- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101096018
感想・レビュー・書評
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溌剌とした生命に感傷的な気持ちを抱く作者のエッセイ・・かな。絶えず繰り返されて語られる、日の光を浴びた者がやがて闇に消えていく恐れは、私には考えすぎ!だと思ってしまう。後半戦は、こんな繊細な作者が交尾について語るのだが、なんだかとても不快感が残った。梶尾さんは生命よりも「Kの昇天」のように死を直接描いた方が似合うんだ。
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檸檬、桜の木の下、Kの昇天、ある崖上の感情など。
当時の肺結核が人々に与えた絶望感は凄まじいものであったと思う。
梶井基次郎も肺結核を患ったなかでの作品であるがゆえに、死がすぐ真後ろにいるような物語が多い。
頽廃的で陰鬱な雰囲気でありながら、ときに郷愁的で物哀しく美しい筆致で、令和風に言うとエモい。
月の光による自分の影をじっと見ていると、生物の気配があらわれてくる。
電燈の光線ではなく月の光がいちばんいい。
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「檸檬」はよくわからないけど、他短編の病気で鬱鬱としている話は、自分の状況と重なってかわからんがよかった。いくつかの短編はちょっと難しく、あまり理解できなかった。
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梶井基次郎『檸檬』
を掲載していますが、
上白石萌音ちゃんの本棚にある本が何か
謎です。
栞紐があることから
新潮文庫のカバーを外した状態に見えますが、
背表紙の下部に
新潮文庫
の表記がないのと
梶井基次郎 著
と著を付けて表記されていないため
新潮文庫の線は消えます。
新潮文庫限定プレミアムカバー 2018年版
の可能性も考えましたが
カバーの背表紙の下部に
新潮文庫
の表記があるため、違います。
https://twitter.com/bluelotus0/status/1012283338264997889
2015年8月21日に、
丸善京都本店が
京都河原町に再び開店した際の
非売品「檸檬」梶井基次郎(抜粋)読書ノヲト付き
の可能性も考えられます。
http://izumo-netlife.com/archives/4106/ -
昨年末、まさに丸善の店頭で、かーんと冴えかえっていた、レモンエロウの表紙に心奪われ衝突買い。それからおうち時間も長引き、自ずと鬱屈してくると、表題作の「檸檬」よりも尚アンニュイな「冬の蝿」が心打つのであった。
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著名な作品で名の知られているものだが、読むのは初めてである。檸檬は短い話であるがその世界観は色濃く、檸檬の様に瑞々しく、酸っぱい青春の思い出を感じさせるものである。瑞々しいものにダークな灰色が混じり合って、ヒリヒリとした思い出が加わり、段々と違う味を出していき、また別の青春の甘みと苦味が加わり、時には絶望感を味わう場面もあり、それらが徐々に研ぎ澄まさていくような感じであった。青春文学の感受性豊かな物語だなと感じる。
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改版。深入りしそうだ。
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病に倒れ31歳でこの世を去ることになる著者。世界の醜さや美しさをより深く感じることができる。
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三ページほどの掌編だが、『桜の樹の下には』が好き。語り口と相まって、声に出して読みたくなる感じ。