かった。より太宰治という作家を知りたいと思う短編集だったかもしれない。

  • 朗読してて一番面白いな、と思ったのは『駆け込み訴え』。ちょっとの間の感情の振り幅がエグい。30ページもの間、たった一人の人物の独白が続くのもエグい。
    『故郷』の涙を堪えてるシーン、コレは分かるなあ。

  • いやー面白すぎて止まりません。太宰治、こんなに面白かったのか。語り口は現代小説にも通じるような、新鮮な味わいがあるし、言葉の選び方がいちいち良い。絶妙に力を抜いてくるというか、こうだろうと構えてると、その斜め横に収まって、アレ〜ッとコケて、照れ笑いというか。非常にうまい。

    それにとにかく笑わせてくれるし、まるですぐ目の前に太宰治がいて、じかに語られてるような、ずっと前から知ってる人だったような、ちょっと不気味なくらいのリアリティもある。さすがとしか言いようがない。なんで今まで読んでなかったのか不思議なくらいだ。文豪の作品なんてものはもっとこう岩のように硬いイメージがあったけど、こういう人もいるのだなと改めて文学の広さを感じた。

    ひとつ気になったのは、略歴でお決まりのように玉川で入水自殺と書いてあること。世間的にはそれも含めての芸風ということになってるのかな。読むまでは考えたこともなかったが、読んでみるとそんな気がしてくる作風だ。

    さて、ダス・ゲマイネ、衝撃のラストだが、とにかく、馬場と佐野次郎氏の関係性が妙に色っぽくて良かった。登場人物たちがそれぞれに重なりつつ、愛の円を描いている。その中心にあるのは、まるで逢引のようにして上野の茶屋で語らう君と僕。馬場みたいな口先ばかりの得体の知れない変人てのは、若い頃は魅力的に思えたもんだよなと懐かしくなった。もしかしたら自意識に関する寓話なのかもしれないけど、自分は友情の物語として読んだ。

  • 女生徒のために読み始めました。
    収録されてる話の中で読んだことがあったのは「走れメロス」と「駆け込み訴え」だけでその他の作品はほぼ知らなかった。
    女生徒は想像してる話と全然違ってて驚いた。てっきり女子校の話なのかなと思い込んでたので
    あれはあれで好きです。色々と考えてることがぽんぽん飛ぶ感じ身に覚えがある

    読んだ話が偶然そうなのか分からないけど、太宰の話って懺悔してるのが多いね
    その懺悔の文が好きです
    太宰自身の懺悔は自分も共感してしまって、読みながら「分かる……」って思ってた

    「ダス・ゲマイネ」が意外に刺さった
    主人公が事故に遭う少し前からが好き

    「駆け込み訴え」については感想が書けない、最高としか言えなくて熱量を文字にして伝えられるのが本当に凄い

  • ふと、息抜きのために読み始めたのですが、思いのほかテンポがよくて面白く、一気に読み終えました。まるで、カメラをたずさえて、メロスの横を伴走しているような感覚になるくらい、臨場感もあります。
    小学校の教科書にのっていたので、知っている気になっていましたが、こんなに美しい小説が他にあるだろうか。と、今さらこの物語の良さを知った次第です。
    強さと弱さ、善と悪、それらが心の中に混在してこそ、人間なんだな。それでいいんだ!だから頑張ろうよ!と、元気付けてくれる一編。
    心が疲れたときにまた読みたい。なんだか美しいもので心が満ちて行く、そんな読後感をくれる素敵な短編です。

  • メロスとセリヌンティウスの美しい友情、信じる事の素晴らしさを学生当時教え込まれた。しかし、太宰が真に語りたかったのはそうだろうか?メロスは一度は友を裏切った。友もメロスを疑った…

  • 教科書に載っていたので読んでみた。
    太宰治の表現の仕方はかなり特殊で初めて読んだ時はびっくりした。
    だけど、順を追って考えたらどのようなストーリーかだんだん理解することができると思う。

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著者プロフィール

1909年〈明治42年〉6月19日-1948年〈昭和23年〉6月13日)は、日本の小説家。本名は津島 修治。1930年東京大学仏文科に入学、中退。
自殺未遂や薬物中毒を繰り返しながらも、戦前から戦後にかけて作品を次々に発表した。主な作品に「走れメロス」「お伽草子」「人間失格」がある。没落した華族の女性を主人公にした「斜陽」はベストセラーとなる。典型的な自己破滅型の私小説作家であった。1948年6月13日に愛人であった山崎富栄と玉川上水で入水自殺。

「2022年 『太宰治大活字本シリーズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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