忍びの国 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (375ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101349770

感想・レビュー・書評

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  • あれー、忍びって忠義者で、主君のためなら命厭わず、っていうイメージがガラガラと崩壊。銭で動き、人情ナニソレ、義理って意味不明、の集団だったのねー。無門の圧倒的な強さは読んでいて爽快。彼の生い立ちが最後に分かったとき、お国との出会いと別れは無駄ではなかったと思いました。取り戻したかと思いきや、ラストはまた戦い。そこが何ともぶれずに良いなぁ、と思えます。日置大膳が素敵。映画のそれぞれのキャストもなかなかイメージ通りで、時間が出来たら観てみたいと思いました。

  • 忍者の酷薄さが新鮮で面白い。団結とか伊賀のためとか、日本の歴史にありがちな武士道とはかけ離れた、ハートウォーミングでない考え方が逆に新しく感じてするする読んだ。
    無門がのらくらしてるのに最強でかっこいい。でもなぜそんなにお国のことが好きになったんだろう。美人だから?
    お国のラストシーンが不満。なんかあっけないというか、無駄なことした感が…
    死ぬ必要あったかな?
    無門が最後大膳や信雄のところから帰って着てから急に忍者の冷たさに苛立つってのもちょっと不思議に思ってしまった。そのせいで忍者敵に回してお国のラストシーンになっちゃったわけだし…
    筆者的には、忍者の考え方は人じゃない、てことを最後に無門に言わせて、下山平兵衛とか柘植三郎右衛門の思いをくませたかったんだろーな、

    アクション爽快、サバサバ忍者たくさんで楽しい、
    大野くん主演で映画化だそうだけど、たしかに無門のヘラヘラしつつ強いってのは大野くんぽいかもって思いました。

  • 忍とはこういうものだったんだろうな、と現実離れすることなく納得しかながら読める時代小説。映画観てもいいかな、って感じ。
    秋田には忍の里はなかったんだろうけど、あった場所に行ったら旧跡巡りも楽しそう。

  • 伊賀攻略を進める織田信雄と伊賀の百地三太夫との戦を軸に物語が展開する。

    とても映画的というか読みやすくて半日かからず読み終わった。実写化もするわな

    登場する伊賀の忍びの者らがまぁ救いがたい
    己の欲望に忠実で他人が死のうが知ったこっちゃない
    自分に累が及んでようやく省みる
    乱世だからありえた正直な生き方だったのかもしれない

    読み終わって一番印象に残ったのは、虎狼の族は天下に散った、という日置大膳のことば

    のぼうも面白かったし映画も観てみようかな

  • テンポもよく一気読みでした。大好きな風太郎と比べると、ハチャメチャさが無い分マイナスだが、よく言えば現実的で、ある程度史実にも即した形で話が進むので、歴史好きにも楽しめるかな。

    でもこれ、伊賀出身の人が読むとどう思うのかな。本当にこういった人生観の人が今でも多いのなら、少々付き合いにくいかも知れない。いや、正直でストレートな分かえっていいか。

    人物造形も良いが、個人的にはお国が好き。もちろん無門も憎めない。敵役の人間も生き生きとしていて楽しめました。

  • 面白かった!忍びの成り立ちのせい?かどうしても忍びって暗いイメージなんだけど、どうしてこんなに、爽やかに描けるんだろ。
    とにかく敵も味方も個性的でどの人もいいんだよね。あの信長さえニヤリとしてしまう。ダメダメな信雄だって。
    やはり、無門の魅力にはメロメロで、あのお国の前でのヘタレさが堪らない。その対極にいるような大膳がキラキラしてるし。
    伊賀者の徹底した利己主義さも今まで義理人情しばりの小説とは一味違うな。

    「本来、忍びの術とはこういうものであった。何も跳んだり撥ねたりが忍術の本質ではない。肉体を使って巡らし策謀を練った。術をかける相手の"心"を読み解き、その"心"につけ込むことで勝ちを得る。忍びの術の真価はそこにあった」
    こんなとこも面白い仕掛けの一つ!

  • 表紙にひかれてパラパラめくってみると、三重県の地名がたくさん出てきていたので思わず買ってしまった。田丸城跡は小学校の遠足の定番です。

    子供を殺されても何とも思わないような忍者の文化は、非情で合理的。そこに反旗を翻し里を抜ける忍者がいて、、、策略と欲が絡み合うようにしながら戦になだれこんでいくという話。

    今後、この本に出てくる下人達みたいな非情な態度になる人を見かけたら、実はこの人忍者なんだと思うことにする。

  • 映画を先にみました。
    映画が面白かったので読んだのですが
    映画にあった躍動感
    文章で表現するのって難しいですね。

    忍者と言えば忍法
    土遁の術って文章になるとめっちゃ滑稽…

  • 和田さんの小説を続けて読みました。読了後、自分が小さく思えてきたので少し間をあけます。

  • 伊賀の忍者、無門の話。忍特有の戦闘描写はとても臨場感があって面白かった。忍びとして育てられてきた無門がお国の死で人の感情を取り戻す。地侍の百地三太夫は敵の心情は読めるのに裏切る下人たちの心は読めないのが皮肉だった。結局無門が大将首に賞金をかけることで裏切った下人も参戦して信雄を追い返すがその切り替えの早さも面白かった。

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