Dの複合 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 593
感想 : 60
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  • Amazon.co.jp ・本 (528ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101109282

感想・レビュー・書評

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  • 初めて読んだ松本清張。
    何となく関係性は仄めかされるものの関連性が不明確な事件や自称がひとつになっていく感じは、一部が重なりあっているいくつかの円がひとつに重なっていくような感じ。
    宮部みゆきの、関係なさそうな点的事件がひとつの線で結ばれていく感じとはまた違って、自分の推理をしながら読むことができた。

    初めて読んだのもあったが、物語に没頭するまでの時間がかかったのが難点。
    この没頭するまでの時間をエンジンがかかるまでの時間と表現すると、なるほど知らない作者の本を読むのは「本当にエンジンがかかるかなあ」という車に対する不安と同一視できるのかな。
    でも、エンジンがかかってからの颯爽感を感じさせる筆致はさすがビックネーム!

    2013.7.4

  • ミステリーに旅行と歴史を味付けにした。その道具だてがややくだくだしい。もう少し短くまとめても良かったのではないか。12.4.20

  • 網野町の木津温泉が出てくるミステリー小説。(でも意外と地元の人は知らない気がする)ちなみに清張がこの作品を推敲した木津温泉の宿「えびすや」は現在も営業中。いつか泊まりに行きたい・・・。

    浦島伝説など古代史の謎と殺人事件を絡めたミステリー小説。どんでん返しは無いものの、清張作品によく描かれている(ような気がする)「悲しい過去」のエピソードが本作もよく効いてます。

  • 今月の14冊目。今年の127冊目。

    久々に松本清張氏のものを読みました。が、今回はちょっと肩すかしくらった感が否めない。Dの複合というタイトルについて、作中でその理由が述べられているのですが、ちょっと微妙、ていうかそこまでしっくりきていない。あとは、民俗学の情報が多すぎる。この前読んだ東野圭吾の『超殺人事件』の短編のうちの1つで、情報媒体としての小説を皮肉ったものがありましたが、それを思い出しました。いくらなんでもここまではいいや、って感じですね。ま、勉強にはなるけどね。勉強するために読むわけじゃないからなー。

  • 本格的長編推理小説に挑戦!! 笑

    房総の鋸山の描写が嬉しかった。きっと他の地域も行ったことがあればもっと豊かに風景を想像できるんだろうなと思った。
    「計算狂い」の人が出てきたけど、サヴァン症候群のことなのかな?

    なんというか、作品に出てきた人がほとんど、話が終わるまでに死んでしまうので、悲しすぎる。

  • 松本清張を読むと旅に出たくなります。

  • 売れない作家の伊瀬忠隆に、雑誌「草枕」の「僻地に伝説をさぐる旅」の連載依頼がくる。編集者・浜中と共に浦島伝説と羽衣伝説が残る伝説の場所をめぐる中、次々と起こる不可解な事件。35という数字にこだわる謎の女の出現に、正体不明の白骨死体。連載のために訪れる先々の共通点は・・・連載企画の裏に潜んだ計画とは・・・。ストーリーの展開もテンポ良く、ぐいぐい引き込まれて、最後にまさかの大逆転。最高に面白いミステリーでした。

  • 地図帳と見比べながら、途中からスリルで一気に加速する。がしかし、最後の章が共感しがたい、無責任すぎやしないか?!それでも松本清張は読んで損はない。

  • 紀行文ミステリーの王道、とでも言えば良いのでしょうか、個人的には、ミステリーそのものよりも、舞台となった各地の情景描写に心惹かれたのは事実。そもそも読んだきっかけも、旅で行った丹後半島と浦島伝説が絡んでいると勧められたので。

    ミステリーそのものは、多少垢のついた、平板な内容かな、と思わないでもありませんが、これはきっと逆で、最近のものがこういった時代のものを模している(部分もある)のだろうと思います。

    どうにも、ミステリーというと「謎解き」をしたくなりますが、本書は、それよりはドラマそのものを追う方がメインになってしまいました。逆に、謎解き、という感じの内容では無かったような気がします。結果、紀行文としての印象が強くなりました。

  • 羽衣伝説には興味があったので色んな情報が得られて得した気分。それにしても調査力というか取材力?がすごいなーと関心。

    でも読む勢いがつくまで結構時間がかかったなー。

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著者プロフィール

1909年、福岡県生まれ。92年没。印刷工を経て朝日新聞九州支社広告部に入社。52年、「或る『小倉日記』伝」で芥川賞を受賞。以降、社会派推理、昭和史、古代史など様々な分野で旺盛な作家活動を続ける。代表作に「砂の器」「昭和史発掘」など多数。

「2023年 『内海の輪 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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