橋ものがたり (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (389ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101247052

感想・レビュー・書評

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  • 解説より
    「読者はいつの頃からか物語よりも情報を読みたがりはじめた。」(井上ひさし)

  • はじめて時代小説を読んだ。
    小説といっても短編集だが、短い中にとても濃厚な時間が凝縮されていて、そのいずれも心に残るものであった。

    橋は現代で言う駅のようなもの。
    人と人がすれ違う場所であり、待ち合わせ場所にもなる。
    必然的にドラマが起きやすい場所なのだろう。

    この時代を生きていた人は、現代人に比べて、心同士の距離が近い。
    すぐに連絡が取れる世界ではないので、過去に交わした約束は信じるほかなく、時間が経つにつれて頭の中で色濃くなっていくのだ。
    その分、人が人を思う強さ、心同士の距離が近いのだろう。

  • 短編集でしたが、どの話も優しいのでほっとすると同時に結末に救われるということが多かった気がする。

  • 2016.05.25

  • 約束
    小ぬか雨
    思い違い
    赤い夕日
    小さな橋で
    氷雨降る
    殺すな
    まぼろしの橋
    吹く風は秋
    川霧

    市井の男女の喜怒哀楽の表情を瑞々しい筆致に描いて、絶賛を浴びた傑作時代小説。

  • 「約束」「小ぬか雨」「赤い夕日」「殺すな」が好き。「赤い夕日」の新太郎にときめいた。

  •  藤沢さんの市井ものの短編集、橋にまつわる物語である。約束とこぬか雨を読む。
     思い違い、赤い夕日、小さな橋での三作を読む。思い違いは指物職人の源作と女郎屋に身を置くおゆうの話、赤い夕日は出自の秘密を持つおもんが主人公、小さな橋では金銭トラブルで父が蒸発した家族の子供、広次が主人公。
     就寝前の10分、20分くらいの心にさす目薬。

  • 出会いあり、別れありの橋にまつわる話の短編集。
    心ぬくもる物あれば、せつないものもあるが読後の余韻はよかった。

  • 藤沢さんはとにかく読みやすい。

  • 藤沢周平が描く江戸町人の世界。本書では表題通りに「橋」をキー・コードに物語が拡がっていく。「橋」は、境界でもあり、また人と人とが出会う場でもある。そして、ここには藤沢文学に特有のせつなさと、しみじみとした暖かさがにじむ世界がある。

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著者プロフィール

1927-1997。山形県生まれ。山形師範学校卒業後、教員となる。結核を発病、闘病生活の後、業界紙記者を経て、71年『溟い海』で「オール讀物新人賞」を受賞し、73年『暗殺の年輪』で「直木賞」を受賞する。時代小説作家として幅広く活躍し、今なお多くの読者を集める。主な著書に、『用心棒日月抄』シリーズ、『密謀』『白き瓶』『市塵』等がある。

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