チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (434ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101181028

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  • チェーザレ・ボルジア。目的のためには手段を択ばない。非常で残酷なことも厭わない。
    武将であるが、実際の戦闘は少ないように思う。戦闘の前に戦いを決している。
    自前の軍隊を持たないところから始まり、わずかの期間でイタリアの中央部を支配した。あと何年かあればイタリアの多くを手にしたに違いない。あるいは、さらに領土を広げたかもしれない。
    父の死とともに一気に凋落する。あっけないほどの逆転。最期が謀略によるものではなく、戦死であったところが救いのように感じる。

  • 戦乱の世を駆け抜ける冷酷に見えてかなり計算高く、でも優雅で、そしてもう少しというところで運に見放される。
    私の中ではずっと織田信長とイメージがかぶるのですが。大好きだし、愛が感じられる話。

  • 初期の作品だからか、少しぎこちなかったかも。
    他の塩野さんの(多くの)作品と違って、
    1人の人物を扱っているせいか、
    ですが、途中読むスピードがかなり落ちました(笑)。
    周りに出てくる人物や勢力図について、
    もっと詳しく知りたくなりました。
    特にウルビーノ公グイドバルト。
    また、「コンスタンティノープルの陥落」のように、
    最後チェザーレの力が落ちてからの描写が
    哀しくも心惹かれました。

  • これも十数年ぶりの再読。巻頭のイタリア地図と付き合わせながら読み進めました。塩野ファンとしては、初期作品としての読みにくさは多少感じたものの、素朴さ、荒々しさが逆に主人公に合ってた気がします。駆け足なので、もっと一つずつのエピソードを楽しみたい気がします。巻末の沢木さんの解説も秀逸。塩野さんが主人公に惚れていることが良く分かります。

  • 塩野さんの著書は何度読んでも飽きない。塩野さんのイタリアの歴史に対する愛情を感じる。チェーザレ・ボルジアはかなりの冷酷、暴君として通常は描かれているが、塩野さんの人間愛によるチェーザレは、彼も所詮は命に限りある生身の人間であったことに気づかされる。
    彼と同時期に日本では織田信長がいて、妹のお市の方がやはり兄の暴政で自分の運命を翻弄されていた事実は非常に面白い。

  • タイトルに惹かれて、そのまま塩野さんに惹かれていくことになる。

    チェーザレ・ボルジアの史実だけを追うと「冷酷」しか残らないけれど、彼を取り囲む資料から彼の人物像を構築するなら、「優雅なる」は外せない。

    この部分の魅力がいつになっても色褪せない。

  • 近世初頭に史上初めて統一された「イタリア」を目指したチェーザレの、波乱に満ちた生涯を描いた作品。文献を援用しながら情景もたっぷりと描写する‬独特の構成で、歴史書とも物語ともつかない絶妙な読み心地。そして、この時代はやっぱり面白いなあ。‬

  • 文句なく面白い。

    もちろん小説なので、相当に脚色されてはいる。
    ロマーニャ侵攻は家長の教皇が主導だったし、イタリア統一を志していたというのも無理がある。

    けど、良いのだ。
    社会秩序の中で鬱屈していた若者が、安定した暮らしを投げ打って頂点を目指し、絶頂の只中で不運により破滅する。
    その後を追うように、イタリアそのものが隷属の道を歩む。
    チェーザレのドラマティックな人生が、余すことなく描写されている。

  • ルネサンス期、初めてイタリア統一の野望をいだいた一人の若者――父である法王アレッサンドロ六世の教会勢力を背景に、弟妹を利用し、妻方の親族フランス王ルイ十二世の全面的援助を受け、自分の王国を創立しようとする。チェーザレ・ボルジアの生涯。

  • モリコー・梶川さんからのプレゼント。

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