重力ピエロ (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.78
  • (4528)
  • (5976)
  • (6258)
  • (820)
  • (167)
本棚登録 : 55479
感想 : 4257
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (485ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101250236

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • だいぶ前に話題になっていて気になっていたのでようやく読んだ。

    過去の話や雑学、偉人の逸話がちょこちょこ挿入されて本筋が中々進まず、イライラしてきた。

    段々飽きてきて本筋の放火犯が誰なのか、何が目的なのか、もどうでも良くなってきて読むスピードが落ちてきてしまった。
    最後の方は読破するまで苦痛になったくらい。
    1回読んだらもう読み返さないかな…。

    アヒルと鴨のコインロッカーでも文章の書き方があまり好きじゃなかったので、多分この著者の作品は自分の好みじゃないんだと思う。(あちらは物語が面白かったのでまだ読めた)

    ただ、最後の父親のセリフには不覚にも感動してしまった。

  • 全部読みましたが面白くなかったです
    ・登場人物の人物像やセリフが薄っぺらくリアリティに欠けて没入感が得られない
    ・偉人の名前出しときゃ深みがでると思っているところが浅はか
    ・話が退屈
    ちゃんと全部読みましたが私には合いませんでした

  • 物語自体は面白く、最後は結末がどうなるのか知りたくて一気に読み進めてしまった。言葉の選び方や歴史上の人物の引用も本当に面白い。

    ただ、春が殺人をし、それを「悪いけど良いこと」とするのはどうしても納得がいかなかった。レイプはもちろん絶対に許せないことだし、そのレイプにより生を受けた春の苦悩は理解できる。
    また、葛城はレイプを反省しておらず、最低な人間だ。

    ただ、最低な人間で恨みがあるからといって殺していいのか?または、複数レイプをし、その時点で反省していない最低な人間であれば殺していいのか?
    春のセリフの中で、「自分が犯した罪の程度には罰せられるべき」という内容があったが、葛城は殺人をしていない。そこにも矛盾がある。

    最低な人間であっても、その親もいれば、友人もいるのだ。殺人をしていない人間を殺す(死刑になる)のは個人的にはどうしても納得がいかない。

    家族愛のある面白い話だと思ったが、残念だった。
    (葛城を殺しさえしなければ、共感できた)

  •  なんか不愉快。というか気持ち悪い。下手すれば罪の無い他人を焼死させかねない放火魔を美化する話。己の復讐のためになら、赤の他人が焼死しても資産を失っても構わない。自分のことしか考えない思考回路。気持ち悪い。この作家の作品は二度と読まない。
     インテリを振りかざし、知的ジョーク、言葉遊びが繰り返される。入り込めば楽しいけど、一度醒めると鬱陶しいだけ。
     さらに自己矛盾。加害者には加害者の理屈があって、被害者のことは圏外でよしとした終わり方。
     不愉快な気持ちで読み終わった。

  • 初の伊坂幸太郎。評価が高かったので楽しみにしてたんだけどな…合わないのかしら?
    会話は面白いし読みやすかったけど、中弛み感がすごい。山も谷も全くなくて何度も読むのやめようかと思った。平坦、ただただ平坦。
    「春が2階から落ちてきた」冒頭の1文。ここが1番良かったところ。兄弟愛?家族愛?は微笑ましいけど、本当に面白くなかった。これだけで判断しちゃいけないんだろうけど、伊坂幸太郎読む気なくなった。

  • 友達に勧められた作品ですが、
    読みにくくて仕方ありませんでした。
    村上春樹に似ていると言われてる方だったんですね。
    とても納得です。

    事件の内容、家族の過去だけを見ると重たい題材を
    扱っているのですが、作中に出てくる
    「本当に深刻なことは陽気に伝えるべきなんだよ」
    の言葉の通り、登場人物が全員飄々と書かれているため
    重く感じません。
    その飄々さ、重く感じさせないところが合う方には
    素晴らしい作品なんだと思います。

    とはいえ、フィクションであっても犯罪者は
    きちんと刑や罰を受けるのが好ましい私としては
    ラストまで気持ち悪いままでした。
    言葉悪く「結局家族ごっこかよ!」とつっこまずにはいられません。
    春が望まれずして授かった子だから、
    家族内で冷遇や虐待をされてきた逆恨みとか
    葛城が自分の子供と知って、強請ってきたとか
    そのような背景があるならまだわかります。
    ただただ春の気難しい性格が事件を起こしてしまったと
    しか思えず、それを正すこともしない父親と兄が
    気持ち悪くて仕方がない。

    世の中綺麗事だけではないといいながら、
    自分たちは綺麗事で終わらせるみたいな。

    そんな後味の悪い作品でした。

  • 個人的にはつまらなかった。

  • 重いテーマなのに軽すぎて、何も伝わってこない。気取った文章ばかり目立つ。私には合わなかった。

  • オーデュボン、ラッシュライフ、陽気なギャング、重力ピエロと読んできたが、今のところ特に心に響くものはない。
    砂漠はだいぶ前に読んだが、面白かった。ということは、重力ピエロ以降の作品はどんどん面白くなっていくのか?

    上記作品に共通しているのはとにかく「薄っぺらい」ことだ。
    ミステリーというには謎が入り組んでおらず、文芸というには軽い。
    登場人物は「いかにも作った」感じだし、ストーリーは伏線回収といえば聞こえはいいがどこか「都合が良い」。
    そのくせ、うだうだと喋る喋る。ドストエフスキーを引用して見せるが、ライトな読者層には「頭が良さそう」に映るのだろう。

    世間では人気があるようだから、私の狭い感受性に合わないだけなのだろう。

    印象的な一節。
    ――ピエロは、重力を忘れさせるために、メイクをし、玉に乗り、空中ブランコで優雅に空を飛び、時には不格好に飛ぶ。何かを忘れさせるために、だ。
    私が常識や法律を持ち出すまでもなく、重力は放っておいても働いてくる。
    それならば、唯一の兄弟である私は、その重力に逆らってみせるべきではないか。

著者プロフィール

1971年千葉県生まれ。東北大学法学部卒業。2000年『オーデュボンの祈り』で、「新潮ミステリー倶楽部賞」を受賞し、デビューする。04年『アヒルと鴨のコインロッカー』で、「吉川英治文学新人賞」、短編『死神の精度』で、「日本推理作家協会賞」短編部門を受賞。08年『ゴールデンスランバー』で、「本屋大賞」「山本周五郎賞」のW受賞を果たす。その他著書に、『グラスホッパー』『マリアビートル』『AX アックス』『重力ピエロ』『フーガはユーガ』『クジラアタマの王様』『逆ソクラテス』『ペッパーズ・ゴースト』『777 トリプルセブン』等がある。

伊坂幸太郎の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
伊坂 幸太郎
伊坂幸太郎
伊坂 幸太郎
万城目 学
伊坂 幸太郎
米澤 穂信
伊坂 幸太郎
宮部みゆき
伊坂 幸太郎
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×