檸檬 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101096018

感想・レビュー・書評

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  • 梶井君がお母様に対して懺悔したい気持ちがあるのだろうなという事だけは分かった。

  • 生と死。

    病気に苦しみ、死に向かう梶井さんの姿が頭に浮かんだ。

    健康な私は、日常から喜びを見出しているだろうか。
    謙虚な姿勢。
    感謝する心。
    忘れていないだろうか。

  • 得体の知れない鬱屈の中で、一個のレモンと出会った喜び。生活が蝕まれる前に好きだった丸善に入り、ふといたずら心を起こす…レモンを爆弾に見たてて現状打破を夢見たり、鮮やかな色彩が喚起される印象的な短編だ。舞台となった丸善・京都店ではレモンを置き去る人があとを絶たなかったそうである。
    その丸善が2009年に発売した創業140周年記念限定万年筆「檸檬」を私は所有している。ボディは鮮やかなレモンエロー。新潮文庫版『檸檬』がセットになっていた。我が家には一体何冊『檸檬』があることやら。

  • 後雪(だったか)は情景が美しく、誰しもが持つ望郷の念に心惹かれる話だった。
    それ以外は筆者が病気がちだったせいか、病んだ雰囲気の作品が多く、死とはどういったものか改めて考えさせられた。気持ちの沈む本。

  • 猫の耳の話が印象的 ひんやりとすべすべした猫の耳にひそむもの

  • 久々に「かせきさいだあ」を聴いて、これまた久々に梶井基次郎。
    やはり「檸檬」につきる。他の作品とのギャップがね。

  • 2014/04/05

  • この本の主人公は皆、精神的肉体的に病んでいますが、重苦しいかったり鬱々とした感じはあまり無く、寧ろ爽やかな感じすらします。檸檬、過古、雪後は、この本の中でも飛び抜けて素晴らしいと思いますが、個人的には城のある町にて、Kの昇天、ある崖上の感情が気に入りました。

  • 梶井基次郎「檸檬」◆囁くような声で強烈な言葉を放つような不思議なインパクトを残す表題作ほか。全体的に死の気配が漂っていますが、それでいてどこか幻想的で美しい。怖いはずのものを美しく感じてしまうのは、小説の持つ魅力であり魔力のようなものかな、と。檸檬以外に「Kの昇天」も好きでした。

  • 31歳の若さで他界した梶井基次郎の作品20編を収録した作品集です。本人の体験などを基にして書かれていると思われ患っていた様々な病気の影響か、どの作品にも死の影が色濃く出ていて陰鬱とした雰囲気が強いです。ちょっと気が滅入っている時に読むと気持ちが引きづられていくかもしれないです。しかし、その中から切り取られた情景は、作者の鋭い観察眼や豊かな感受性のおかげで、どこまでも透明で美しい色彩を帯びています。それがもっとも強く表現されているのが表題作にもなっている檸檬だと思います。

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著者プロフィール

明治34年(1901年)大阪府生まれ。同人誌「青空」で活動するが、少年時代からの肺結核が悪化。初めての創作集『檸檬』刊行の翌年、31歳の若さで郷里大阪にて逝去した。「乙女の本棚」シリーズでは本作のほかに、『檸檬』(梶井基次郎+げみ)がある。

「2021年 『Kの昇天』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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