人間そっくり (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 203
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101121123

感想・レビュー・書評

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  • 内容的にも量的にも星新一を読む感覚で楽しめる小説。わかりやすいし、エロくもないから安心しておすすめできる安部公房。それでも描写はやっぱりさすがですよ。

  • まま、かなっ。ハリウッドの感じです。きっと結末はどうでもよく、所どころの情景描写だけやりたかったのでしょう。お家で話すほのぼの感はよい。やらかさないと信じていたので、ガッカリはしたが、よく考えると、最初からやるか、最後でやるかの違いか。阿部っ!アーメン。

  • 人間かも?嘘かも?あ、私…火星人かも!

  • おもしろいけどちょっと長すぎかな-
    途中飽きてしまった。

  • 夢が現なのか現が夢か。現実と妄想が「そっくり」という言葉で次第に曖昧になっていく…面白かったです!さて本を閉じた後私の周りにあるのは現実か寓話か。断定は、実はできないのかも。

  • 人間のそっくりさん入りました

  • こんにちは火星人。

  • 人間そっくりな姿をしている“自称”火星人が部屋に押し掛けてきて、違和感ばかり残る問答を繰り返す内に、主人公が超然とした”答え”を見失ってしまう……という物語。
    その”答え”が意味するものは、僕らであっても当たり前に持つ『自分が地球人である』という自覚。主人公のように、僕らが自称火星人の彼と会話をしたとして、自分が地球人であるということを歴然と証明できるであろうか。僕がこの物語を読んだ上でいうと、きっと不可能だと思う。
    突拍子の無いように思えて、聞く内に「本当は正しいのではないか」と感じてしまうから、彼の語る言葉が恐ろしい。一体何が正しくて何が間違っているのかもわからなくなってしまうような、不可解な会話を一場面でやりきってしまうところが阿部公房の凄さだと思う。
    僕らを支える地盤に聳える”当たり前の事実”に対し、もしかしたらを突き付けてくる革新的な小説だ。

  • 日本人作家初の長編SFだそうです。
    火星人と名乗る男がラジオ作家の前に現れ、その会話で作家は何が現実なのか分からなくなっていく。
    発想力と、戯曲の様なト書き文章で出来てあるからこそ色々な想像を掻き立てられる様な作品。

  • 我々は地球人であることを疑ったらいけない。なぜならそれは証明できないことだからである。それは公理であり、論理というものはそもそもこの公理がなければ成り立たないわけである。我々は論理を重視するわけだがその論理も公理が認められるから成り立つに過ぎないのだ。公理が疑われるとすべての論理は力を無くす、そんな過程をすごくスリリングに描いた小説だと思った。公理を疑うのは、純粋な知的好奇心なのか、またそれともあらゆる論理を超越しようとする傲慢さからなのだろうか。その先にあるのは地獄だろうか、違うのだろうか。文章が子気味よく進み、また不気味で、最高の小説だった。阿部公房初心者にもオススメの一冊。私も作者の他の本を読みたいと思うきっかけになった一冊だ。

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著者プロフィール

安部公房
大正十三(一九二四)年、東京に生まれる。少年期を旧満州の奉天(現在の藩陽)で過ごす。昭和二十三(一九四八)年、東京大学医学部卒業。同二十六年『壁』で芥川賞受賞。『砂の女』で読売文学賞、戯曲『友達』で谷崎賞受賞。その他の主著に『燃えつきた地図』『内なる辺境』『箱男』『方舟さくら丸』など。平成五(一九九三)年没。

「2019年 『内なる辺境/都市への回路』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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