- Amazon.co.jp ・本 (277ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101349275
感想・レビュー・書評
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学校に苦手な先生がいるんですけどその先生としっかり向き合おうと思える話だった。
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私自身、先生という仕事をしているので、自分の身の振りと重ねる部分があり、とても興味深い話だった。
先生も人間だよなと、改めて思う。 -
いろんなせんせいが登場する短編集。作者は相変わらず子供と中高年の気持ちの描写が、うまいなあと感じ入りました。思わず、自分自身とお世話になってきたせんせいとのエピソードが、ないか探してしまいました。
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同業だからこそ共感できることも腹立たしいこともたくさんあった。しっかり向き合えた時も逃げてしまった時もあった教員生活。「こんな先生でありたい」にたくさん気付かせてくれる一冊でした。
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安定の面白さと切なさ!
何だかんだ最初の話が1番良かったな〜〜
結構キツイ話も多かった。。。
大人になるにつれ、先生も自分たちと同じ一人の人間だったということがわかってくるなぁ〜 -
重松清は先生、生徒、保護者の話が多いね。
この本は、6編の短編集。
中でも、『泣くな赤鬼』 は今月、映画が公開されるらしい。
本を買ったときには知らなかったけど。
高校野球の監督と選手の話。
努力しても報われないので、不良になって学校を辞めてしまった生徒が大人になって病院で再開するという話。
悪くはないけど、私は6編の中だったら 「ドロップスは神さまの涙」 の方が好きだな。
イジメにあって保健室しか行けなくなってしまった少女。
しかし、イジメされていると確信したくないので意地悪されているだけだと思うようにしてる。
先生はイジメに気が付いてクラスメートに反省文を書かせて少女に渡そうとする。
少女はそう思いたくないのに、先生が精神的に追い詰めてしまう。
少女の気持ちがわかってくれるのは怖い保健の先生。
このような先生と児童生徒の短編集。
学校にいい思い出がない人も沢山いると思う。
この本読んでちょっとでも慰めになったらいい。 -
先生だって人間だよなぁ、と今になって分かる。
悩みながら先生をやってるんだな。
よかれと思って対応しても、その事が子供たちに伝わってなかったり、かえって悪くなっていたり、先生も大変だ…。まぁ、分かってはいるけど、親の立場からしたらしっかりやってくれよ、と複雑な面もありますが…。
『泣くな赤鬼』
これは柳楽優弥さん、堤真一さんで映画にもなっていて、そちらも拝見しました。生徒と先生、生徒同士の気持ちがすれ違う。あの時、もう少し言葉を尽くしていれば、とか、あの日あんな言い方をしなければ、もしかして違う未来になっていたかもしれない。ゴルゴは、赤鬼先生に素直にほめて欲しかった、よくやったって、言ってほしかったんだなぁ。 -
重松さんの描く「親子」や「教師と生徒」が好きだ。
なぜだろうか。重松さんの描く親や教師はどこか懐かしくて心のどこかがキュッとなるのだ。自分がもう子供時代が遠い昔だからと言うのもあるのだろうが、それだけじゃない。自分が普段忘れている記憶が呼び起こされるからかもしれない。
自分が大人になってみると、当たり前のことに気づく。親も教師も、全然完璧なんかじゃない、一人の人間なんだよな、と言うこと。子供の頃はそんなことが分からないから、どうして大人なのにこんなこと言うんだろう、と反発したり、大人が言うんだから間違いない、自分がダメなんだ、とあまりに素直に悲しい言動も受け入れてしまったり。そうやって当時のことが俯瞰的に見えるようになってから読む、重松さんの親や教師の物語は、子供の頃には分からなかった、大人の戸惑いや不安や悲しみを描いてくれていて、それを、自分が見てきた親や教師の思い出と重ねてしまうのかもしれない。
「白髪のニール」の中にこんな一節がある。『不思議と寂しい。ほんとうに、なぜか、寂しくてたまらない。 懐かしさは寂しさを埋めてくれるだけではない。かえって寂しさがつのる懐かしさだってある。四十歳を過ぎると、そういうことが少しずつ増えてくる。』
この感覚はとても良く分かる。たとえ楽しかった記憶の思い出であっても、懐かしいよなあなんて話していると、なぜか寂しさがこみあげてくるのだ。最近思うのは、学生時代に思い出す子供の頃の思い出は、純粋に楽しかったことは楽しかったことだった。きっとそれは、同じような楽しみをまだ今の学生時代の中で再度体験できるかもしれないから。けれども、いったん社会人になると、子供の頃や学生時代の楽しかった出来事は、もうこの先経験することが出来ない楽しみだとわかっているから、何とも言えない寂しさを感じるのかもしれない。
そう考えると、この「白髪のニール」で『サマーフェスティバル』で先生のギターをまた聞くことができた長谷川くんを羨ましく思う。 -
重松清の文章はやっぱり読みやすくて好き。
教師と生徒の関係を、主に教師の立場から描いた短編が収録されている。
映画化された(らしい)「泣くな、赤鬼」は、こちらが泣いてしまった。
教師にとっての後悔や葛藤がリアルで良かったし、結局何の解決にもなってないけれども、心の中で少しの変化を起こして終わる終わり方も良かった。
先生って、すごいんだな、と素直に思った。 -
重松清 著「せんせい。」を読みました。
授業そっちのけで夢を追いかけた先生。一人の生徒を好きになれなかった先生。厳しくすることでしか教え子に向き合えなかった先生。そして、そんな彼らに反発した生徒たち。けれど大人になったとき先生が教えてくれたことが伝わってくる。先生と生徒をめぐる6つの短編集。
先生という存在は、あれだけ毎日顔を合わせていたのに、大人になるとほとんど関わることがなくなってしまうという不思議な存在であることを改めて感じました。
先生と生徒という関係でいた時には伝わらなくても、二つの存在がともに大人として、同じ立場に立った時、本当の意味が分かってくることがあることを私自身信じていきたいと思いました。
人生の中で、いろいろな先生と出会うことで、また、いろいろな生徒と出会うことで、1歩前進したり、後悔したり、ちょっと立ち止まって休んでみたり、それが人生の成長につながっていくようにしていきたいです。