チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (434ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101181028

感想・レビュー・書評

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  • 一応小説として読んだが、歴史本というカテゴリになるのかなぁ。「国盗り物語」の司馬遼太郎的な書き方、そういや中身も近いか。

    とにかく、読みづらかった。この本の世界にグっと入っていける何かがまったくなく手掛かりの探り探り、途切れがちな集中力を奮い起こして、活字を追いかける練習をした感じ。これ塩野さんの本と分かっていなかったら、多分途中で挫折したと思う。

    主人公のチェーザレなる人物が魅力に乏しい、塩野さんがどうしてそこまで入れ込んだのか、好みの問題なんだろうけど、その好みもどの辺にあったのか伝わって来ないからイライラする。

    政治的な駆け引きのシーンも手に汗握るというほどでもなく、行動の人という割には権謀術数が上手い人のようにも思え…マキャベリとダ・ヴィンチの名声を借りてよーやく歴史的な人物になってるだけのように思える。

    実際、そういう人物だったのか、若かりし頃の塩野さんの筆がそう思わせるのか。とにかく、チェーザレに魅力を感じ得ない1冊だった。優雅よりも華麗よりも盛り上がりを読ませてくれ!

  • ローマ法王の子息として、ルネサンス期のイタリア中部を、冷徹な謀略と軍事的才能で統一した、野心家チェーザレ・ボルジアの生涯。同じ塩野さんの『わが友マキアヴェッリ』にも登場したように、マキアヴェッリの同時代人で、後に『君主論』でも取り上げられています。人物としては非常に魅力的。

  • チェーザレ・ボルジアの栄華盛衰。
    塩野七生氏の著作は久しぶりだが、この文体は内容が入ってこない。苦手としているのは変わっていなかった。

  • 「ルネサンスのメフィストフェレス」
    野心と才能に溢れたチェーザレボルジアさんの生涯。
    著者の方が好意的だからか、メフィストフェレスといった悪い感じはしなかったです。
    チェーザレさんよりもそのお父上の法王アレッサンドロ六世の方が老獪な印象でした。
    チェーザレさんは良くも悪くも若いと思います。

    政略結婚、暗殺、脅迫、権力、懐柔…みなさま敵になったり味方になったりと大変お忙しかったようです。

    少し期待していたボルジア家の毒薬カンタレッラは出てこなかったです。
    よくよく調べてみると本来この時代だとそういうものは発達していなかったようです。
    カンタレッラを持っていたにしては、暗殺はいつも暴力によるものでした。

  • 自分もそうだが、チェーザレの事績を見て信長を想起する人は多いようだ。優劣を比較するには、他の条件もさることながら生きた時間の長さが違う。信長も短命だがチェーザレはさらに。

  • 良かった点
    1:「生き急いだ」チェーザレの生涯がざっと掴めたところ。
    惣領版を読む時「あーこの伏線、今後こうなるんだよな」と把握できた。でもそれって面白さを損なう面もあるんだけど、我慢できなかったんだ。
    2:惣領版にはなかったネタがちらほら。
    紙面の都合か、人物造形がブレるから外したのか、当時と史実の解釈が違うのか。歴史物のエピソードの取捨選択は作品の骨子であり、いろいろ考えると面倒くさいが面白い。

    よくなかった点
    小説でもなく評伝でもなくという独特のスタイルが好きになれなかった。主観的なようなそうでないような。あと余所から奪った花嫁を愛人にしたり陥落させた女城主を手籠めにしたり、「英雄色を好む」的な感じがプロトタイプであまり好きじゃない。イタリア男の根っこってこんなもんなの?

    総評
    マンガ・惣領版チェーザレの休載時に続きが気になって読んでみた。あらすじの予習としてはまあまあ。稀代の君主の栄枯盛衰物語としては駆け足な分魅力が薄い。また読んでもいいけどもう読まなくてもいい一冊。

  • 日本では織田信長と比較されることの多い野心家チェーザレ・ボルジア。群雄割拠のイタリアにあって時に懐柔、時に略奪、時に処刑と発揮された合理的かつ冷酷なリーダーシップは、マキァヴェッリから理想の君主として評価され、「君主論」のモデルとなった。
    リーダーシップというと現代のマネジメント論に結び付けられがちだが、チェーザレ並の果断と裏工作と秘密主義は一中間管理職レベルの人が参考にするもんじゃない。少なくとも事業主レベルである必要があるだろう。

  • 一人の破壊的創造者の烈しい人生と一族の栄枯盛衰を描いた壮大な物語。舞台は中世のイタリア、父はローマ法王アレッサンドロ六世、本人チェーザレも一時は枢機卿にまでなったエリート中のエリート。しかし、宗教世界での安定した生活を捨て、彼は俗人世界での権力者を目指す。政略結婚は当たり前、毒殺などの陰謀渦巻く世界でのチェーザレの活躍、そして最期を描く。

  • マキャベリ語録と連続して読みました。
    まさに優雅なる冷酷というべき合理的な
    行動者でした。

  • 彼が元々自らの領地や民を持っていたら、もっと別な方法で「イタリア」を目指したのだろうな。

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