人間そっくり (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101121123

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  • 「こんにちは、火星人」という番組を制作している男の元にあらわれた火星人と名乗る男。男の妻から精神を病んでいるとの電話。迎えに来ない妻。火星人としての会話。「火星病」「地球病」の謎。男の住所に隠された秘密。

     2010年8月29日購入

     2010年8月30日読了

  • 行き詰まったラジオ脚本家の男の自宅に、自分は火星人だ、と名乗る「人間そっくり」な来客が現れる。

    人間そっくりな火星人なのか、火星人そっくりな人間なのか、人間そっくりな火星人にそっくりな火星人なのか…

    最初から中盤までは堂々巡りをしているように感じ、どう話を落とすのだろうと勘を巡らせながら読んでいるうちに、いつの間にか谷底に突き落とされていたような感覚に陥る。

    超未来的だとか非現実的なモノは現れず、書斎と少しの外界だけで完結する完璧に作り上げられた、言葉だけのSF。

    安部公房の有名な作品に砂の女や壁があるが、最もこれは負けた、と思わされた作品。

  • 購入:「この本欲しいな~」と思ってたときに古本屋で偶然見つけた。出会いだと思った。

  • 自称火星人とのバトル

  • フリが長い!けど最後のへんがすごいです。
    伏線あってのアレですね。
    侵食されていく感覚が気付いた時ちょっと怖いです。

  • 何が本当なのか、どっちが正しいのか。わからない…わからないままぐるぐる振り回される…

  • 王道のSF。読後なにか微妙に恐怖感が残る

  • わたしはだあれ

  • 「こんにちは火星人」という番組を作っているあるラジオ作家のところに、自分は火星人だと主張する一人の男が訪ねてくる。
    火星人は、「人間そっくり」であり外見から判断することはできないのだという。最初は、ただの狂人だと考えて対応する作家だが、「火星人」ののらりくらりとした話術でイラつきと不安を感じるようになり・・・。

    自分が人間であるということをどうやって証明できるのか。
    また、自分が正常な人間であることをどうやって証明できるのか。
    「当たり前」だと考えていることが、実はとても不安定な基盤によって立っているということをつきつけてくる。「火星人」という男の行動や話しぶりは、とても不快でありながら妙な説得力をもっており、主人公の作家だけでなく読むものにも不安な気分をもたらす。「ドグラ・マグラ」にも似た感覚がある。

  • すごく納得。面白い!

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著者プロフィール

安部公房
大正十三(一九二四)年、東京に生まれる。少年期を旧満州の奉天(現在の藩陽)で過ごす。昭和二十三(一九四八)年、東京大学医学部卒業。同二十六年『壁』で芥川賞受賞。『砂の女』で読売文学賞、戯曲『友達』で谷崎賞受賞。その他の主著に『燃えつきた地図』『内なる辺境』『箱男』『方舟さくら丸』など。平成五(一九九三)年没。

「2019年 『内なる辺境/都市への回路』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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