ローマ人の物語 (19) 悪名高き皇帝たち(3) (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101181691

感想・レビュー・書評

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  • 悪名高いのかぁ?、と思ってしまう皇帝ですね。50歳になってからの予期せぬ登板だったにもかかわらず、きっちり仕事を果たしてくれている気がします。すごい人も大事かもしれないけど、こういう手堅い人がちょいちょい出てきたからこそのあのローマ帝国だったんだろうなぁ、と思います。

  • クラウディウス治世の巻。カリグラが暗殺され、皇帝の座と無縁に近い位置にいたクラウディウスが引っ張り出される。ずっと歴史学者として過ごしてきた人が皇帝になるとどうなるのか?戦争や軍隊については明るくない反面、政治や法律には才能があったようで、先代たちの方針を守り、コツコツとその基盤を整えている。
    ただ、私生活になると無関心さが表れ、それが政治など及んでしまった(しかもクラウディウスがそれらを止められない)ことが”悪名”の一因であることは確か。
    カリグラの犯した失敗を取り返しつつ、また別の問題を生み出した皇帝クラウディウス。その問題から生まれた次皇帝ネロ。次巻はどのような治世がはじまるのだろうか。

  • いきなりクラウディウスが死んでしまったのだが。彼は良くやったよ。

  • 読書日:2012年11月15日-19日
    title in Italiana:IMPERATORES MALAE FAMAE.
    4代皇帝はClaudius。
    この皇帝が何故titleの様に悪名高きとなったのかが理解出来ませんでした。
    甥のCaligulaの治世を払拭させた皇帝で、統治も元老院や一般市民、属州民の為になる様に治めたという印象が強いです。
    Messalinaは何と言うか自業自得という言葉しか出て来ません。
    Julia Agrippinaのあの狡猾さは母親を思い出します。
    息子を帝位に就けても碌な最期を迎えない様に感じました。
    続きが気になります。

  • クラウディウスは, ティベリウスと同様に真面目に職務を遂行するが, ティベリウスと違うところもやはりあって, ティベリウスの不評な部分を修正して好評を得る一方で, 別の不評もあった. そこに妻や奴隷たちがつきいる隙があったのだが, そこを批判して完璧を強いるのは少しかわいそうな気もする

  • 第四皇帝クラディウスの章。

    引きこもりの歴史家が突如として皇帝に祭り上げられる、異色の皇帝。面白い。

    ちょっとしたサクセスストーリー。

  • カリグラを暗殺した近衛隊長ケレアらに擁立された第四代皇帝クラウディウスの治世を書いている。生まれはガリアで、病気がち、小児麻痺でも患ったのか、貧相で風采のあがらない男であった。皇帝になるまでの人生を「歴史家」として生き、皇帝となってからは、世の冷笑もかえりみず、誠意で政治を行った皇帝となった。カリグラが放り出した水道工事の貫徹、ユダヤとの外交修復、ブリタニアへの遠征、港湾の整備、国勢調査、郵便制度の開放など功績は多いが、元老院の議席をガリアにも開いたことは特筆にあたいする。これらを支えたのが、三人の優秀な家内奴隷、「秘書官」たちである。ただ、悪妻がアキレス腱で、最初の妻メッシーナは皇后になったことで舞いあがり、生来の浪費癖に拍車がかかり、有力者を罠にはめて自死に追い込み、財産を没収し、着服するという行為をくり返した。色欲の追求にも貪欲だった。最後は公然と重婚を犯した。いつものように皇帝をいいくるめるため、弁明の機会をもとめたが、秘書官たちが見限り、皇帝の命を曲げて自死させられた。二番目の皇后はネロの母、小アグリピーナであるが、自分の名前を都市につけるなど横暴な面もあったが、メッシーナより頭がよく野望もあった。哲学者セネカなどにネロを教育させ、着実に権力基盤を固めていく。小アグリッピーナは秘書官の留守に皇帝を毒キノコ料理で殺したといわれている。クラウディウス自身は誠心誠意の人であったが、悪妻たちに抑えが効かず、とにかく威厳がなかった。また、誠心誠意が通じると素朴に思っていた所が愚かでもあった。

  • クラウディウスの治世.淡々と続き,そしてネロ登場.次巻はどうなる?

  • 賢帝としてもよい位、真面目な皇帝というイメージ。
    読めばなぜに悪名?というイメージを持つ。

    ポイントは妻のコントロールとプライドへの配慮なのだろうなぁ。

    ティベリウスと似ていた皇帝だったが、よりローマ人ぽい統治が行われる。
    故に目新しさがないことも不人気の一つだったのかもしれない。

  • 4代皇帝クラウディウスが主役。どの時代にも悪妻によって身を滅ぼす権力者はいるものですが、結婚する女性がことごとく強烈な妻になり、最後は殺されてしまうとは・・・。3代皇帝カリグラがめちゃくちゃにしたローマ財政をなんとか立て直そうとなりふりかまわず頑張った皇帝も悪妻に足を
    引っ張られるちょっとかわいそうな皇帝のお話。 

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