子供の死を祈る親たち (新潮文庫)

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著者 : 押川剛
  • 新潮社 (2017年3月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (445ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101267623

子供の死を祈る親たち (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • ...とはいえ、このような司法の判断が続けば、社会の風潮として、対応困難な精神障害者(認知症含む)の事案においては、「そこに至るまでに相応の事情があれば、家庭内で殺人事件が起こるのもやむなし」という方向に流れていきかねません。その現状に私は、疑問と同時に恐ろしさを覚えます。(p299)

    以下抜き書き。

    ...一読すると、患者の人権に配慮した、しごくまっとうな記述のように思われますが、現実はどうでしょうか。対応困難な患者に限って言えば、「本人の希望通りのプラン」こそ、家族への支配であったり、専門家の介入を拒むことであったりします。... (p389)

    ...この地域移行・アウトリーチの理想と現実について、私の実感を端的に申し上げれば、「支援を受けられる患者と、受けられない患者の二極化がはじまった」のひと言に尽きます。 (p390)

    繰り返しになりますが、今のところ、医療機関での治療が受けられ、地域移行・アウトリーチのレールに乗れるのは、「優秀」な患者、すなわち専門家にとって「扱いやすい」患者に限られています。そこからこぼれ落ちた患者たちは、「社会的入院」や「長期入院」こそ免れるかもしれませんが、未治療や受療中断による事件化、そして司法化により「社会的制裁」を受けることになります。この現実に、私は憤りと虚しさを覚えます。 (p410)

    読了 2017/05/14

  • 平成29年9月17日読了。

  • 精神障害者移送サービスというものを知った。

  • 前作に続き、驚きの実例がたくさん。本人、これよく耐えられるな…と思うような生活をしている移送対象の人ばかり。でもそれは他人事じゃないんだ…というのも感じさせられた。なんかこう、どの業界においても限界が感じられる。普通の幸せ、が難しいことがよく分かるし、それを実現するためには積み重ねていくしかない。壊すのも一瞬、なんだけど、一瞬に見えて実は積み重ねられて壊れていってるのかもしれない。
    うちの実家も一歩間違えばこうなってたかも…と思った。
    現場からの声を大事にしてほしい。と自分のいる業界を振り返っても思う今日この頃。

  • 著者は、精神障害者移送サービスという聞き慣れない仕事を営む。彼は、引きこもり・家庭内暴力など、家族では抱えきれなくなった子供を精神病院に移送し、その後の患者の自立あるいは親からの独立まで向き合っている。複数のモデル事例を仮名で紹介したのち、福祉政策も提言。現場の声は重い。

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子供の死を祈る親たち (新潮文庫)の作品紹介

親子間の溝はますます深くなっている。自室に籠もり、やがて自殺すると脅し親を操るようになった息子。中学時代、母親の不用意な一言から人生を狂わせ、やがて覚醒剤から抜け出せなくなったホステス。刃物を振り回し、毎月30万も浪費するひきこもりを作ったのは、親の学歴信仰だった。数々の実例からどのような子育てが子供の心を潰すのか徹底的に探る。現代日本の抱える病巣を抉る一冊。

子供の死を祈る親たち (新潮文庫)はこんな本です

子供の死を祈る親たち (新潮文庫)のKindle版

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