三四郎 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101010045

感想・レビュー・書評

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  • 最近の小説はあまり読んだことがないので分からないが、古典的青春文学と言われる所以がよく分かる気がする。とても面白い。
    stray sheep、僕も講義中に、ノートに書きたくなった。

  • 坊ちゃんが読み易くて面白かったので図書館で借りました。
    読むのにすごく時間がかかりました。
    里見さんのキープ感。

  • 前期三部作の一作目。若い頃、いや今もかな、女は男にとって、謎であり、神秘的であり、魅力的であり、時に憎らしく恨めしい。でも、登場する女性も同い年の男を、頼りないと思いつつも、同い年として気軽さを感じている。しかし、この当時の男と女の交際感覚が、この二人の関係を許さなかった。でも、登場する女に、われ我がとがを知る。我が罪は常に我が前にありと語らせることでこの後の、明治の文豪と呼ばれる男、夏目漱石の男と女の恋愛を巡る喜びと苦悩の大きな物語の始まりを予感させる。

  • 流されるように生きる三四郎と、活動的な与次郎の性格の対比が面白かった。三四郎はとても受動的だけれど、心理描写やセリフからときおり美禰子に対する気持ちが見える。ストレートに恋愛感情を表現しないのは、時代のためか、それとも登場人物がストレイ・シープであることを表現しているためなのかわからない。でもそこが良いのだと思う。読んでて結構ときめいてしまった。

  • 読みやすくてするすると世界に入っていける。直接書かれていなくても登場人物の台詞やちょっとした行動で心持ちが伝わってくる。三四郎が察するシーンが何度かあってそれが好きだな。頭の中で急に繋がっていくところがよく分かる。
    ふとした時に美禰子の視線が遠くにあるのが、美しい人なのだなと思わせる何かがある。ちょっと小悪魔すぎるけど。気にしていた野々宮との間でなくまったく別の人にとられてしまってあっけなかった。
    恋の話もいいけど広田先生や原口氏の仰ることでハッとした部分がいくつかあった。

  • めっちゃおもしろい、、
    昔の話だけど、おしゃれやなぁって思った
    文明開化って感じ
    与次郎が憎めなくてツボ
    森見登美彦の小説に出てきそう
    人のこと面白おかしく批判するみたいな
    いいねえ
    文章も好き

  • 『サイコパスという概念のなかった世界で』

    とても短いお話なのに約1ヶ月読了にかかってしまった。このお話は、私にとって一種のSF小説のようだった。当時はまだサイコパスという概念は日本には存在していなかっただろうけれど、近い未来その性質を持った人間が増殖していくだろうことを物語の中で夏目漱石は暗示している。

    もちろんお話的は文字通り大学恋愛小説なのかも知れないが、未来を照らしていた夏目漱石の吐息を感じることができる作品だと私は思った。

  • 三四郎の鷹揚でいて繊細な価値観から、様々な人物が表現されていく。与次郎は自分が正しい事をしていると思っていて、精力的に働いている。それが故に周りが見えていないところがある。美與子は、三四郎に思わせぶりな態度をとったり、一種愚弄しているような発言をしたりで三四郎にいろいろな感情をもたらす。とりわけ運動会のシーンが面白い。三四郎は運動会が詰まらない。詰まらないので裏にある丘の上で暇をつぶしている。そこに美與子がきて、「そこで何をしているのか」と問う。三四郎は、「運動会が詰まらないからここにいる」と答える。美與子はさらに、「そこには何か面白いものがあるの?」と問う。
    非常に諧謔味があって良い。三四郎はあとでこれは愚弄されていたのではないかと思い返す。
    おそらく三四郎が面白くなかったのは、運動会自体ではなかったのではないかと思う。

  • 与次郎が、いと可笑し。

  • 初めて読んだ時はストレイシープが何かとても気になった本。
    戸惑う三四郎は初々しく、自我を持ちつつ結局は・・・な美穪子さんも魅力的。漱石の本に書かれている人の抱える矛盾や葛藤はしっくりきて好きです。ただ、弱くなっている時に読み続けるとハマり過ぎてしまう。

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著者プロフィール

1867(慶応3)年、江戸牛込馬場下(現在の新宿区喜久井町)にて誕生。帝国大学英文科卒。松山中学、五高等で英語を教え、英国に留学。帰国後、一高、東大で教鞭をとる。1905(明治38)年、『吾輩は猫である』を発表。翌年、『坊っちゃん』『草枕』など次々と話題作を発表。1907年、新聞社に入社して創作に専念。『三四郎』『それから』『行人』『こころ』等、日本文学史に輝く数々の傑作を著した。最後の大作『明暗』執筆中に胃潰瘍が悪化し永眠。享年50。

「2021年 『夏目漱石大活字本シリーズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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