歌行燈・高野聖 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101056012

感想・レビュー・書評

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  • こんな読みにくい小説は初めて。リズムを重視しているのだろうが省略多いし難解。

  • 泉鏡花の高野聖、歌行燈など5つの短編を収録しています。ここに収録されている作品群も鏡花の持つミステリアスさとエロティシズムにあふれています。また、鏡花の作品はどれも文章を読むというよりも映像を見ているような錯覚に陥ることがあります。特に上記2作品は鏡花の作品の中でも特に有名なもので、どちらも映画化までされています。この短篇集の中では"高野聖"と"売色鴨南蛮"がとても気に入りました。明治から大正にかけての作品で読みにくい部分、理解しづらい部分もありますが、たまには気合を入れて挑戦するのも良いかもしれません。

  • 連休に入り、時間的に余裕が出てきたので少し背伸びをして読んでみました純文学。

    タイトルの高野聖、どんなストーリーかも知らずに読み進めましたが、これは、、、ミステリー&スリラーという感じなのか。。。

    難解な日本語で包まれてますが、途中からは「で、どうなるの?」と興味をそそられ読み進めさせられます。

    山中に迷い込み、そこで遭遇する恐怖体験はリアルな描写で身の毛もよだちます、山に入れなくなります。

    が、この作品から何を感じ取ればいいのか、、、メッセージ性はあまり無いと思いますが、怖いもの見たさに読むのは有りです。

  • 難しくて…難しくて正直よく分からなくて悔しかった1冊です。
    でも何故だか凄く好きな感じなのですよね。
    特に「好色鴨南蛮」が好きでした。
    こういう難しい文体の本もきちんと読み取れるようになりたいです。

  • 折々再読します。あらすじを知っていても読みたくなるのは、幻想世界への誘いが強烈だからでしょう。イマジネーションに身を委ねると、ひりつく暑さの中での匂い立つような淫蕩さが五感を刺激します。これぞエロチズムです。

  • この新潮社版収められている全ての短編がすばらしい。ことに「女客」が好き。舞台は家の2階。明治時代。お互いに我が身の不運を感じながらも生きている書生と、乳飲み子を抱えた親戚の女。火ばちで手をあぶりながら身の上話をするふたり。階下の子の泣き声にはっと現実に帰る。

  • ちょっとエロティックなサスペンス「高野聖」と、落語でよくある話しながらテンポよくすすむ「歌行燈」がおすすめです。

    詳しくは http://d.hatena.ne.jp/ha3kaijohon/20120807/1344292045

  • 高野聖より
    (茫然してると、木精が攫うぜ、昼間だって容赦はねえよ。)


    風景描写と感情表現の境目が霧懸かっている。
    なんだこりゃ?白昼夢だったのか?
    でも自分いつ寝ていつ起きたのか解んねぇ…!

    って感じた怪しい本。いいね。ニヤッとしちゃう。

  • 『高野聖』の官能的な描写は素晴らしいと感じた。ただ単に肉体の官能を文章にするような局部的な官能ではなく、文章全体の流れから官能を呼び起こす総体的な官能であり、幻想的という言葉がよく合う小説であると感じた。

    『歌行燈』は、泉鏡花が芸術に対して持っている愛のようなものさえ感じる小説。装飾品の美しい描写が特徴的であり、行燈が暗闇を照らしているような、朧気な雰囲気が漂う耽美的と言える小説であると感じた。

  • ざっと読んだだけでは筋がつかめず、何度も読み返した。でも完全に把握したとは言えない(「女人」にいたってはメインテーマすら謎)・・・きっと超厳選された鏡花作品なのでしょうが。

    幻想的な世界が好き。その割に当時の時代背景を知らないと読めないのもある。

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著者プロフィール

1873(明治6)年〜1939(昭和14)年)、小説家。石川県金沢市下新町出身。
15歳のとき、尾崎紅葉『二人比丘尼色懺悔』に衝撃を受け、17歳で師事。
1893年、京都日出新聞にてデビュー作『冠弥左衛門』を連載。
1894年、父が逝去したことで経済的援助がなくなり、文筆一本で生計を立てる決意をし、『予備兵』『義血侠血』などを執筆。1895年に『夜行巡査』と『外科室』を発表。
脚気を患いながらも精力的に執筆を続け、小説『高野聖』(1900年)、『草迷宮』(1908年)、『由縁の女』(1919年)や戯曲『夜叉ヶ池』(1913年)、『天守物語』(1917年)など、数々の名作を残す。1939年9月、癌性肺腫瘍のため逝去。

「2023年 『処方秘箋  泉 鏡花 幻妖美譚傑作集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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